▼第一章 前編
第一章「機動六課」
「A , B 事件」から6年後、俺は隔離収容所から釈放され、なのは達と共に行動する事になった。
そして、釈放されてからわずか数ヵ月後、ミッドチルダの臨海空港で大規模火災が発生した。
4年前ミッドチルダ、臨海空港
「……はやて、どうだ ? 」
「人手が足りないんよ、アル君ゲヘナからなんとかならへん ? 」
「俺にはそんな特権はない、首都からの航空部隊の増援を待つしかねぇな…」
その頃俺達は、ミッドチルダの臨海空港の火災事件に当たっていた。ある密輸物の影響で火災が発生して、空港は全壊の大事件になった。陸士指揮官研修をしていたはやては前線で、休暇を利用したなのはとフェイトも救済に参加した。そして俺は、ゲヘナに居た頃の指揮経験により、はやての補佐役を…
「はやてさん、アルさん!応援部隊の指揮官が到着です!」
リィンの報告を受けると、一人の男が駆け寄ってきた。
「すまない、遅くなった!」
「「いえ!」」
装甲車の上で指揮を執っていたはやてとアルは装甲車から降りる。
「陸士部隊で研修中の本局特別捜査官の八神はやて一等陸尉です!臨時で救援部隊の指揮を執らせて任されてます!」
「航空隊、部隊教導官のアル=ヴァン・ガノンです!指揮の補佐を執らせていただいてます。」
2人は男に敬礼する。
「陸上警備隊、108部隊のゲンヤ・ナカジマ三佐だ。」
男は、ゲンヤと名乗る。
「はい、ナカジマ三佐、部隊指揮をお願いして宜しいでしょうか ? 」
「あぁ、お前さんも魔道師か…」
「広域型なんです…空から消火活動の手伝いを。」
「なら、アル=ヴァン教導官に…」
ゲンヤはアルに指揮を執るよう進勧めようとするが…
「すみません、私は内部の消火活動に…」
「そうか…あんたも魔道師か…」
アルの返答に眼を丸くする。
すると、なのはから連絡が来る。
「はやてちゃん、アル君!指示があった女の子を一人、無事救出!名前はスバル・ナカジマ。さっき無事に救護隊に渡したんだけど、お姉ちゃんがまだ中に居るんだって!」
「了解!私が空、アル君が内部にすぐ行くから!」
「了解!!」
そう言い、なのはからの連絡は切れる。
「ナカジマ…」
リィンが何か知っているような顔をすると…
「内の娘だ。」
「「ぇッ!? 」」
ゲンヤのご親族と知り、仰天する三人。
「二人で部隊に遊びに来る予定だった…」
「……では、ナカジマ三佐よろしくお願いします。」
アルはしばらく沈黙すると、ゲンヤに指揮を頼んだ。
「はやて、行くぞ!」
「うん!リィン、しっかりな!説明が終わったら空で私と合流や!」
「はいです!」
そして、アルとはやては消火活動の参加に出発した。
「……ハァッ!」 「……ッふ!」
はやては空、アルは低空飛行で内部に突入する。
「老王、あまり使い慣れてない氷結魔法使うぞ!」
空港の中央で魔法陣を多く展開させ、巨大な魔法弾を数発放つ。
「……ふぅー…(はやて、一気に行くぞ…)」
「………(了解や!)」
そして、アルは指を鳴らして魔法弾を炸裂させ、氷結魔法を内部全体へ広がっていく。はやては、空から氷結魔法を降らせる。
その後、航空隊の増援が到着し、アル達の仕事は終了した。
「………ふぅー…」
大きなビルの一室で、なのは達はベットに寝ッ転がっている。アルは携帯コーヒーを飲んでいる。
「ニュースか…」
なのは達はベットで寝ッ転がりながらニュースを聞く。
「ううん、やっぱりなぁ…」
「ん ? 」
「実際働いたのは、災害担当と初動の陸士部隊となのはちゃんとフェイトちゃんやんか。」
ワイシャツを着たままベットで話すはやて。
「にゃはは、休暇急だったし…」
下を脱いで、上はワイシャツ姿のなのは。
「民間の人達も無事だったんだし…」
うつ伏せになりながら話すフェイト。
「ま、しょうがないと言うしかないな。」
上半身裸でコーヒーを床であぐらを掻きながら飲むアル。