▼日輪草
花が咲いた。小さな花だ。色は黄色。日輪の色。
どんどん大きくなって我の丈を超してしまった。
いつの間にか花は天高く昇っていて、我は地上で一人ぼっちになっていた。

「・・・行くな、行くでない」
ずっと我の傍にいろ。お前にはそれが似合いだ。我の傍で咲けと言っている。何故降りて来ぬのだ。
「元就?どうしたんだ。悪い夢でも見てんのか?」
この不愉快な声、元親か。やめろ、夢にまで出てくるな。我はお前のことなど何とも思っては無いぞ。やめろ、やめろ・・・。

「・・・なぜお前がここにいる」
朝から不快な物に遭遇、むかついたので足蹴にしてみる。が、思ったより座高が高く敢え無く断念。かといって何もしないのも癪であるから、元親をチビザビーの仕掛けてある部屋に追い出す。邪魔者の撤去と宗教活動が一緒に出来て一挙両得ぞ。

「非道ぇじゃねぇか元就。折角俺が四国から遠路遥々訪ねて来たってのによぅ」
「知らぬ。さっさと帰れ」
馬鹿の相手をしている暇はない。我は日輪に今日の目標を祈らなければならぬのだ。全くこの元親という男まっこと鬱陶しい。

「大体何故ここに来たのだ」
仮にも城主なのだから成さねばならぬ業務が山ほどあるはずだ。それをこの男よくも抜け抜けと・・・。やはり此奴とは合わぬ、顔を見るだけで気疲れがする客などお断りだ。
「ああん?決まってんじゃねーか。お前に会う為だよ」
にかと笑うその男は一瞬光り輝いたように見えた。ば、馬鹿な。このような男に日輪を垣間見るとは一生の不覚、不名誉の極みなり。くっ、お前など日輪草で十分だ。我の近くで咲くでないぞ。





元就の口調がまだつかめてないです・・・。
とりあえず偉そうにしたらいいんじゃないの?っていう感じがにじみ出てますね。

2006.10.18
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