*軽くて重い罪
『軽くて重い罪』


「・・・っぅ・・・ん?」
背中の心地よい柔らかな革の感触につなが目を開ける。
「やぁ、おはよう綱吉。」
「ん、ヒバリさん?・・・!!俺一体、うっ!」
起きあがりざまにズキズキと後頭部が痛む。
「急に動いたら痛いに決まってるでしょ。」
「えと、俺何かしましたっけ・・・?」
「綱吉、何も覚えてないの?」
頭に疑問符を浮かべるつなに、はぁーと溜息をついた。

「体育の時間に気絶したんだよ。後頭部にボールが当たって。
ほら、今綱吉ジャージ着てるでしょ?」

「・・ぁ・・・そういえば何となく覚えてる気がします・・・」
自分のジャージに目をやりながら
つなは言葉通りうっすら覚えているような曖昧な感じで応えた。
「それで何で俺は今保健室じゃなくて応接室ここにいるんですか?」
「そんなの。僕が運んだからに決まってるじゃない。」
驚いたようにつなは目を見開く。
「保健室からですか?」
「グランドから。」

おかしい。
休み時間ならともかく
何故授業でつなが倒れたときにここまで連れてこれるのか。
まさかずっと見ていたわけじゃあるまいし・・・

「それにしてもよく眠ってたね。もう夕方だよ。」
窓が黄金色に染まっている。

雲雀は外を見つめながら
ほんの少し低い声で話し始めた。
「そうそう──綱吉にボールをぶつけた奴だけど、咬み殺しておいたから。
もう二度とこんなことの無いようにね。」
「えっ・・・そ、そんな・・・。」
見なくても分かる動揺。

「気絶ですんだからまだ良かったものの、
もし何か取り返しのつかないようなことにでもなっていたらと考えたら当然の罰だよ。
というより、僕の綱吉に何かした、それだけで立派な犯罪だよ。」
「だ、駄目ですよ!俺のせいで誰かが傷つくなんて耐えられない!!
それに今回のはぼーっとしてた俺の方が悪いんですからっ!」
急に声色を強めてつなが言うと
雲雀は予想していたような表情を浮かべながら
ゆっくりとつなの隣で足を組んでソファーに身を沈めた。
「それでも、綱吉を傷つけた事実は変わらない。」
「それでもっ・・・!」
頬に涙を走らせながら
何かを止めるように腰に強く抱きつく。
涙のせいで声が震えている。
「それでも、俺のために誰かを傷つけるのは止めてください!」

震える肩を片手で包み
もう片方の手で落ち着かせるように頭を撫でる。
まだ雫を溢れてさせている瞳に見つめられ
ふっと微笑むと丁寧にその雫を人差し指ですくい取っていく。
そして手でつなの瞼を閉じさせると
その上から2つキスをおとした。

つなが目を開くと
すぐ目の前で優しく光っている目と合い
互いが互いの距離を縮めていき
唇を重ね合った。

何も言わずに舌を絡ませ
深く深く溶け合っていく。

(綱吉がそこまで言うなら・・・・・それでも)

(それでも、もし綱吉がこの先取り返しのつかないことに遭ったら・・・)

(今度は僕は、君のために犯罪を犯してしまうかもしれない)


end


キリカ様へ、相互記念小説です。
遅れてすみません重ねてこんな駄文でごめんなさいorz
相変わらずタイトルが自分でも意味不明です(じゃぁつけるな
キリカさん、こんな物で良かったら貰ってやってください。
最後の「犯罪を犯してしまうかもしれない」ですが、
もう既に犯罪犯してない?という突っ込みはなしでお願いします(笑
あ、因みにつなにボールをぶつけた人は生きてますよ!
ところでこれは甘なのかほのぼのなのか・・・?
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