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☆ 歯周病は血管病

ところで最近、興味ある事実が発見され、にわかに注目を集めはじめています。それは 『 歯周病は血管病の仲間 』 という事実です。
なぜ、歯周病が血管病と関係があるのでしょうか?具体的な説明は後で、先に結論をお話いたします。

酸素と栄養豊富な動脈血液が、狭窄した血管の中で滞ると、酸素と栄養が歯周組織へ供給されません。その結果、歯周組織は衰退し、歯槽骨はカスカスに、歯肉は退縮してしまいます。そして細菌に感染し、すぐに発病。自然治癒力は低下してしまうために、歯周病は悪化に一途をたどります。

しかし、血液循環が良くなれば、歯周病は改善に向かいます。
今までの日常臨床において、赤黒くビヨビヨで軟弱、容出血の病変した歯肉を傷つけない軟らかい歯ブラシで丁寧に歯肉を磨けば、血液循環は次第によくなり、歯肉は明るい桜色、弾力のある健全な状態に改善されていきます。


それでは、歯周病が血管病であるという事実の具体的な説明を。
まず説明が容易にご理解いただける様、血管の簡単な構造をご説明いたします。
動脈の壁は、栄養と酸素を全身の器官や組織に運ぶ必要があるため、拍動性の血流と血圧に耐えられるよう厚く弾力があり、内部の圧が減っても丸い形が保てるようになっています。
その血管は、血管内で血液が凝固しないように、常にPGという成分を産み出し、血液凝固反応を抑制する内皮細胞でつくられてる内膜、その外側を筋肉性の中膜、さらに一番外側に結合組織の外膜の3層から構成されています。
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