ボム・メール Letter 3
 ボム・メールが届いて2日目。
 手紙の文字をみてみると、少し癖のある女の子の字だったので、差出人が女性なのは確かだろうと思う。
 ならば、内山緑とは誰なんだろう…?
 切手がないのだから、直接届けに来たはずだ。だとすれば、この周辺に住んでいる、あるいは来ることの出来る人ということになる。
 わたしは急に不安になって、とりあえず白い便箋と封筒、青い折り紙を探し出した。白い便箋や封筒なんて引き出しには入っていなかった。買いに行くしか仕方がないとわかって、さらに不安になった。
 ボム・メールの言うとおりなら、この内山緑という女性は"X"が苗字か名前か住所に入っているということになる。外国人ならばともかく、アルファベット読みしたときにXの入るような名前は日本人だと存在しない。
 内山緑をアルファベットにすると、
 UCHIYAMA MIDORI となるので、どこにもXはない。
 となると、残りは住所だった。


 わたしはそれから1週間かけて、アルファベットにしたときにXのつくような地名を探し続けた。人にきいたり、ネットで調べたり、図書館の資料室をあさったり――。
 そして、わたしは結果を出した。
 建物名ならば、あるのではないかと。
 例えば、「コーポ\」という建物があったとする。そこに住んでいる人の住所には、必然的にその建物の名前が入る。これなら、Xが入っていてもおかしくない。 問題は、そんな建物はたくさんあるということだった。
 マンションでXがつくもので近所を探しても、見当たらなかったのだ。となると、もっと遠くにいるということになる。これでは、切手のないことに説明がつかない。
 わたしは再び、頭を悩ませることになった。
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