*消えないで
1本の桜の木の下に佇み
その葉を見上げる少年が1人。
どこか哀しげな目をしている。

「・・・・・・・・・」


「綱吉。こんな所で何してるの?」



目が合うと一層哀しく感じられるのは何故だろう・・・?

「ぁ、ヒバリさん・・・。」

綱吉の視線は再び桜に戻される。
「・・・桜、散っちゃったなぁって思って。」
「まぁ、花だから散るのは当たり前だよね。」

「なんで、散っちゃうんだろう・・・」

「?」

綱吉の言う意味がいまいちつかめない雲雀は
ただ頭に疑問符を浮かべるしかなかった。

「散らないで、ずっと咲き続けてればいいのに。
・・・何で死んじゃうんだろう・・・」

今にも目から涙を零しそうな綱吉に
雲雀は静かに歩み寄った。


───綱吉は・・・


「綱吉。」

顎に手を添え
不意にそっと口付ける。
そして
壊れてしまわないように両手でその身体を包んだ。



「大丈夫。もう誰も死なないから・・・
少なくとも僕は、いつでも綱吉の隣にいるから・・・だから安心しなよ。」

「ヒバリさん・・・俺、怖いです。
いつか、俺の傍からヒバリさんや大切な人達がいなくなってしまうのが・・・」
とても頼りなく見上げてくるその瞳。
手は縋り付くように強く学ランを握り締めていた。


───なら、僕がずっと守ってみせる


君にはいつでも笑っていてほしいから


end



誰も死なせたくないと願う綱吉をテーマに書いたらこうなりました。
シリアス甘みたいな。
このネタは前から出来ていたので、
ホントはもう少し早くUPする予定だったのですが・・・微妙に季節がずれてしまいましたね(駄目人間


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