【満月だった夜】



薄れていく記憶の中でも
あの日のことだけは
不思議とよく覚えている



君の瞳に甘い膜が広がって
僕を鏡のように映してた

膜はいつしか雫になって
柔いシーツに 染みをつくった

僕はただ
その雫の流れる先を 見つめてた


雫は 月に照らされて
きらきらと輝いて

僕を責めるように


蒼白い光が 淡く輝く
君の肌は
まるで 月のようで

美しかった



満月の夜のこと




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