い（ヨウコさんとシュウ）頭にねずっちょシロン、左肩にわるっちょランシーンを乗せて
秘密基地に向かうためシュウは家を飛び出した
「ちょっとまって、シュウ」
母親ヨウコが呼び止める
キックボードを蹴り出そうとしていた足を止め
ヨウコの元へ戻ってくるシュウ
「なに？母さん」
ヨウコはＴシャツに手を伸ばし袖の所を持つ
「少しほつれているわね・・・」
「あ、ホントだ」言われて初めて気づくシュウ
改めて見ると所々ほつれている
走り回る元気なシュウに付き合っている服だ
破れたり、ほつれたりするのは当たり前のこと
むしろ今までの事を考えるとほつれる程度で済むほうがおかしいのだ
「い」のＴシャツ
この服を着ている時に色々なことがあった
おばっちょに追いかけられ
シロンに出会った
Ｔシャツを銜えられ放り投げられたこともある、しかも結構何回も
空から落とされた時にシロンに後ろから銜えられて助かった時もあった
色々なレジェンズに会った
ランシーンとも出会った
クラブも作って歌った、走った、笑った、泣いた
とてもとても大切な思い出が
いっぱいいっぱい詰まった「い」Ｔシャツ
「服、着替えていく？シュウ」ヨウコが話しかける
「え？でも、今日も外で遊ぶしどのみち汚れるし・・・・」
母親ヨウコに言われるとちょっと弱いシュウだけど
なんとなく服は替えたくない・・・
「それに大分小さくなってるわよ、裾が少し短くなってない？」
「え？マジで？？」
「そうかなぁ〜、そうかも〜・・・」
裾を引っ張りながら服を見るシュウ
少しづつだけどゆっくりと成長しているシュウ
「あ、でもそうなると他の服も小さくなってるかも知れないわね」
少し頬に手を添えて悩んでいたヨウコ
「そうね、じゃあ明日日曜日に皆でお買い物に出ましょうか？」
シュウに顔を向けて笑いかける
「うん、そうする！」元気良く返事するシュウ
そしてその後ちょっと戸惑いながら
ねずっちょとわるっちょを両手に乗せて
聞いてみるシュウ
「んと、ねずっちょとわるっちょも一緒でいい？」
ウィンクして言うヨウコ
「皆でって言ったでしょう？」
それを聞いて満面の笑みで喜ぶシュウ
「ありがとう！母さん」
「とにかく今日は服は着替えて遊びに行きなさい、
その服が気に入ってるなら母さんが直しておいてあげるから」
シュウの頭に優しくヨウコの手が触れる
「・・・うん、わかった」
数分後
「じゃあ母さん、俺行ってくるね！」
元気良くキックボードを蹴って走っていく
「行ってらっしゃい」手を振りながら見送るヨウコ
振り落とされそうになりながら必死でしがみつく２匹
今日はいつもと違うＴシャツ
この服で新しい思い出を刻もう
「い」のＴシャツほどじゃないと思うけど
きっと素敵な思い出は作れるはず
後日談
「いんや〜、まさかまだ売ってるとは思わなかったよ」
上機嫌で新しい「い」Ｔシャツを手に喜ぶシュウ
なんとひとまわり大きいサイズの「い」Ｔシャツが売られていたのだ
しかも５０％ＯＦＦ
正直あんまり良いデザインじゃないから売れ残っていたんだろう事は明白だが
上機嫌で袖に手を通すシュウを見てると何も言えなくなる両親と２匹だった。
おしまい
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あとがき
あれれ？おかしいな
シロンとランが出てこない（一応居るのはわかるが）セリフないし
シロシュウランのお題に沿ってないよ自分(汗）
今回はヨウコさんとシュウっぽいね スイマセン
２匹以上に影の薄いサスケさん
一応一緒に買い物には行ってるんだよ〜（ＴＴ）
