▼宝物
今日はレジェンズクラブのクラブ活動の日
とはいってもいつものごとくすることも無いので
クラブの面々は秘密基地に集まり
それぞれ寛いでいた

上機嫌で秘密基地に置いてある
自分の宝箱を開いて
ベースボールカードを取り出して整理をするシュウ

そしてそれを見つめるシロンとランシーンの2竜

上機嫌のシュウとは正反対に
こちらの2竜は不機嫌極まりなかった

「ねえ?シュウ、シロンさんとランシーンさんが
さっきから睨んでるように見えるんだけど
気のせいかしら?」
メグがシュウに聞いてみる

「ん?そういや、今日はあいつら機嫌悪いなぁ
なんでだろ・・・?
ま、いいや、そのうち直るだろ?」
そう笑いながら再び宝物の整理をするシュウ

「おい、お前ら、何かあったのか?」
グリードーが2竜に声をかけてみる

「別に・・なんでもねぇよ」

「貴方には関係の無い事ですよ」

不機嫌に答える2竜

「何でもないってことは無いだろう?
・・・っていうかそんな不機嫌オーラを出しまくってると
こっちが迷惑だって言ってるんだよ」

「なんだとコラ、やんのか?」
不機嫌なだけにグリードーに突っかかっていくシロン

「だーかーら!落ち着けって言ってるんだよ」
そんなシロンを宥めるように言うグリードー

しばらくシロンとグリードーの会話を見ていたランシーンが
不意に口を開く
「今日はやけに風のサーガ・・・機嫌が良いのですね?」

「あぁ?・・・ま・・まあそうみたいだな」
なんだ?こいつらサーガが機嫌が良いのが不満なのか?
などと疑問に思うグリードー

「私たちが・・病気になろうと怪我をしようと
笑っていられるほど
私たちの存在は軽いものなのでしょうか?」
ぼそりと呟くランシーン

「お前ら・・・病気か何かなのか?」
思わず聞き返すグリードー

しばらく間を置いて
「いいえ、病気や怪我はタリスポットにカムバックすれば治る事ですしね」
そう返事を返すランシーン

「じゃあ、なんなんだ?」


「・・・・・昨日」
ゆっくりと2竜が重い口を開く

2日前
シュウの通う小学校の行事ということで
シュウは1泊2日のキャンプに出ていた

本当はついていくつもりだったが
学校行事でどうしてもついていくことが出来ず
頼みの綱のハルカ先生もダメってことで
結局留守番になった2竜

そしてそういう時に限って
不幸は起こる訳で

ねずっちょとわるっちょ状態でいきなり腹痛になる2竜

焦ったのはヨウコである
食べたものが悪かったのか、はたまた違う原因か
普段ならシュウが治す訳だが
シュウはいない
動物病院に連れて行こうにも彼らはレジェンズ
仕方が無いので病院で薬だけもらって帰ってきて
それを飲んで1日過ごした2竜だった

そして翌日シュウが学校から帰ってきて
すぐに治してくれた訳だが
それ以降やたらと機嫌がいいのだ

何故だ?

心配じゃないのか?

そりゃ体はすぐに治ったさ

別に泣いてほしいとか
大げさに心配しろとは言わない

だけど

その機嫌の良さはなんだ?

実は思っているのは自分達だけではないのか?

サーガにとって自分達は・・・・

2竜に不安がよぎる





「あら?シュウ、これはなに?」
メグが小さな白い紙を拾い上げる

上機嫌に宝箱を整理しているシュウのズボンのポケットから
零れ落ちたものだ
折りたたまれていた小さな白い紙

メグはそれを開いてみる

すると

「・・・薬袋?」
病院で薬を入れる袋だった

「そうだよ、それも俺の宝物だからさ
ベースボールカードと一緒に入れようと思ってね〜」
そういってメグから薬袋を貰おうとする

「なんでこんなモノが宝物なの?訳解んないわよ?」

「名前のとこ良く見てみろよ」

「名前・・・?」

その薬袋には

shiron matutani  (シロン マツタニ)
ranshiin matutani (ランシーン マツタニ)

と書かれていた

「この間母さんが動物病院から薬を貰って来たらしいんだけどさ
なんか・・・その名前見て家族って感じがしてさ
すっごく嬉しかったんだよな〜」
そう笑いながら薬袋をメグから受け取るシュウ

「・・・・・」
その会話を静かに聞いていた2竜

「だとよ、どうする?お2人さん」
グリードーが呆れたように笑ながら2竜に話しかける

2竜は何も言わない
ただ自分達が誤解していた気恥ずかしさで顔が赤くなっていた

そして綺麗にベースボールカードと一緒に
宝箱に入れられる薬袋
「よし!完了!!」
にかっと笑い

手にグローブとボールを持って2竜に近づくシュウ
「でかっちょ〜vワル夫〜vそんなしかめッ面してないで
キャッチボールしようぜ〜」


「あ・・・ああ」
「・・・ええ」
シュウに手を(翼を)引っ張られていく2竜

屋上に消えていくシュウと2竜を見つめながら
「こりゃ当分風のサーガに頭があがらねぇな」と
グリードーが笑いながらそう呟いた


おしまい


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あとがき

動物病院のお薬って苗字にペットの名前入れるんだって思い込み作品(グハッ)
ペットじゃないんだけどね(笑)
アメリカでやってるのかは不明ですが
そもそも秘密基地のあの部屋に2竜とグリが居る事自体おかしいんだけど
その辺は笑って許してねw

久々なのですごく変な文な気が;;