*愛する人へ2
周りでは、女子の黄色い声が騒がしいくらいに響いている。
いつもなら、その声はチョコを貰えないツナを憂鬱にするのだが、
今回ばかりはそんな余裕は無かった。

2月14日の昼休み・・・つまり今。
応接室へ行かなければならないのだが、
思うように足が動いてくれない。

(こんなのでヒバリさん怒らないかなぁ・・・)

ドアの前で大きく深呼吸をしてから、コンコン、と2回ノックする。
「ヒバリさん、綱吉です。」
ゆっくりとドアを開くと、いつもツナがくつろぐソファーに、その人は座っていた。
「待ってたよ。おいで綱吉。」

緊張でおぼつかない足取りでどうにかたどり着くと、ヒバリの隣にちょこんと腰を下ろした。
「チョコは持ってきてくれた?」
「は、はい・・・あの、ヒバリ、さん。」
「ん?」
「お、怒らないでくださいね・・・」
びくつきながらツナが制服のポケットから取り出したのは、
昨日買ったままの形の板チョコ。
「どうしても買うのが恥ずかしくて・・・かといって手作りを渡そうにも、俺不器用だから作ろうにも作れなくて・・・」
俯きながらもごもご説明するツナの手からするりとチョコを抜き取り、
チョコを包んでいるアルミを破き始めた。
「?ヒバリさ・・・っん!?」
顔を上げてのぞき込もうとしたツナの口に押し込まれた、一欠片のチョコレート。
続いて唇に柔らかい感触。
そして・・・チョコ越しに伝わってくる、生暖かい温度。
「んん・・・っは・・・」

顔が離れて初めて、ツナは今の一瞬の出来事を把握した。
目の前には、優しく微笑む甘い顔。
何かしゃべろうと開きかけたツナの口を塞ぐように
再びさっきの行為を繰り返した。

「ヒ・・・バリ、さ・・・ん・・・。」
「確かに受け取ったよ。綱吉の気持ち。」
「こんな、ただの板チョコなのに・・・ですか?」
「それは見た目の問題でしょ。
こうして食べれば、すごく気持ちが伝わってくるよ。」
「・・・!!ヒバリさ・・・ごめ、なさい・・・。」
さっきまでの不安な気持ちを持っていた自分がなんだか情けなくなり、
ツナの目からぽろぽろと涙が滴り始めた。
ヒバリはその滴を丁寧に舐めとって、
小さな肩を上下に震わしている体を包み込んだ。
「何で泣くの。綱吉は何も悪い事してないでしょ。
ほら、顔上げて。」
「・・・ひゃい・・・。」

涙ですっかりぐしゃぐしゃになってしまった顔と、もう1度しっかり向き合う。

「ありがとう綱吉。」

感謝の込められた唇の体温に、
ツナは先程の不安とは比べ物にならない安心感を感じた。


バレンタインには精一杯の気持ちを
愛しい愛しい貴方へ・・・


end


ひゃああ!!恥ずかしいっ!!
どうしてもVDネタをUPしたかったので頑張ったのですが・・・
へ、変に甘い・・・!!
しかも構成がめちゃくちゃですね(泣
ぅう・・・もっと修行します(><)






スポンサード リンク