▽過去の詩集 第1期:名前の無い詩281-291
▽第1期:名前の無い詩 281
蚊遣火
夏に在す場景
線香、或いは閃光

過ぎれば行き絶える道
過ごせば息絶える暗闇

邂逅、或いは海港
夏が齎す情景
蚊遣火
2009/7/11(土) 21:16


▽第1期:名前の無い詩 282
帰らぬ人在る 或る村へ
遠方より参ります

行く道 度々 旅人かと
問いに 度々 応えるは
擦り切れ 白髪 されど笑む
痩躯にして 齢十の 幼き少女


再度口遊む


帰らぬ人在る 或る村へ
遠方より参ります
鬼籍と毛筆 片手に持ち
遠方より参ります

2009/7/11(土) 21:17


▽第1期:名前の無い詩 283
くすぐるその手は迷う 迷う
くまなくその手は疾る 疾る

重ね合わせの身に這い続けろ愚者共が
罪重ねた重さを知れよ賢者共が
意にそぐわぬは
制裁後断頭台
葬れ要らない者を
墓穴掘者多数也

2009/7/11(土) 21:17


▽第1期:名前の無い詩 284
耳朶を叩く言葉の破片
時としてそれは 痛みであり
時としてそれは 喜びであり

許し乞うか死を乞うか
時としてそれは 罰則であり
時としてそれは 足枷であり


言えば現に成りうると、信ずるならば

問いも答えも全て

望むままに高らかに叫べ
2009/7/11(土) 21:17


▽第1期:名前の無い詩 285
憂い惑い続けるは
人の性かと是非問おう
袋のネズミの走馬灯
廻るのは最早理かと

問あれば答あり
答なくば問もなし
2009/7/11(土) 21:17


▽第1期:名前の無い詩 286
崩れ落ちる膝
力無くす手足

絶望 切望したがゆえに
絶望 希望したがために

嘆き悲しめ その都の衰退に
少し前を見 崩落した足場へ

誘い続ける破滅の道

2009/8/13(木) 15:48


▽第1期:名前の無い詩 287
忘れ去られた時間は
過ぎ去っていく時間は

会者定離 絆は結ばれ断ち切られる
付和雷同 同一を求め安楽に浸る

忘れ去られた時間は
過ぎ去っていく時間は

ただ残されたくない人々の足掻き
2009/8/13(木) 15:48


▽第1期:名前の無い詩 288
意味をなくした造形には
罰どころか罪すら与えぬ
無情であり無常のこの世の中

自己の意味は薄れていく


夜風に嘆く
寂しい寒さを伴うから

2009/8/13(木) 15:48


▽第1期:名前の無い詩 289
終わらない仮面を抱き
歩み進めるこの小道

すれ違いざまには右手の刃をぶつけ
追われ着かれる際には左手を握り

嘘が表で真が裏は人の理と知る時は
絶望と諦観に頭脳と肢体を委ねる

2009/8/13(木) 15:49


▽第1期:名前の無い詩 290
死んでゆくような日々
白く 黒く モノクロに
染めて色づく
死んでいく日々
2009/8/13(木) 15:49


▽第1期:名前の無い詩 291
追われて追われて続く道
終わらないからずっと

一つの綻び
失敗を待ちわびながら

(ふくろのねずみ?
あしのもつれ?
たいりょくなくして?
こころおれて?)

2009/8/13(木) 15:49
2011/12/8(木) 01:29
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