▼家族&翼と尻尾
「シロンさんとランシーンさんが家に来てから」
「随分と家も賑やかになったわよね」
ヨウコはそう思う




日が傾きだした午後
ヨウコが晩御飯を作っていると

バターンと元気よく玄関のドアが開き
「たっだいま〜ww」と
元気なシュウの声が聞こえてきた
「ガガガ〜vv」「グググ〜vv」
続けて元気そうな2匹のねずみの声も聞こえてくる

「おかえりなさい」
ヨウコはエプロンのすそで少し手を拭きながら
シュウと2匹を迎える

「あら?みんな泥だらけね」
シュウと2匹は泥だらけで汚れていた

「あ、うん^^;クラブで遊んだ後で」
「こいつらとキャッチボールで遊んでたらこうなったんだ;;」
どうキャッチボールしたらこうなるのかは置いといて
ねずっちょとわるっちょは何処へ飛んで行ったか解らない
ボールを必死で探していたのだろう事はよく解る(笑)

「かあさん服汚してごめんなさい」
シュウは申し訳なさそうに言う

「いいのよ、服は洗えば綺麗になるんだし^^」
「怪我がないのならそれでいいの」
「さあ、シャワーを皆で浴びていらっしゃい」
「お洋服はカゴに入れておいてね」
ヨウコはシュウの頭をポンポンと撫でながらそう言う

「うん、じゃあ入ってくるね」
シュウは2匹を頭と肩に乗せてお風呂場へ走っていく

「シャワーが終わったら皆でご飯食べましょうね」

「はーいv」「ガガァv」「ググゥv」




そしてシュウ達のシャワーが終わった頃
サスケも帰宅してきていて
温かな晩御飯も出来上がっていた

今日はメインがオムライス
他にスープやサラダもついていてる


シュウがケチャップで
2匹のオムライスに『shiron』と『ranshiin』と名前を入れたりすると
ねずっちょよりわるっちょのケチャップが多いことに対して
ねずっちょが気に入らないと不満の声を上げ
仕方なくねずっちょにハートを描いたりすると
今度はわるっちょが文句を言ったりという事で
しまいにオムライスがケチャップで埋まったりして
今日の食卓も中々賑やかだった

そんな1人と2匹を見つめながら
「シロンさんとランシーンさんが家に来てから」
「随分と家も賑やかになったわよね」
とヨウコがサスケに笑いながら言う


「そうだなぁ」
「家族が増えたって感じだね」


「そうね」
「はじめて見たときは大きくて驚いたけれど・・・」
「大きくて翼があって尻尾があるだけで」
「考え方や行動は・・・私たち人間と変わらないのね」

「息子が1人から3人に増えたって感じかな?」

サスケのそんなセリフに
くすくすっと笑いながら
「『家族』よね」
とヨウコが答える


シロンとランシーン
ウインドラゴンと言われるレジェンズ



大きな翼と尻尾を持つ人とは異なる
地球の生み出した精霊



でも・・・



今は・・・



マツタニ家の大切な『家族』の一員


おしまい