▼甘い緊縛

※このお話は「大嫌いな奴」の微妙な続きです、
ってかこれを書くためにあのお話があったようなものですが(笑)
ということで「大嫌いな奴」を読んでいない人はしちらを読んでからお読みください。




ワル夫が怪我をしていた
学校から帰って来て秘密基地に行ったとき
ネッカチーフにぐるぐる巻き(簀巻き)にされていたワル夫を発見
シロンに悪戯でもされたのかと笑いながら近づくと


そんなんじゃなかった
傷だらけでネッカチーフにも血が滲んでいた



心臓が止まるかと思った


すぐにカムバックとリボーンをして怪我を治したが


俺の心の中にはあの時の姿が焼きついていて消えることはなかった・・・・




それから一週間が過ぎた


今日はメグもマックもディーノも用事があるとかで秘密基地には来ていない
そのためシロンは昼寝、ランシーンは読書を決め込んでいたのだが
シュウがいきなり強制的に昼寝中のシロンと読書中のランシーンを掴み上げ
屋上へ走って来てリボーンした

シュウは2竜の前で見上げる形で立っている

昼寝中に叩き起こされたシロンは不機嫌極まりない
「いきなりどうしたんですか?」とりあえず冷静にランシーンは聞いてみる

「お前たち明日からもう家から出るな!」強い口調で2竜に言う

「「はあぁ??」」ハモリながら大声を上げる2竜

「あ、イヤ違うな、でかっちょな時は別にいいか・・・・」
「だから!小さいねずっちょの時は家から出るな!だな!うん」

俯いてブツブツ言いながら悩んでいるシュウ

呆然とシュウを見つめている2竜・・・

そして掠れるような小さな声で呟かれる言葉

「イヤなんだよ、俺が見てない所で怪我とかされんの・・・・」

「別に絶対1歩も外に出るなって言ってる訳じゃないんだ」

「秘密基地に行くなら俺が一緒に連れて行ってやるし」

「学校だって別に一緒なら・・・・」

とても小さな・・・小さな震える声
シュウの手も握り締められたまま震えている

サーガ・・・泣いている・・・・のか?

2竜は1週間前の事を思い出す
シュウはあの時のことを気にしているのだと・・・・

「今でも時々夢に見るんだ・・・あの時の事・・・・」




そしてシュウが顔を2竜に向けて悲痛な声をあげる

「頼むよ!!俺から離れるなよ!!傍にいたら怪我だって治してやれるし・・・」

「家の中や秘密基地の中はいいんだ!!安全だし・・・・」

「だけど小さいまんまでは外に・・・出るなよ」

シュウの瞳からは一筋の涙

シュウの纏う風が2竜を包む
それは甘く優しく2竜を拘束する

時に強く激しい鎖のように・・・・

だけど決して悪くない

むしろ心地良い

抗えるはずのない

風の形をした見えない鎖

「「俺達(私達)は・・・・」」

「「お前(貴方)から・・・」」

「「離れない」」

「「離れるつもりはない」」


2竜はシュウを抱き寄せ挟むように優しく翼で包む

「お前がそれを望むなら」
「私達はそれに従いましょう」

2竜はシュウを見つめて笑う
とても幸せそうに
愛しそうに

思えば傍らに居る様になった時から
自分達はシュウの纏う風に身も心も捕らわれていた
この鎖は解かれることはない

「「お前(貴方)は」」

「「俺達(私達)の」」

『『永遠の愛しき存在なのだから・・・』』





それは永遠の甘美な鎖




おしまい


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あとがき〜
ヘタレドラゴンというか
緊縛マスター2竜降臨です(違)