▼第二章 
「魔法少女リリカルなのはStrikerS 外伝 Immortality Emperor」




今回は、急いで仕上げたのでなんともいえません。
申し訳ないですw(滝汗




第二章「魔界の遺産」


「………見つかったわ。老王の心臓が。」

ヒカリが口にしたのは、今まで確認されている最後の老王。

その名を聞いたワタルは、めんどくさそうな表情で軽くため息をする。

「はぁ…大体、何を命令されるか予想がつきます。詳しい事は、後日でしたっけ?」

「ええ、後日ね。」

そう言い、ヒカリは手を振りながら通信を切った。

通信が切れると、ワタルは大きなため息をする。

その声で気がついたのか、マリエルが振り向く。

「ん。上司さんから?」

「ええ、まぁそうなりますね。」

「また新しい任務?」

と、マリエルの質問に答えようとした時、突然扉が開いて一人のレキが現れる。

「すみません。遅くなりました。」

頭を掻きながら、頭を下げて謝るレキ。

それを見た二人は……

「「遅い!」」

怒鳴りつけた。余りにも迫力があったのか、レキは唖然としていた。

そして、ワタルはゆっくりとレキの元に近寄り、彼の首を持ち上げた。

「ぬぐぉ!」

首を掴まれた事にも驚いたが、それよりも腕力の強さである。

その光景を見たマリエルは、思わず口を両手で塞いでしまう。

「てめぇ、どれぐらい待たせる気だぁ?俺はな、あの熱い日差しを一時間も浴び続けたんだぞ!一時間だ、無駄にも程がある!」

猛獣のような目付きで早口で話す。

感情的になっているせいか、話している言葉が少し聞こえづらい。

レキは、そんな事を聞くより今の状況を何とかしようと必死だった。

「悪かった…悪かったから下ろしてくれ…」

苦しそうな表情で、片手で首を掴んでいるワタルの手の甲を叩く。

ワタルは、軽くため息をすると両手を離した。

その瞬間、レキは落とされるが上手く着地する。

そして、マリエルが慌ててワタルの元に寄る。

「もう、暴力は駄目だよ!」

「いや、あれぐらいでも物足りないぐらいです。彼にとってはね♪」

マリエルに叱られるが、苦笑いで返す。

「ま、速いとこ検査しちゃいましょう!」

反省する様子は全く無く、二人の肩を軽く叩く。

「もぅ…レキ君、大丈夫?」

「はい、大丈夫…ですよ。」

心配そうな表情で、レキの様子を伺う。

だが、少し苦笑いしながらも検査室へ向う。

そして、軽くため息をしパネルを叩くマリエル。

二人が部屋で待って少しすると、ガラス越しに広がる検査室にレキが現れる。

二人が見つめている中、レキは制服を脱ぎ、全裸になると横になるところに横になる。

「じゃあ、始めるね。」

「お願いします…」

検査。彼の身体は機械の身体。

死神としての独特の体質と機械が上手く共存するのは難しい。

その為、定期的に検査を行い、部品の交換等行われている。

その後、何も問題なく検査は終了。

制服を着て、再び部屋に戻ってきたレキ。

すると、部屋の中ではマリエルがワタルに何かを渡しているのが見える。

「ぉ、戻ってきたか。」

戻ってきたレキにワタルは、指輪らしき物をレキに向けて放り投げる。

「これは…」

迫り来る指輪を上手く掴んで見てみる。

するとそれは、待機フォルムのレキのデバイス「絶影」であった。

「マリエル技官が昨日の内にやってくれたそうだ。」

ワタルが説明すると、マリエルが後ろで笑顔で手を振っていた。

「有難う御座います。マリエル技官。」

待機フォルムの絶影を指にはめながら礼を言う。

「では、私はこれで失礼します!マリエル技官、またお逢いしましょう。」

ワタルも絶影を受け取ったらしく、指にはめてそう話すと、部屋を後にした。

「……では、俺も──」

ワタルに続いて部屋を後にしようとした時。

「あー、待って。ちょっと話すことがあるから。」

そう言い、レキを呼び止めた。

そして、レキとマリエルとのマンツーマンでの話が始まった。


その頃、ワタルは既に病院を抜け、人ごみの中を歩いていた。

しばらく歩いていると、見覚えがある青年を見つける。

気付かれないよう、距離を取って後を追うと青年は道を外れて人が少ない道に移る。

さらに、奥に進んで右折する。すると、既に青年の姿は無かった。

だが、次の瞬間。ワタルは内ポケットに隠していた小型ナイフを取り出し、後ろを振り向く。

すると、驚いた表情をしたあの青年の姿が…

「「…………」」

二人とも、驚いた表情で時が止まったように見える。

「わ、ワタルさん。」

「は、羽。」

青年は、ワタルの名を呼び、ワタルは青年を羽と呼んだ。

名前を聞いて我に還ったのか、構えていたナイフをしまう。

「ワタルさんでしたか、誰かと思いましたよ…」

羽はそう言うが、ワタメは違った。

後を追っていたので、羽だと分かっていたが、まさか彼が油断していたとは言え、自分の後ろを取るとは思えなかった。

「俺の後ろを取るとは、腕を上げたか…」

嬉しそうな表情で話すと、指にはめていた絶影を抜こうとする仕草をする。

それを見た羽は、驚いた表情で慌てて構える。

だが、慌てて構えた羽だが、既にワタルの姿は無かった。

「ま、こうやって会えたのも何かあるのだろう!茶でも飲みに行こう!」

既にワタルは羽の背後に居り、肩に腕を掛けて羽を無理やり連れて行く。

「ぇ、えぇ!あのぉ…」

無理やり連れて行かれる自分と、この急展開が受け入れられないのか、羽は彼に身を任せるしかなかった。


─────時空管理局 本局──


「じゃあフェイトちゃん、アル君。またね〜」 「さようなら〜」

本局では、なのははヴィヴィオと手を繋ぎ、二人に別れを告げた。

「ああ、またな。」 「帰りに気をつけてね〜」

そう応えると、なのはとヴィヴィオは、店を後にした。

久しぶりの再開もこれで終わり。再び二人に戻ってしまった。

「どうしよう、か…」

フェイトが困った様子で伺う。

「んー…戻ろうか。」

そう言い、二人は本局に戻っていった。

本局に戻った二人だが、別に至って変わりない。

局員達が廊下を歩き、書類を持ち、上司に付いて行き、その場に長話しているのも見える。

「私、ちょっと調べ物を思い出したから、無限書庫に行って来るね。アル、これからどうするの?」

「そうだなぁ…んー。溜まっている書類を片付けるよ。」

嫌な事を思い出したかのような表情で、頭を掻きながら応えるアル。

「そう、じゃあまたね。」

「ああ。」

そして、お互いハイタッチをして分かれた。

お互い反対方向であった為、その場で別れた。

しばらく歩くと、突然左腕に激痛が奔る。

「ぐぉッ!?」

僅かながらのうめき声をあげ、左腕を右手で必死に抑えて痛みを和らげようとする。

「くふぅうぅぅ…」

激痛に耐えながら、必死に痛みを抑える。

しばらくすると、少しずつ痛みが消えていった。

そして、また少しすると痛みは完全に消える。

だが、息は荒く、胸の鼓動も速い。

「ど、どうして…」

検査では、異常は見られなかった。

なのに何故、このような激痛が現れたのか。

この時、アルにはさっぱり分からなかったが、運命の時は刻々と迫っていた…




次回予告

第三章「老王の鼓動」






あとがき

どうも、レキ・ジェハードです。
今回も、「魔法少女リリカルなのはStrikerS 外伝 Immortality Emperor」を読んで頂いて有難う御座います!
今回は、死神兄弟がメインでしたね。脇役なのに…w
第一章と繋げるとああなるので仕方ないのです。察してくださいw
それに、ワタルの弟子という設定の羽が登場しました。
羽は、元々自分のオリキャラではありません。
現在、連載投稿SS「羽の舞う軌跡」を執筆なさっている羽さんのオリキャラ。羽を使わせていただきました。
元々、共同でワタルと羽は師弟関係という事で両者で決めているので別に問題なし。
きっと、第三章もご出演して貰うのでしょうw(*・ω・)
しかし、今回はアルの出番は全然ありませんでしたね。(汗
ワタルとレキの話が長すぎたので、こうなってしまいました。
次はちゃんとしたいなと思います。(一応脇役なんだよなぁ…(;・ω・)

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