▼長く

消えそうに痛んだ色が更に色褪せた目の前で

僕はそれの息の根を止めようと手を伸ばしながら躊躇って

今一瞬の火が消えてしまうそれに気付くでも何も出来ない

止められた足を抜き取ってでも前に進むそれも曖昧


空気を吸い込み此処に僕はいるなんて叫ぶ途端に座り込む

行き場のない酸素と二酸化炭素が地球を支配する

温暖化や核問題や今直ぐにでもこの惑星が終わってもおかしくはない

だけどそれに怯えながら暮らすのはウンザリだけどまだそうやってる


クラスでは息が詰まったそんな暖かな空気は要らないの

無くせなくせと呼んでいるその声も無視して眠っていたい

長く長く深い不快にもう耐えられそうにも無いけど耐えてる


適当なリズムを作りながらこれまた適当な歌詞を口ずさむ

「夕暮れ」と「忘れた」と「独り」が入っていればそれだけで完璧

僕が歌うと誰かが戸惑うそれか悲しい困惑の表情になる

それでも構わないんだけどちょっとだけの罪悪感ぽつり


好きなものは全て小さすぎる僕の手の平からこぼれ落ちた

鎖で雁字搦めにしてそれで逃がしてないつもりでもいた

傷が付くのを嫌がって綺麗に保存したたくさんのものも

今ではホコリでも被ってるんだろうか誇りなんか一片も残ってないんだろ


僕のせいだ長い長い迷いの中で消え去ってしまったんだ

どうしても失くしたくないものは手にとることさえ怖い恐ろしい

そんなものもう二度と手に入れないで


僕の為に壊れてしまうなら


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