お前はいつも
俺を見て笑う

俺は必死に伝えようとしてるのに


くすりと笑って
濡れた唇は お馬鹿さぁん と、しずくをこぼし
白い糸をひく

俺は真剣なのに


お前はいつも、本気にしない
艶やかな笑みを残すだけ



その唇は
いつもぬめるように濡れていて
糸をひく

その糸の白い光が
俺の脳の奥に残る 残る 残る


思い出すたび
頭の奥がシビれる

俺はまた
お前に惹き込まれていく





無意識の中で、お前の白い糸を追っていた

お前の白い糸をわし攫んで
引き寄せていた





気づけば、お前はもうお前じゃなかった
俺も俺じゃなかったんだと思う





白濁としたぬめる雫に溺れていた
そんなお前は美しかった
今までのどんなときよりも



美しくて

美しくて


我を忘れて




俺はもっともっと

お前を汚した





日が沈むにつれて
闇夜が俺たちを包んだ



お前はもっともっと綺麗になる



青白い月の光が

お前をもっともっと綺麗にみせた



お前の白い肌が
よりいっそう浮き立って


その乳房も
その脚も
その紅い唇も


よりいっそう艶やかに輝いた



こんなに美しい女は
お前以外にいないよ

もう、この世界の何処にもないよ






もっともっと
お前を感じたかった

だのに
お前は動かなくなった


俺を見て
初めて せつなそうな顔をみせた
唇が紅くぬめって
なきそうに歪んだ



そうして
静かに笑みをみせて
動かなくなった





綺麗だった
ほんとにほんとに綺麗だった


綺麗だったんだよ、お前が





どうして消えちゃったんだよ
どうして俺はこんな暗いとこにいんだよ
どうしてお前に会えないんだよ



なぁ

俺も行くよ

俺もお前のとこ行くよ




だから


わらってくれよ





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