▼兄弟のような(2竜)
青い空、白い雲
暖かな日差しの中で

「ンガガァア!!」
「グゥググーー!!」
秘密基地の屋上で白と黒の2匹の大喧嘩が始まった

宿題の途中で屋上に寛ぎに来ていたサーガ達4人は
それを苦笑しながら見つめている

「ああ、もう、また始まっちゃったわよー」
「シュウ止めなくていいの?」
メグは心配しながらシュウに聞く

「いつものことだしなぁ」
「小さいと被害も少ないし、疲れたら止めるだろうから・・・」
「別にいいんじゃねぇの?」
取っ組み合いをしている2匹を見つめてから
メグを見てニッと笑うシュウ

「もう、のん気なんだからぁ」
メグはそんなシュウを見つめて
呆れ口調でそう言う

「シュウが大丈夫って言うなら」
「きっと大丈夫なんだなw」
ハンバーガーを片手にマックも
2匹を見つめて笑う

「でも、本当あの2人仲が悪いよね」
「もうちょっと仲良く出来ないのかな」
「グリードーやウォルフィー、リーオンみたいに」
ディーノはため息まじりに言う

「あいつら仲悪くねぇよ」
ディーノの言葉に反発するようにシュウは答える

「「え?」」
いつものおちゃらけた雰囲気とはちょっと違った
シュウの真剣な言葉にサーガ達はシュウを見つめる

はっと気が付いてシュウは
慌てて口調を元に戻して続ける

「なんつうのか・・・仲が悪いっていう喧嘩じゃないんだよな」
「言いたい事を言い合って、隠し事をしない仲」
「だからいつも喧嘩するけど」
「何時間かするとケロっと忘れたみたいに元に戻ってて・・・」

「あいつら見てるとさ・・・」
「何か兄弟ってあんな感じなのかな〜って思ったりする」


兄弟のような

親友のような

良きライバル



「・・・・・・・」


「そうだね・・・」
「僕たちには兄弟はいないけど・・・・」
ディーノは大喧嘩をしている2匹を見つめ
「きっと兄弟ってあんな感じなんだろうね」と呟く





しばらくそんな2匹を見つめていた4人だが

ディーノが
「さて・・・と、早く宿題済ませないと帰れないよ」
「僕もピアノの練習あるから教えてあげられなくなるし」
「戻ろうか?」
と皆に言う

「そうね、早く済ませないと暗くなっちゃうわ」

「なんだなw」

「ほいほいw」

4人は立ち上がる

「あの2人はそのままでいいの?」
メグは聞いてみる
「おう、大丈夫だw」
シュウがそう答えたので
4人は2匹を残したまま屋上を後にして部屋に戻っていった




2時間後

空が赤く染まりだした頃

シュウが屋上のドアを開け
2匹を迎えに来る

「あ・・・・」
シュウはその光景を見つめながら思わず笑ってしまう

夕日を背に
2匹はくったりと重なりあうように眠っていた

そんな2匹を両手ですくい上げてみる
よほど疲れたのか2匹は起きようとしない
指先が耳に触れると耳がピクピクと動く
とても気持ちよさそうに眠る2匹

「ホント仲がいいよなぁ・・・」

こんな2匹の関係にちょっとだけ羨ましく感じるシュウだった


おしまい


・・・・・・・・・・・・


あとがき

兄弟っていうか
半身、同じ存在なんだけどね(笑)
でも文中でも言ってるみたいな
こういう関係の2竜が大好きですw(妄想炸裂中(笑))
恋愛関係じゃないさっぱりした関係ねw
2竜はシュウラブラブw

あと作中でメグやディーノが2匹(2竜)のことを
『2人』と言ってますが
『2竜』とか『2匹』とかいうと不自然だったので
『2人』にしましたv