▼レジェンズ&サーガ(シロシュウ)
正直
お前と初めて出会ったとき
俺はすごく失望した事を覚えている

初めて出会った俺のパートナーは
馬鹿な上に泣き虫で
おまけに俺を厄介者のように投げたり
カードと交換しようとしたり
とにかくとんでもない奴で

なんでコイツなんだよ!!
替えられるもんなら替えてくれよ!!って思ったさ

だがこの町にそよぐ風は気持ちよくて
その風はコイツが此処に存在してるからだと気がついて

気がついたら

大切な奴になってた・・・・



秘密基地の屋上でシュウと2人(1人と1竜)で風を感じながら
「初めて出会ったときな・・・」
・・・とシロンはおもむろに呟く

「ん?」

「俺ぁ、お前の事が嫌いだったんだ」

「ほぉ・・・」

「お前馬鹿だし、俺の事大切にしねーし、泣き虫だし」

「・・・・(怒)」

「オマケに言葉は通じねぇし・・・訳わかんねぇ奴だって思ってた」

「・・・・で、何が言いたい訳?」
シュウの声に明らかに怒りの色が混じる

「だけど今は違う」
「今はお前で良かったと思う」

お前を知れば知るほど
傍らでお前の風を感じるほど

「お前じゃないと・・・ダメなんだって思う」

「・・・・・・・」

「お前をこんな厄介ごとに巻き込んで悪かったと思ってる」
「お前だけじゃなくてお前の大切な家族まで巻き込んで・・・」
「だけどな・・・」
そう言いかけたとき

「俺も『サーガ』で良かったと思うよ」
とシュウが答える

シロンの肩がピクリと動く

「まぁ初めて出会ったときは・・・なんつうか」
「なんじゃこりゃ!!怖えぇ!!って思ったけど(笑)」
「でもお前と出会って」
「一緒に過ごして・・・」

一緒に笑って
一緒に歌って
一緒に風を感じるパートナー

「今では・・・良かったと思う」
シュウは笑う


出会いは最悪だった
『風のレジェンズ』と『風のサーガ』


いつも反発していた
『渦巻く風』と『吹きぬける風』

いつしかその2つの風は混じりあい

そして真にひとつの風になる


おしまい