▼僕の世界が、

宙ぶらりんのままで逆さまにされたような

不可思議な感覚でずっと彷徨っている

涙が逆流しそうな朝に、ふと虚しくなる


夢がない世界は嫌いだった

ただ、色褪せて視界から消えるだけ

だけど、それも良いんじゃない?

帰ってきた懐かしい故郷に、安堵か絶望か分からない溜息を


人生を逆走している訳でもなく

ただ、左右によろけながら歩いていくだけ

明日が見えた途端に、ふと悲しくなる


厳密には夢がある訳でも無かった

何か、やり方を忘れてただ呆然としていた

それは、どういうことなんだ?

戻ってきた寂れきった世界に、「ただいま」の響きに似た溜息を



辿り着けない筈はなかった

だって、道は知っていた

だけどずっと迷っている、今さえも


「怖いのかい?」「まさか」「まぁ、僕には関係ないけど」

まさにその通りだった 未来を恐れていた

だけど誰にも関係無いことだった


僕は、少しだけ回り道をして

だけどまた戻ってきてしまったんだ

懐かしくて惨たらしいこの世界に

僕の世界に



回り道という名の近道を通って僕は進んだ

だけど結局同じところに繋がっていたんだ

別のところには繋がってやしなかったんだ

何もかも、諦めたくなってしまったんだ…



宙ぶらりんのまま逆さまになってよろけながら

夢のない自分を、諦めている自分を嫌いながら


ただ、全ては色褪せて消えるだけ

僕の視界には何も残らない

目を開ければそこには、ただ、僕の世界が在るだけ

懐かしくて寂しい、僕の世界が


僕だけの世界が


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