*体温
貴方と俺の憩いの園


『体温』


空が、蒼い。
日光が灰色のコンクリートを明るく照らし出す中、ポツンと1つの影。

「・・・あれ?ヒバリさん??」
聞き覚えのある声。
閉じていた瞼をうっすら開き
眼だけをそちらに向ける。

「綱吉・・・」
「こんな所で何してるんですか?今授業中ですよ・・・って、俺が言える事じゃないですけど。」
「僕は自分の好きなように行動してるだけだよ。」
そうでしたね、と笑いながら、ヒバリの隣に腰を下ろした。
「ヒバリさんもよく屋上に来るんですか?」
「まあね。特に今日みたいな天気の時はよく来るよ。」

ツナが空を見上げる。
それと同時にさらさらと、
春の訪れを告げるためかそれともまだ冬だということを知らせるためか、
どこか冷たさの残る穏やかな風がツナの髪を撫でていった。
次々と通りすぎていく冷たさに触れられている内に、
徐々に体温が奪われていくのが分かる。

「結構冷えますね。ヒバリさんはずっとここで寝てて寒くないですか?」
「ん・・・」
先程まで開いていたはずの瞼は閉じられていて、
肯定とも否定ともとれる曖昧な返事を一言だけ返すと、
ヒバリは自分の所へ来いと促すように右腕を横に伸ばした。
勿論それはツナにも伝わっていて、
少し驚きつつも微笑みながらそれに応え、静かに腕の中に収まった。
すると、ヒバリの空いている左腕もツナを優しく包み込み、
そのまま自分の胸へと誘導していく。
ヒバリの体に顔が当たると、
ひんやりとした温度が皮膚から体内へと伝わってくるのに気づいた。

(ヒバリさんの服、すごく冷たい。本当は寒かったんじゃないのかな・・・)
「あの、ヒバリさん。寒かったんですよ・・・ね?」
「・・・今は・・・暖かい、よ・・・」
今にも眠りにつきそうな声でヒバリが答える。

少しずつ、少しずつ
ヒバリとツナの作り出す体温がツナ自身にも伝わっていき、
暖かさと安心に包まれ、ツナにも眠気が訪れる。
「ほんと、だ・・・すごく・・・あったかい・・・です・・・ね・・・」

2人が眠りについたのはほぼ同時で、
どちらの顔も、ほんのりと紅く染まっていた。



春の香り漂う午後
日溜まりの中、おやすみ



end



まこ嬢へ、相互記念の捧げ物です。
「ヒバツナでほのぼの」というリクを頂いたので、初挑戦です。
・・・こんな感じで良いのかな!?(知らない
設定は、丁度今の季節を少しイメージした感じです。
純白華は、キスさえしなければほぼほのぼのなんじゃない?という考えの持ち主(殴
それにしても相変わらず萌えませんね純白華の小説は(涙
・・・というわけでまこ嬢!(は?
こんな小説でよければ貰ってやって下さいなv
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