▼私から僕へ

さようなら、貴方はもう帰って来ない

ずっと見ているんですよ、見守っているんですよ

だけど、干渉は出来ません 貴方が、壊れてしまうから


帰っておいでと叫びたいのです

でも、貴方には聞こえない 届かない

耳をただ通り過ぎて、私が知らない世界で悲しく響くだけ

だから、最初から叫んだりはしないのです


さようなら、さようなら、何処へ行ってしまったの

ずっと待っているのに、待っているんですよ、

だけど、貴方は帰って来ません ただ、私がいるだけ


どうしてなのと問いつめたいのです

でも、貴方は私が分からない 気付かない

視界を微かに埋めて、また外されて視線は路頭に迷う

だから、最初から姿を見せたりしないのです



あんなに一緒にいたのに、どうして行ってしまったの?

私と貴方は同一なのに、どうして私を知らないの?

記憶をなくした貴方を、私はただ見つめることしか出来ません

最初は一つだったのに、貴方はどうして孤独になるの


ただ 一つ 望むのは

どうか 貴方

遠い昔に置いてきた未来に筋肉痛の右手で手を振って


私を知らなくてもいいから、

貴方の中の自分に気付いてください


どうか


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