▼美味しい物?(ランシーン)

ぽりぽりぽりぽり・・・・・

マツタニ家の庭先で
黒い大翼を背中に持つ風の竜ランシーンは
小さな袋を爪先で器用に開けて何かを口に運びながら本を読んでいた

「ワル夫〜」
シュウを手のひらに乗せて
白い竜のシロンはランシーンに声をかける

「さっきから何美味そうに食ってんだ?」
シロンが聞く

「ああ、先ほどパパさんから日本のお菓子を頂いたんですよ」
「『カリカリ梅』と言うらしいです」
「多分私が好きなんじゃないかってね」
そう言いながらパリっと小さな袋を開けて
小さなお菓子を再び口に運ぶランシーン

大きな袋の中にひとつひとつ小さな袋で包まれた紅い実は
シュウとシロンの興味をそそる
「え〜!!なんでワル夫だけ??」
シュウが不服そうな声を上げる

「私は美味しいと思うのですが」
「サーガの好きな味ではないと思いますよ」

「そうなの?」
食べたそうにお菓子を見つめるシュウ

「・・・・・・・」
ランシーンは困ったような顔をして
「宜しければひとつ食べますか?」
シロンとシュウにひとつづつ小さな袋を手渡す

嬉しそうに袋を開けて口に含むシュウ
シロンも続けて口に入れる

「「!!!!!」」

「うええぇ!!すっぱああ!!」
口を『※』の形にして顔をしかめるシュウ

「・・・・・お前、よくこんなの食べれるな」
シロンは口を押さえた状態でランシーンに話しかける

「だから言ったでしょう^^:」
苦笑するランシーン
「まあ好みの問題でしょうからね」
そして再び袋を開けて口に入れるランシーン



しばらくしてサスケが洗車を終わらせて
ランシーン達のもとへ片手をあげつつ笑顔で近づいてくる
「やあ、『カリカリ梅』気に入ってくれたみたいだね」

「ええ、とても美味しいです、ありがとうございます」
ランシーンはお礼を言いつつ
袋をパリっと開けて再び口に運ぶ
止まらない美味しさらしい(笑)

「!!!」

「ランシーンさん?」
サスケがいきなり驚いたような顔をする

「はい?」
驚くサスケに
どうしました?っと言うような顔をするランシーン

「ごめん、うっかり言うの忘れてたね」
「まあ、言わなくても解るかなって思ってたんだけど・・・」

「????」

「そっか・・・ランシーンさんはドラゴンだから顎は強いものね」
苦笑するサスケ

「????」
益々解らないランシーン



申し訳なさそうにサスケは言う
「えっとですね」
「種は食べる物じゃないんだよ」
「ちゃんと出さなきゃ^^;」




「!!!!」


固まったランシーンの横を
無常な風が吹き抜けていく

『知恵の竜』と呼ばれているドラゴンは
意外にも身近なことは知らない事の方が多かった




合掌




おしまい


☆おまけ☆
この後シロンに思い切り笑われて立つ瀬が無いランシーンだが
実はシロンも先ほどの1つは種をボリボリ食べていたことは内緒の話(笑)
(シュウは吐き出してティッシュでくるんで捨てた)


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あとがき

すいません、グダグダな内容です
『緑茶』ときたら次は『カリカリ梅』だなって思って出来たネタです
ランシーンさんが相当マヌケです
種ごと梅食ってますよランシーンさん(笑)
あ、でも私あの種の中にあるちんまい実が好きでした
歯で砕いてわざわざ食べてましたね^^