▼第11号(1)08.06.10
里山通信11号                             2008/06/10

雑木林を創る活動の推進を                   里山の会 会長 石井 善行
 早いもので里山の整備活動も今年で五年目に入りました。
十数年以上もの長い間「山仕事」という人手が加えられることなく草木が伸び放題状態で、最初は足の踏み入れることにも難儀するほど荒れていた里山が、活動の回を重ねるごとに見違えるようにきれいになり、山の景観が大きく変わってまいりました。
 これも定例活動日に皆さんが竹や木の除伐作業、草刈りなどに精を出された結果であります。不慣れな危険を伴う作業にも関わらず、今日まで無事故で活動を進めることが出来た事と併せて、改めまして厚くお礼を申し上げます。
 発足当初は毎回の活動日毎によく参加された方々の中で、最近はお顔を拝見しなくなった会員も何人かおられますが、皆さんお元気ですか?これからの季節は戸外の作業に心地よい気候となってまいります。
 里山でも色々な山野草の新芽が顔を出し周りの木々も芽吹き、山の表情が日に日に変化する時期となりますので、ぜひ足をお運び下さい。お待ちしております。
 思い起こせば地主さんとの山林使用協定を結ぶための種々の準備と平行して、里山活動に必要な道具類の購入、更には会員勧誘と体制作りを夢中で進めてきた事がひと昔前の出来事の様に感じると同時に、今後の里山整備活動も新たな観点に立って活動方針の見直しをする時期にさしかかったのではないかと考えております。
 針葉樹の伐採・間伐・そして一部には皆伐等を進めた跡地の保全対策の検討・的確な対策の確立と、その早急な実施をしなければなりません。
 現在まで伐採の跡地にはそれなりの植樹を行ってきましたが、それらの活着度合いのフォローと対策を進めること、雑木林の萌芽更新を促進するための措置も検討する必要があると考えております。
 長い間この雑木林を有機質肥料源として、また生活のための大事な燃料源としての活用が見捨てられていた為に、今ある多くの雑木は樹齢を重ねた老木となっております。
 落ち葉を掃くことによる地面の掃除や、枝打ちや伐採による萌芽を促進させる手立てなど、雑木林として環境整備のための作業を進め、次代の大木となる新たな芽を守り育てなければ、雑木林といえども根絶やしになってしまいます。
 現在までに広い面積に植えられていた針葉樹を主体に伐採を進めてきましたが、その跡地に対し植樹の実施や、土砂の崩落や流出対策の必要性など、必要な措置を実施しておかないと取り返しのつかない事態の発生を招いてしまう恐れがあります。
 今まで高い木が密生していた為に地面に自生する草や低木が育たなかった環境でしたが、伐採を行ったことにより日光の照射を受け、これらの植物が芽吹き成長するまでの管理は手を抜く事が出来ません。
 一旦豪雨等で流出した土砂は元に戻せません。今後の里山活動は山を守り育てる捉え方で作業の内容を考え、実行する適期を選び、手抜かりのない段取り計画の基に作業の実施を進めることが重要になってくると考えております。
 これらの作業を進めていくためには、今までの経験から月一回の作業では作業量が多くとても消化できません。活動回数を増やすことが求められていますが、具体的には秋頃までに運営委員会等に提案・検討を進めてゆきたいと考えております。
 会の活動はまだその緒についたばかりです。今植林した木が用材として役に立つには数十年以上の年月を要することを考えれば、会の活動のために快く協定を結んで頂いた地主さんの好意に報いる為にも、何時か必ずやってくる協定解除等による返還時に活きた山になって反せるようになる為にも、更なる活動の活性化の検討も進めてゆきたいと考えます。
 宜しくお願い致します。