▼最終章
「魔法少女リリカルなのはStrikerS アル=ヴァン編」最終章「アフターストーリー」
─────機動六課──
アルは給湯室にて、リィンフォースUと休憩を取っていた。
アルはソファーに座り、リィンはアルのひざに座ってコーヒーを飲んでいる。
「それにしても、ようやく事件が落ち着いてきましたねぇ。」
コーヒーを一口飲み、リラックスした表情で話す。
「あぁ、「戦闘機人事件」も解決。オフィスも修理して隊員達全員が復帰。」
「ヴィヴィオも検査と一時保護から帰って来たですよ!」
「なのはやフェイトも、毎日楽しそうに過ごしている。本当に良かったよ。」
そう話していると、給湯室を通りかかった隊員がアルの姿を見つける。
そして、給湯室に入ってアルの元に歩み寄る。
「アル=ヴァン戦技教官。検査の結果が出ました。その報告がこちらに。」
「ん。あぁ、ありがとう。」
女性隊員がアルに数枚のレポートらしき紙を手渡す。
礼を言い、手に持っていた紙コップを手前のテーブルに置いて、受け取る。
「この前の検査の結果ですか?」
「ああ。………」
そう言うと、アルは黙読する。
目を左から右へと動かし、文章を読んでいく。
リィンは、コーヒーを両手で持ちながら宙に浮いて覗き込む。
「特に身体の異常は無かったそうだ。老王にも何も問題なし…」
目を通しながら、リィンに話す。
それでも、大雑把に目を通すリィン。
「では、あの時の原因は…」
「ああ、分からないままだ。」
検査は、アルのリンカーコアや身体、そして老王の至る所を調べるものだった。
結果は、異常なし。
老王にも、何も異常は見られなかった。
あの時、ケロベロスとの戦いにて老王の反応が無くなった原因は分からなかった。
「んー、別に異常が無い事は嬉しいが…何も見られないと、変に気持ち悪いな…」
「何か、あると?」
「さぁな、まぁ周期的に検査に行くから、いずれ分かるだろう…」
と、言っていたが。
その後も、幾たび検査に行ったがどれも結果は同じだった。
結局、未だに原因は突き止められなかった。
そして、機動六課も解散となり、それからしばらくの時が経った…
─────時空管理局 本局──
しばらく時が経ち、アル=ヴァンは「J,S事件」の評価にて三佐へと昇進。
そして、アルは本局の廊下をリンディとヘレンと共に歩いていた。
「ではリンディさん。僕達は此処で…」
左右に分かれる分かれ廊下に立ち止まり、リンディに別れを告げる。
「そう、分かったわ。それじゃあね。」
「失礼します。」 「失礼しまーす!」
軽く頭を下げるアルに対して、ヘレンは少し低く手を上げて手を振った。
それを見ると微笑し、笑顔で手を振って三人は左右に分かれた。
「アル、お昼食べない?」
「そうだな、小腹が空いたな…何か食べに行くか。」
うん。と言い、嬉しそうな笑顔で頷くヘレン。
すると、突然モニターが展開される。
「失礼します。アル=ヴァン三佐、面会者がいらっしゃってます。面会室にお願いします。」
「、了解した。今行く。」
モニターが閉じると、身体の向きを反転して面会室に向う。
それを見たヘレンは、驚きを隠せない。
「ねぇ、ご飯は!?」
「何を言っている。面会者が待っているんだ。飯より先だ。」
「ええぇぇー!」
アルの言葉に呆然と立ち尽くす。
だが、アルはそんな事を気にせず面会室へ急ぐ。
そして、突然立ち止まり、ヘレンに向えって振り返る。
「なら、一人でも食べてきたらどうだ。なに、すぐに終わる話だろう。」
「う、うん…」
涙目で声を少し震わせながら、ゆっくりと頷くヘレン。
そして、がっかりした表情で一人でその場を去っていった。
それを見たアルは、軽くため息をし、面会室へ急いだ。
─────時空管理局 本局 面会室──
扉の前に着き、立ち止まって面会室かどうか確認する。
そして、ゆっくりと足を踏み込んで扉が開く。
「ッ、アル。」
扉が開き、中に入ると一人の女性と局員の姿が。
局員は、アルと目を合わせて交代するように面会室を後にした。
「ヒカリ……何用だ?どうしてお前が此処にいる。」
そのに居たのは、魔界アルデバラン、代理魔界最高責任者を務めているヒカリ・グラリティの姿だった。
アルは疑問を持ちながら、席に座る。
「よく聞いて。……例の物が見つかったわ。」
「ッ!?」
その言葉を聞き、突然表情が強張る。
そして、ゆっくりヒカリは口を開く。
「詳しい事は私でも良く分からないの。保管されているのか、何者かが所持しているか…それとも…」
「そんな事はどうでも良い。場所は?」
何者が持っているか、どのように所持しているか自分には興味が無かった。
ただ、例の物がある場所が知りたかった。
「未登録世界。どんな世界はよく分からないわ。」
「まぁいい、いつ俺は出発すれば良い?」
「待って、アル。ちょっと……聞いて。」
ヒカリの話し方。少し戸惑いながら話す姿に疑問を持つ。
そして、腕を組んでヒカリが話すのを待った。
「今回のこの作戦……フェイト執務官にも協力して貰ったの。」
「何ぃ!?ヒカリ、それは一体どういう事だ?あの事件以降(A,B事件)、魔界関連の事は彼女らは巻き込まないってお前から言い出した事じゃないか!俺も賛成した。何故、フェイトなんだ!他のなのはやはやてが駄目なら、うちらの騎士でやれば良いことだろ!」
ヒカリが話した事を信じられずに、突然気を荒くして身を乗り出してヒカリに迫る。
気を荒くしたアルを見て、ただ俯く事しか出来なかった。
「…………もういい。」
そう言い、突然席を外すアル。
それを見たヒカリは驚いて慌てて立ち上がる。
「何処へ行くつもり!」
「……何処にも行かないよ。」
そう言い、部屋を後にした。
そして、アルが向った場所とは……
ヒカリが言っていた例の物とは一体……
そして、StrikerSの物語は終え、次の物語へ……
魔法少女リリカルなのはStrikerS アル=ヴァン編
完