*変態二乗(ムクツナヒバ)
ここは・・・変態地獄?


『変態二乗』


・・・何か違和感を感じる。
昨晩、ちゃんとベッドに入って寝た記憶は確かにあるのだが、背中に感じる感覚は明らかにベッドではない。
「ん・・・!?」
「お目覚めのようですね。」
「おはよう綱吉。」
瞼を開けてまず綱吉の目に飛び込んできたのは、顔と顔の幅約5p弱の所から覗き込んでいる骸と雲雀。
(え?何?もしかして俺誘拐された??)
「・・・」
「クフフ。その顔は驚きを隠せないときの表情ですねぇ。相変わらず可愛いハアハア。」
「すいません覗き込みながら息荒くしておまけに鼻血まで出すのやめてください。」
「綱吉の言うとおりだよ。君って本当不潔。綱吉にばい菌が付く前にさっさと消えてくれない?」
「あぁ、いたんですか。五月蠅い雀ですねぇ。ここは僕と綱吉の場所なので早く巣に帰ってもらえませんか。」
・・・此処?・・・何処?
起きあがってみると、そこには一面の花畑が広がっていて、まるで本の世界に迷い込んでしまったような錯覚に陥った。
「こ、ここ何処ー!?」
「ここ?ここは僕と綱吉がヤ・・・遊ぶ場所だよ。因みに綱吉は、この並中の女子用の制服を着てもらうよ。」
(この人絶対俺を女装させて襲う気だー!)
「何言ってるんです。ここは僕と綱吉が遊ぶ場所です。綱吉にはこの着物を着てもらって遊郭ごっこをするのです。」
(こっちも襲う気満々じゃん!)
「いや、制服だね。」
「着物です。」
「ちょっと待て。俺は着るなんて一言も言ってない。」
「恥ずかしがらなくていいんですよ。きみはただ僕に身を預けてくれればいいのですから。」
「死んでも着るもんか。」

綱吉はとにかくあの2人から逃れるため、必死に走った。
捕まる可能性の方が大きいのは分かっていたが、あのままでいるよりはましだった。
「待ちなさい綱吉!」
「綱吉を捕まえるのは僕だ。君は自分でその着物でも着てれば?」
「君こそ。ほら、綱吉はあんなに嫌がってますよ。自分の考えや行動が綱吉にとってどれだけ邪魔な存在かもう少し考えてはどうですか?」
(お前の考えや行動も十分邪魔な存在だよ)
いつもの癖からか、綱吉は必死に逃げながらも心の中で突っ込みを入れてしまった。
「君のこと、本当に咬み殺したいよ・・・まぁとにかく今は、綱吉を捕まえる方が先だ。」
「では、先に捕まえたほうが、綱吉をすきにできるということでどうでしょう?」
「いいよ別に。僕は負けないからね。」

言い終わった瞬間、2人はもの凄い早さで綱吉を追いかけ始めた。
綱吉に着せる服を持ちながら。
「おいで綱吉!ついでに女子用の下着もあるから!」
「こんの変態ぃぃぃ!!」
「綱吉!こちらは下着なんてありませんよ!始めっからそんなもの必要有りませんからね★クフフ!」
「つまり今着てるものも全部脱げって事でしょうがぁぁぁ!!」

花畑の中を必死に逃げる綱吉。
だがこういう場面では、決まったパターンのハプニングが起こる。
運動音痴のお約束。
そう、何故か何もないところで転んでしまうのである。
真正面から派手に転んだ綱吉には、もう逃げる体力は微塵にも残っていなかった。
ずんずんあの2人が迫ってくる。
「「綱吉ーー!!」」
「わああああああ!!!!」

・・・がばっ。
いつの間にかさっきの花畑は消えていて、綱吉は自分の部屋のベッドにいることに気づいた。
体中汗でびっしょり。
「・・・ゆ、夢?」
さっきのことが現実でなかったことに安心しながらも、呼吸は荒く、体はすごく疲れていてまるで寝た気がしない。

「あの2人は俺の眠りまでも邪魔する気か・・・」


俺に休息の時は無いのですか?



end



ちーかま。様へ、相互記念の捧げ物です。
「(変態)骸×綱吉×(変態)雲雀」というリクでした。
えぇとまずですね・・・変態というか下品ですいません(土下座
メルくだされば即書き直しますので!

あの2人は、昼も夜もお構いなしに現れると思います。
そしてつっ君はどんなに疲れていても、突っ込みだけは忘れないと思います。



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