▼わらしべ長者?

キラキラの白い羽根と黒い羽根

シロンとランシーンから抜け落ちた羽根

その羽根がお気に入りのシュウは
白と黒の羽根を手に持ち遊びながら
秘密基地に向かっていく

今日はマック達と先に秘密基地に行ってる2匹

早く皆と会って遊びたいシュウは自然と早足になる

「わ〜!綺麗なおっきい羽根〜」

どこかでそんな声が聞こえて振り向くシュウ

小さな女の子が母親に手を引かれてこちらを見ている

「綺麗〜!!綺麗〜!!ほしいな〜」
その女の子は指差しながら言う
母親はそれを見て
「お兄ちゃんを困らせるようなこと言っちゃダメよ」と
こちらを見てゴメンナサイねと言うような素振りを見せる

シュウはその女の子に近づき
「はい、あげるよ」と白と黒の羽根を差し出した

「わ〜い!!アリガト!!お兄ちゃん!!」
満面の笑みの女の子

その母親はとても恐縮して
お礼にとシュウに小さな箱入りのクッキーを出してきた

「あ!イヤ、別に俺、そんなつもりであげたんじゃないから・・・・」
そう言って断ろうとしたが
ほんのお礼だからと言ってシュウの手に持たせる




思わぬ所で2竜の羽根がクッキーに変化した
そう思いながらシュウはまた秘密基地へ足を運ぶ


どしん!!!

いきなり衝撃が走る
思わず尻餅のシュウ

曲がり角から突然出てきたお姉さん
手には買い物袋を持っている

「あ!!ごめんなさい、ちょっと急いでいたから」
「大丈夫??怪我はない???」

ちょっと美人なお姉さんにメロメロどっきゅんなシュウは
「イイッス!!イイッス!!平気ッス〜vvv」とハートを飛ばしながら返事をする


「あ!!それ・・・」
お姉さんはシュウの尻餅をついたあたりを見つめる
シュウも思わずそちらを見る
「あ・・・・」

そこには無残にもシュウのお尻に轢かれて潰されたクッキーの箱があった

「ごめんなさいね、折角のクッキーを・・・」

「あ〜、別に大丈夫ッス〜箱はつぶれてるけど破れてないし」

胃に入ってしまえは変わりはないから
そう思ってるからシュウは気にしない

お姉さんは申し訳なさそうに
「これ、お詫びにあげるわ」と買い物袋に手を入れて
シュウに大きなオレンジを2つ渡す
「じゃあ、私急いでるからここで・・・本当ごめんね」
そう言って慌てて走り去っていく

「・・・・・・」呆然とするシュウ
手には潰れた箱のクッキーとオレンジ2つ





そしていつもの秘密基地
ねずっちょシロンはテレビを見て
わるっちょランシーンは本を読み
サーガであるシュウをまだかまだかと待っていた

バタンと扉が開く音
「ヨオーッす!!」
元気にシュウが入ってきた

「よっ!なんだな」とマック
「遅いわよ〜」とメグ

「わりーわりーちょっと色々あって」とマックとメグに返事をしながら
真っ直ぐ2匹の傍へ向かう

「ほい!お前らにこれやるよ^^」
手に持っていた物を2匹に渡すシュウ

潰れた箱のクッキーとオレンジ2つ

「これは、お前達のものなんだぜ」
「なにしろお前達の羽根が変化したんだもんな」
などと悪戯っぽい顔をしてにっと笑う

「???」
なんだかよくわからない2匹


そういえば日本の昔話にそんなお話があった気がするな・・・
え〜と確か・・・わら・・・わら・・・なんだっけ?
しばらく考えたが思い出せないので「まぁいいや」とあっさり諦める


白と黒の羽根は時に素敵なものに変化する
そんなお話



おしまい

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あとがき

はい、その昔話の答えは「わらしべ長者」です
内容は全然違うけどね
今回はあんまり2竜出てこなかった
というか全然風3じゃない(汗)
まぁたまにはこういうのもいいかなと・・・^^;
それと尻に轢かれたクッキーが素敵な物なのか
どうなのかという疑問もスルー(笑)