▼第六章 中編
「…ふぅ…ざっとこんなもんか…。」その男はそう言い鎌を肩に載せアメリアの側に寄る。
「ここで降伏するか首斬られて死ぬか、どっちが良い ? 」
と小声でアメリアに話しかける男。
「よくも…私のティティオを…。(ッ!ボス、なんですか ? )」
突然念話が入る。
「………。」
返事を待つ男。
「…はぁ…はぁ…。(はい、分かりました。撤退します。)」
するとアメリアは右指を鳴らすとまた濃霧を発生させる。
「んッ!霧 ? 」
そしてすぐ晴れるとアメリアの姿はなかった。
「ちッ!逃がしたか…。」
そう言うとなのはの方を振り向く。なのははユーノとヴィータを見てどうすれば良いのか困っていた。
「お嬢ちゃん、大丈夫かい ? 」
膝を床につけ話しかける男。
「ッ!…あの助けてください。ヴィータちゃんとユーノ君が。」
かなり興奮しているのか声が震えているなのは。
「落ち着きな、大丈夫だ。この男の子は少し休めさせれば立てるはずだ。だがこの子は…。」
男はヴィータの方を見つめ…。
「正直危ないな…早く治療してやんないと…。」
すると突然ユーノが立ち上がり。
「なのは…ヴィータは僕がアースラに連れて行くから…なのはは先に行って。」
「ユーノ君!そんな体じゃあまともに歩けないよ!」
必死に止めようとするなのは。
「ユーノ君だっけ ? 」
男がユーノに話しかける。
「は、はい。」
「行けるな ? 」
鋭い眼でユーノを見つめる男。そしてユーノは。
「はい!」
強く頷きヴィータを抱えてゆっくりアースラに戻って行った。
ユーノはアメリアで負傷したヴィータを抱えアースラに戻っていった。
「ユーノ君、ヴィータちゃん。」
心配そうに呟くなのは。
「大丈夫だよ、お嬢ちゃん。あの子なら大丈夫さ。」
と出口を見つめる男。
「ぁ、そういえばさっきは有難う御座いました。」
ペコリと頭を下げるなのは。
「別に良いって事よ!俺の名前はレキ、レキ・ジェハードだ。時空管理局地上本部のゼスト隊のレキだ。」
その男はなのはにレキと名乗った。
「私、高町なのはです。」
そしてなのはも自己紹介する。
「なのはちゃんか宜しくな。…ぁ、そういえばなのはちゃん、ここの構造分かってる ? 」
「いえ、あまり…。」
とポケっとしたような顔でレキを見るなのは。
「ここは一回形を変えている、構造なにもかも。だけど俺の仲間に天才が居てね、構造をある程度解析に成功した。だからシャドーがどこに居るかも大体分かる。だから付いてきな。」
「ぁ、はい。」
そう言いなのははレキとペアを組んで先を急いだ。
そしてアル達は…