▼告白 その2
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ちょっぴり回想、前日の夜の『ワニの穴』にて

「なぁグリードー」
スィートダンディ入りのグラスを片手にシロンが
グリードーを見ながら聞いてきた

「なんだ?」
グリードーの手にもスィートダンディ
グラスの中の氷がカランと音を立てる

「お前ら・・・もう、犯っちゃった訳?」ストレートに聞くシロン

「ぐほっ」ものすごい勢いで鼻からスィートダンディを噴出すグリードー

「何をいきなり!(ゴホッ)んなこと聞いてどうすんだよ!!」
「(ゴホッガハッ)気管に入っちまったじゃねぇか!!」
相当苦しいらしく涙目になっている

「いやな?前々から聞いて見たかったんだよ」
「お前ら怪しいくらい仲が良いってかラブラブだろ?」
「やっぱ犯ってんのかなぁ〜ってさ」

「ラブラブって・・・・」
ダンディに御手拭をもらい鼻を拭くグリードー
ちょっぴり呆れ顔だ

「お前らだってあんまり変わらねぇだろ・・・」

「変わるっての!全然違うだろ?何か雰囲気とか!!」
ものすごい顔で凄むシロン

そして一息ついて天井を見ながら
「そりゃさ、この間キスもしたさ、軽いのだったけどな」

「したんだ、キス」

「ああ、したさ、軽いやつだけど」
キャッとか言いながら目を手で覆い耳と尻尾をパタパタさせながら喜ぶシロン
乙女になってる

(コイツ・・・サーガの馬鹿が伝染してる・・・)と心の中で思うグリードー


「で、実の所どうなんだ?」
ずいっと顔をクリードーに近づけてすごく真剣な顔で聞いてくるシロン


「・・・・・・・・」
しばらく黙ってカウンターを見つめながら頷くグリードー


「うあぁあぁぁ!!!犯っちゃってるよ!!この人(竜)!!てかもう犯罪??」
両手で頭を押さえて悶絶するシロン

「お前が言うのかよ?ソレを!!」すかさず突っ込むグリードー
翼の火力が上がってるので少なからず怒ってるようだ

「あいつが・・・その、まぁ告白してくれたんだよ」
「好きだ・・・愛してるって」

「まぁその勢いでなし崩しに・・・な」
普段から赤い顔が益々赤くなるグリードー

「まぁ4大レジェンズでこんな関係になるのって俺らくらいだと思うけどな」
すでに一緒くたにされてるシロン

「ズオウはまだ子供だからそんな気はないだろうし」

「ガリオンは昔からそんなことする奴じゃない・・・」

「・・・・・・・」黙って聞いていたシロン

・・・ん?アレ??今何気にすごいこと言ってないか??グリードー

「おい!グリードー」

「なんだ?」

「今、ガリオンは『昔から』そんなことはしないって言ったよな?」

「ああ、言ったが?」

「じゃあ、お前は『昔から』そんなことしてたのか?」

「!!!!!」

     沈黙

「うああぁぁぁあぁあ!!やっぱコイツ犯罪者〜!!!てか犯罪竜〜!!!!」
涙が滝のように出ているシロン

「うっ!!煩い!!!言っとくけどなぁ、俺ぁ自分から犯ったことはねぇよ!!」
かなり焦り気味のグリードー

「そうなのか?」
涙がピタリと止まり聞いてみる

「そうだよ!何でか好き、愛してるって告白してくるんだサーガが・・・・」

「火のサーガって熱いんだな・・・・」ちょっぴり(ってか相当)羨ましいシロン

それはサーガが熱いのではなくグリードーの性格から来るもの
元々兄貴肌なグリードーは面倒見が良く友達も多い
サーガを大切にする気持ちは他のレジェンズと変わらないが
接することに多少の違いがあるのかもしれない

気づかない内に同性や異性にモテまくるレジェンズ、それがグリードーだった

 回想終わり

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「てぇ訳なんだよ」とシロンがミルクティーを啜りながら話す

「ほぉ、グリードーも中々やりますね」
ランシーンはフォークを置いて聞き入っていた

「こりゃもう告白しかねぇだろう!」
「あいつから告白待ってたらじじいになっちまうよ(あいつが)!!」
「絶対告白だ!!何が何でも告白だ!!」
「そして犯る!!最後まで!!!ゴールインだ!!!」

「まぁ待てシロン」
「告白が仮に成功したとして直ぐに犯るのは無理があるだろう?」
しばらく暴走していたシロンを見つめていたランシーンが言う

「何?」
ランシーンに向き直り目を見るシロン

「いいか?恋人になったとて直ぐに犯れる訳じゃない」
「稀に直ぐに犯る場合もあるらしいが」
「人間の世界で言うところだいたい早くて週1のデート3回くらい」
「普通は3ヶ月くらいで、遅いと3年とか下手すると結婚まで無しな場合もあるらしいぞ」
こんな所で知の竜の妙に変な知識を披露するランシーン

「うげ!!なんだそりゃ!!!つか何で3で区切るんだよ?」
「そもそも結婚は無理だろう!!戸籍ないし!!!」
性別と種族の差はどうでもいいらしい

「そんなの私が知る訳ないだろう、そういう話もあるということだ」

「じゃあ、稀にすぐ犯れる場合の中に入ればいいじゃねぇか」

「・・・・まぁ、そう言ってしまえはそうなんですけどね」
かなり真剣に相談中の2匹

「シロンさん、ランシーンさん、ミルクティーのおかわりいる?」
にこやかにヨウコが声をかける

「ググ〜vv」
「ガガ〜vv」
2匹が手を挙げ返事をして返す

まさかこんな所で息子の貞操の危機の会話をガガガ語でしているとは
思いもよらないヨウコはゆっくりとカップに紅茶とミルクを注ぐ

「ここで相談していても始まらねぇ!今日の午後、
秘密基地で3人(1人と2竜)になった時に決行だ!!」
「その後の事はその後考える!!」
ガッツポーズで天井を見ながらシロンが言う

「そうだな・・・・」
ランシーンも頷く

こうしてマツタニ家の午後のティータイムは過ぎていった



(3へ続きます)