▼最終章
魔法少女リリカルなのは ワタル外伝最終章「宿る魂」
ワタルは一人、敵地に乗り込んでいた。
彼は妻のレイヌが病に侵されていながらも、任務を続けていた。
それは、彼女からそうするようにと言われたものだ。
目の前に映るは、数名の男たち。
彼らは自動拳銃を手に持ち、敵意を向けている。
彼は今回、以前に任務を失敗し囚われの身となっている仲間を救うために、ここにやってきた。
レイヌの出身世界、ミッドチルダのとある三人が次元世界をまとめようと活動している中、いずれ自動小銃を始めとした質量兵器の禁止が定められるであろうと予想されるこの時期に、ここ魔界でも質量兵器の取締りが始まった。にも関わらず、こうして何らかの方法で兵器を入手し、闇取引で利益を得ようとしている者がいる。
その仲間は、その実態を突き止めようと、危険を承知の上で敵地に乗り込んでいったのだ。
しかし、彼の潜入捜査は見破られ、牢獄での囚われの身となってしまった。
仲間を一刻も早く、助け出さなければならない。
だが、その組織の戦力は、騎士団の十分の一ほどと言われているほどの大戦力。
死神が助けるとは言え、正面から戦うには余りにも無謀である。
犠牲を出したくない為躊躇していた死神たちを見たワタルは、たった一人で助けに行ったのだ。
「お前、どこの者だ?」
「捕えられている仲間を助けに来た」
男たちは予想外なことを聞いたような、キョとんとした顔を見せる。
「はーははははは!こいつは驚いたぜ、たった一人で何をしにきたと思えば……あんた、死ににでも来たのか?」
男たちが笑う。
すると、男たちの横を、ふわっと風がとおりに抜ける。
「黙れ、死ぬのはお前だ」
ワタルは既に、男たちの背後に移動していた。
そう言うと同時に、男たちの笑い声が悲鳴へと変わる。
自動小銃を持った腕と、立つために必要な両足を切断され、呻き声が木霊する。
苦しむ男たちの状態を横目で確認したワタルは、返り血で汚れたマントを脱ぎ捨てて、その場を後にした。
血塗られた刃を持ちながら、長い廊下を歩く。
テロリストのアジトと思えないほど、建物の中は綺麗に造られている。
駆け足で廊下を掛けるワタル。
捕らえられている仲間の場所までの道は、全て頭の中に入っているため、道に迷うことなく廊下を進む。
そして、左右に分かれる道を右折した時、少し離れたところからこちらを見る男が一人。
「誰だお前は!ぁっ!」
叫んぶと、瞬時に内ポケットに納刀されていた投げナイフを男に向け投げ、額へと突き刺さり小さな声を上げると突き刺さった衝撃によって、仰向けに倒れた。
だが、男を倒す時間が遅かったようだ。
警報が鳴り響く。廊下が赤色に変わった電球によって赤く染まり、周囲が慌しく音を出し始めた。
「ちっ、遅かったか……俺としたことが」
速さを信条としていた彼には、これは許しがたい事態。
いずれ、ここにも敵の仲間たちがやってくるだろう。
ワタルは床を蹴り、仲間のもとへ急いだ。
任務の前夜、レイヌの容態が悪化し、彼女は病院へと搬送された。
集中医療室で治療を受ける彼女を、ガラス越しで見つめるワタル。
すると友人の一人が、彼の隣に歩み寄って彼女の容態を見た。
「大丈夫なのか?レイヌさん」
その問いに、ワタルは答えない。
「お前、明日任務に出るんだろ。何故、任務などに出る?」
続く問いに、ワタルは答えることは無い。
「あんた夫だろ?──せめて、最後の時ぐらい……」
「約束したんだ。死を取り扱う者なら、どんな時でも任務は放棄するなって。殺す仕事をしてるんだ。身内がくたばりそうになろうとも、戦い続けると」
「……酷だ。いくら約束だろうが、妻を見守ることもせず任務に出るなんて……。確かにお前は、間違ったことをしようとしてる訳じゃない。今も助けを待ってる同士が居るのは、分かってる。でも今、お前がすべきことはそんな事じゃないだろ!他の死神がいるはずだ!もし立場が真逆なら、レイヌさんだったら……優しいあの人なら、それが約束だとしても、あんたの最後を見届けるはずだ!それなのに、お前って奴は……!」
その言葉を聞いたワタルは、鋭い細い目つきで彼の胸倉を掴んだ。
「これは俺ら、夫婦が決めた事だ。お前に首突っ込まれる筋合いなんてないんだよ。俺は、約束を守りぬく……死を取り扱う死神なら、お前も身内の死を覚悟してるはずだろ?」
「それは……だからって!」
ワタルは、彼を突き飛ばす。
そして、その場から去っていった。
集中医療室で今現在、治療を受けているレイヌを置いて。
(レイヌ……ごめんな。本当なら、中に入ってお前の側に居てやりたい。だけど、それを知ったらお前は俺を許さないだろう。任務に命を懸けたお前同様に、俺も任務に命を懸ける。──それが俺らの約束。それを破るわけにはいかないだろ?約束したのだから──どちらかが危険な状況でも、任務は放棄しないと)
俯きながら、タバコを咥えて廊下を歩く。
去っていくワタルに、友人は厳しい表情で見つめていた。
金属がぶつかり合う金属音が鳴り響く。
銀色の脚甲を装備したワタルが、仲間が捕らえられている扉を蹴り壊したのだ。
中を覗くと、全身を拘束されて動けない状態で床に倒れている男を見つける。
「おい、大丈夫か?助けに来たぞ」
膝を折り、姿勢を低くして彼へ話しかける。
彼は唇を震わせながら、ゆっくりと口を開く。
「ぁ、ああ……ありがとう」
「ちょっと待ってろ、すぐにこれを解いてやる」
するとワタルは、懐から特殊な器具を取り出し、男の体を拘束している器具の鍵穴に差し込む。
そして上手く器具の解除を成功し、彼の体を右の肩を使って担ぐと、牢獄から脱出する。
ここまで来れば、彼を連れて脱出するだけでそれほど難しいことではない。
だが、廊下を走っている途中、テロリストの一人に遭遇してしまう。
「き、貴様!おい、いたぞー!」
ワタルは左手に持っていた絶影を廊下の壁へと刃を差し込んで手を離し、空いた左手で懐から小型ナイフを取り出しテロリストの額へ投げ刺す。
だが、既に時遅し。
慌てて絶影を持ち、再び走り出して出口へと急ぐが、後方から自動小銃から発射される実弾が襲い掛かる。
本来誰かを助ける救出任務でなければ、銀色の脚甲を装備し光速の速さでテロリストを容易に撃破することが出来たかもしれない。
しかし、今回は救出任務である為、助け出すには最低片手を犠牲しなければならない。
それだけではない。仲間を連れて助けるわけだが、仲間の容態によっては今回のように肩に担いで救出しなければならない。そうなると、片手を失うだけではなく担いでいるため、移動速度が低下してしまい、脱出が遅れて敵との遭遇率が高まるのだ。
背後から銃弾が飛んでくる中、ワタルは何とかアジトから脱出することに成功する。
しかし、アジトから出ることが出来ただけである。
アジトから出た彼らを待っていたのは、無数のテロリスト。
殺意に満ちた男たちが、ワタルの前に立ちはだかる。
「そこまでだ。あんたらを逃す訳にはいかねぇ。ここで死んでもらうぜ」
周りの中でも背が高く太った男が、大きな機関銃を構える。それに続き、周りの者も自動小銃を構える。
流石のワタルのこの状況に、思わず後ずさりする。
「──ちっ!」
「ワタルさん……」
心配そうに、担がれている男が呟く。
「大丈夫です。心配しないでください」
それでもワタルは、弱みを見せず話す。
そして建物の外壁に、寄りかかせるよう降ろして口を開く。
「すぐ、終わらせます」
そう言い、ワタルは無数のテロリストの方へ振り向く。
「まず殺るんやら、俺からにしろ。彼はお前らなら、後ででも殺れるはずだ」
「けっ!俺らと殺りおうってというのか?笑わせるぜ!良いだろう、そんな死にてぇーならてめぇから殺してやるよっ!」
銃口を向ける彼らに対し、ワタルは絶影をゆっくりと構え直した。
命を懸けて任務を真っ当する。もし、その結果が死に繋がろうとも……
一方、病院は慌しくなっていた。
こんな医師たちが慌てているとなると、どうかしたのだろうか。
そんな思考を巡らせたワタルの友人が、廊下に設けられた椅子から立ち上がる。
その理由はすぐに分かった。
何故なら、慌てた医師たちは全員、レイヌが治療を受けている集中治療室へ駆け込んでいたのだから。
先ほどから廊下から集中医療室の中は見れないよう、中からカーテンがひかれて見ることが出来ない。
まさか、という思いが全身へと伝わり、体が震える。
すると、部屋からミッドチルダから依頼して連れてきた医師が出てきた。
友人は慌ててその医師のもとへ駆け込んだ。
「先生!レイヌさんは、レイヌさんはどうなんですかっ!?」
彼が問うと、医師は厳しい顔を浮かべながら、面と向かって口を開いた。
「正直申しますと、かなり厳しい状況です。身内の方は、それなりの覚悟を……」
「──で、夫のワタルさんは?」
「それが……」
そのワタルは…
「うおおおおおおお!」
頭上から上段の構えから放たれる斬撃。
ワタルは絶影をフォルムを巧みに操り、テロリストの猛攻を上手く退けていた。
それだけではない。地を蹴って流星の如く、目に見えぬほどの速さでテロリストを翻弄し、絶影の刃が体を切り裂いていく。
倒れたテロリストが所持していた自動小銃を手に取り、それを発砲し射殺していく。
弾薬が切れると、それを投げ捨て再び地面を蹴る。
「くそっ!なんて速いんだ、弾が当たらねぇ!」
背が高く太った男は、苛立ちを隠せないで居た。
どんな発砲しても、それは当たることは無く、次々と仲間たちが切り裂かれていく。
すると男は、何かを閃いたような顔を浮かべると、男は銃口をワタルが助けた男へと向けた。
「ふん、こうなったらてめぇから死ね!」
「なにっ!?」
銃口が輝く。それを見たワタルは、慌てて男のもとへ飛び込んだ。
彼を死なせたら、全てが台無しとなってしまう。
そして、自動小銃の銃声と違って、機関銃の凄まじい音が鳴り響く。
ワタルは慌てて飛び込んで、男をその場から離れさせた。
「──おあっ!」
呻き声が響く。
左足から焼けるような痛みが、全身へと伝わる。
その痛みを感じ、慌てて左足を見ると、銃弾が中へ残ってそこから大量の血が流れ出す。
(しまった、足をやられたか……)
「ワタルさん、大丈夫ですか!?」
男は、声を震わせながら訊ねた。
だが、ワタルはそれどころではなく、傷口が心配で彼の言葉など耳には入らなかった。
「死ねえっ!!」
男の叫び声と共に、一斉に銃弾が発射される。
凄まじい銃声が鳴り響く。
その音に、二人はスローモーションで迫ってくる死に、体を硬直するしか出来なかった。
それでも、ワタルは最後まで任務を全うすべく、腕を両手に広げ、仲間の盾となって銃弾の嵐を浴びた。
呻き声と共に、体が弓のように曲がり体が蜂の巣と化す。
だが、彼の決死の盾のお陰で、仲間へは一発も銃弾が当たることは無かった。
除々に薄れていく意識。
(ああ……俺は、死ぬのか?)
体は仰向けに倒れ、彼は意識を失った。
ふん、この流星のワタルが、こうも容易くやれるとはな…
レイヌには悪いが、先に行くことになっちまった。ごめんな。
「死なないで!」
レイヌの声が、頭の中に響き渡る。
「こんなところで何してるんですか?立ってください!」
「駄目だ、もう体は蜂の巣だ。もう立つことは出来ないよ」
「お願い……死なないで!」
「無理だよ、レイヌ……」
「私の分まで……生きてっ!!」
(っ!?)
漂う意識の中で生きた彼女を声を聞き、突如魔法陣が展開される。
魔法陣から紫色の光の柱が現れ、ワタルの体が物質変換魔法の特徴といえる緑色の粒子が、彼の体を覆いつくす。
緑色の光は球体となってワタルの体を取り込み、ある程度の大きさになったところで、それが砕け散る。
すると、中から意識を取り戻したワタルの姿が現れた。さらに、彼の体と死神甲冑が完全に再生されていた。
「こんなところで……死ぬ訳にはいかない」
「な、なんだ?生き返ったとでも言うのか!?」
「絶影っ!」
驚異的な再生力と生命力に、驚きを隠せない男に対し、ワタルは甲高い声でデバイスの名を叫ぶ。
その指示に、石突をスライドさせ、カートリッジをロードして薬莢を排莢する。
そして地面を蹴って宙に舞い、上段の構えをとる。
「影──一閃!」
技の名を叫び、刃に載せられた膨大な魔力を放つ。
テロリストが発砲した銃弾を魔力でかき消し、魔力刃が地面へと直撃し爆発によってテロリストたちを一掃する。
着地し、辺りを見渡す。辺りには、魔力ダメージで意識を失ったテロリストたちが、地面に転がっている。
そんな中、機関銃を持った男だけが取り残されていた。
「ぅ、ぅわあ…ば、化け物めえ!」
男はありえない光景を目にし、恐怖を感じ声を震えながら銃弾をばら撒くように乱射する。
男が機関銃を構えたとき、ワタルは既に地面を蹴り、男の背後へと回りこんでいた。
乱射する男は、ワタルが後ろに回りこむような気配に気付き、慌てて振り返えようとした。
「ふっ、化け物か。そう呼びたけば、そう呼べばいいさ。ま、お前はここまでだがな」
そう呟くと、絶影の刃が男の首を撥ね、返り血がワタルの顔面を覆いつくすように汚す。
戦いは、終わった。
そしてワタルは、後ろを振り返りって仲間の男が無事か確かめる。
男は唖然とした顔で、こちらを見つめている。
「死んだはずなのに、どうして……?」
自分を助けたときに、あれだけの弾丸の嵐を浴びれば、即死だろう。
にも関わらず、何らかの再生能力によって蘇生した。
これはどういうことだろうか。
「大丈夫か?」
思考を巡らしている最中に話しかけられ、その思考は中断された。
「あ、はい……」
男は再び肩に担がれている最中、中断した思考を再開した。
考えるには、当てはまるのは一つのみ、死神一人一人が持つ特殊な力。それだけしか、このような常識では考えられない能力は現れないだろう。
そして、魔法陣からの光の柱。
きっと彼が即死した瞬間、彼の能力が開花し、その能力が発動したのだろう。
そう思考を巡らせながら、男はワタルによって無事、里に帰還することができた。
ワタルは里に帰還すると、仲間に男を託し、すぐに病院へと急いだ。
しかし、彼が病院に着いた頃には、レイヌは最後の力を振り絞って必死に生きていた。
だが、そんな彼女の表情は穏やかだった。
「レイヌ、約束は守ったぞ。──だけど、ごめんな……お前の傍に居てやることも出来ず、心配を掛けて……ごめん」
涙を流し、崩れるワタルにレイヌはそっと、彼の頬に手をやった。
「良いんです。よく頑張りましたね、あなた。私が居なくても、本当に、強い人になりました」
「俺は……強くなんかない。お前が居なければ、出会わなければ……」
「決めたんでしょ、私のように強くなるって。その強さを教えた私が言うんです。その強さを、誇りに思ってください」
「……レイヌ!」
初めて知った。
覚悟はしていたが、大切な人を失うことが、これほど辛くて、悲しくて、どうしようもなくなってしまうなんて思わなかった。
相手を殺し、生を奪い取ることで生きる糧を得ていた自分が、どれほど相手の家族を悲しめていたのか、後悔の思いが同時に込み上げてくる。
何故、俺は戦うのだろうか?
何故、俺は死神として生まれてきてしまったのだろうか?
自分の存在は、許されたものなのだろうか?
死神のような、突然変異種が存在したから、レイヌはここを訪れ、俺は死神と生まれてきてしまい、二人は出会ってしまった。
死神さえ存在しなければ、レイヌはこんなところで死ぬこともなかっただろう。
後悔。ただその思いに、彼は涙を流した。
「──あなた、泣かないで。私の魂は、常にあなたと共にあります。悲しむ必要はなんて、ありません」
その言葉を聞き、ワタルはさらに涙を流した。
彼女の怒った顔が、悲しんだ顔が、泣いた顔が、そして女神のような笑顔が、消えてしまう。
それが辛くて溜まらなかった。
すると、突然扉が開く音が耳に入る。
誰かと思い、ふと扉の方へ顔を向けると、そこには老いた老人が一人こちらを見つめていた。
「長老様……」
「ワタル殿、少しよろしいか?」
長老はそう言うと、ゆっくりとした歩調でワタルの元へと歩み寄った。
「なんで、しょうか?」
涙を流していたワタルは、涙を見せぬよう必死に瞼を片手で擦りながら言う。
「落ち着いて聞いて欲しい。いいね?」
「──はい」
「レイヌさんには、もう話してある。私はレイヌさんがH型ウイルスに感染したことを知り、すぐにゲヘナ城に行き、魔王テイク・クライアント様にお会いしてきた」
「魔王、テイク・クライアント……」
「私は、テイク・クライアント様からある技法を尋ねた」
「ある技法?」
「──うむ。その技法とは、生きている者の魂をデバイスに取り込ませるというものじゃ」
「……どう、いう、ことですか?」
その問いに、長老は悲しい顔で答えた。
「彼女には悪いが、生きていられるのも、そう長くないじゃろう。そこで、私は二人の愛のためにも、この技法を使い、彼女をデバイスという新たな体で生きてもらうと考えたんじゃ」
ワタルは言葉を失った。
あまりにも突然で、自分が予想をしていないことを告げれ、空いた口が閉じられない。
彼女がデバイスになる?
その時の彼には、一体どういうことか理解できなかった。
「あなた」
「ん?」
「私は、これに賛成です。この体が無くなろうとも、デバイスとしてあなたを守る剣として、あなたと共に生きていけるなら、私はそれを望みます」
「レイヌ、お前……」
俺は彼女のその言葉で、我に戻ることが出来た。
俺は、それを承諾した。
そのあとのことは……正直あまり覚えていない。
俺は絶影を長老へ渡し、そして部屋を出るよう指示され、あとは長老が部屋の中で彼しか知らない技法が行われていたのだろう。
そして、新暦78年、俺は絶影となった彼女とともに放浪の旅を続けている。
強さを求めた旅は、終わることは無い。世界を転々とし、その土地にある名産、遺跡を回り、その世界独自に存在する魔導式等を探求し、時には戦に出て強さ、そして速さを求めている。
そんな中、俺は今も彼女と夫婦として愛し合っている。
たとえ肉体が無くても、我が剣となった彼女を大切にしていきたいと思っている。
もしあの時、俺が承諾せずそのまま彼女が亡くなったとしたら、一体俺はどうなってしまったのだろうかと考えることもある。
答えは……きっと、ろくでもない酷い男になっていただろう。
だから、あの時提案してくれた今は亡き、長老には感謝している。
「どうしたんですか、あなた。ぼーっとして」
「ん?いいや、なんでもないよ。さあ、次はどこの世界へ行こうか?」
季節は冬、荒野に佇む一人の男。
不死の力を持った死神は、愛を誰よりも噛み締めて今も尚、生き続けている。
魔法少女リリカルなのは ワタル外伝
完
あとがき
どうもご愛読有難うございました。
そして、お久しぶりです。または、初めまして。
いろいろ諸事情と体調不良が重なり、長期的なお休みを頂いていたレキです。
ですか、こうしてようやくSS更新を再開することができました。
そして、最終章を長く放置プレイしてましたが、なんとかワタル編を完結することができました!(´・ω・`)
これで、次回のレキ編でキャラクターにあまり困ることは無くなったかなと思います。
しかし、今作の内容としてはどうかと聞かれると、んー理想的な内容は書けなかったので、そこは心残りというより、情けないなという感情がありますね…orz
短編ということで、長くダラダラと書けませんので、それはそれで長編を長く書いていた自分には、かなり厳しかったですw長編慣れしていた結果がこれだよっ!。・゚・(ノД`)・゚・。
あと長期的にSSを書くことが出来なかったので、書き方も曖昧になっていたところもあったので、とても駄文になってしまいました…orz
まあ、これからちゃんと書けるよう頑張って行きたいと思います。
今回は、本当にご愛読有難うございました!