▼第七章 前編 

第七章「もう一人の死神現る!我らは「沈黙の死神」!!」


「彼は一つの希望でした。ボロボロになった私達を助けてくれたのは大きな鎌を持った人…。私達は辿りつくのでしょうか、アルさんの悪の分身に…。魔法少女リリカルなのはA's外伝始まります。」




「……………。」

アル達は既に死んだはずの古き戦友ケロベロスと対峙していた。

「……………。」

4人とも沈黙になり緊迫した空気が流れる。

「……ふッ!」

ケロベロスが先に仕掛けてきた。片手に鋭いコンバットナイフと思われるナイフを持ちアルに一直線に急接近!!

「来るかぁ!」

エクスキューショナーを持ち受けのモーションに入ると。

「アル!何突っ立ってるの ? どいてぇ!!」

するとヘレンがケロベロスと同じナイフを持ちケロベロスと刃を交える!

「ハハハハハ、娘が親に剣を向けるとは…。アルにどんな教育をされたんだぁ ? 」

ニヤニヤしながらナイフを押し合うと。

「はあぁぁぁぁぁぁ、ハーケンセイバアァァァァ!!」

フェイトが側面からバルディッシュを大きく振りかぶり黄色の刃が飛び出しケロベロスに迫る!

「ッ!」

ケロベロスは素早く反応しバックステップしヘレンから離れフェイトの攻撃を回避する。

「逃がすかよ!」

ヘレンは宙に浮いていた無数の小型ナイフを一斉に放つ!

「ちぃ……ッ!」

横に全速力で走りヘレンの小型ナイフを避けようとするが途中当たりそうになりナイフで小型ナイフを弾いてなんとか防御する。

「ッ!……ちッ……。(俺は何を考えているんだ、今は集中しろ!奴を…殺せ。)」

アルは複雑な気持ちを無理やり封じ込めエクスキューショナーを握り直しケロベロスに斬りかかる!

「ふぅん、甘いぞアル!」

横に走っていたケロベロスは急に立ち止まりヘレン同様小型ナイフを使い目の前に集結させナイフの壁を造りアルからの斬撃を防ぐ。

「ちッ!またそのナイフかあぁぁぁぁぁ!!」

斬撃を防がれるが離れる事無くそのままエクスキューショナーを強く押し付ける。

「クッ!予想以上にやるな…アル!(笑)」

笑いながら防御を続けるケロベロス。

「………。(フェイト仕掛けろ!ヘレンはあいつが避けた後追跡しろ!)」

攻め続けるアルが念話を送る。

「(うん、分かった!)…そこぉ!」

フェイトがケロベロスの上から砲撃を放つ。

「んッ!? …ちぃ!3対1なんてやっぱうぜぇよ!!」

フェイトからの砲撃を避ける為また横に移動する、しかしそれを分かっていたかの様にヘレンが立ちはだかる。

「なッ!」

逃げるコースを防がれて驚くケロベロス。

「でえぇぇぇぇぇい!!」

するとナイフに小型ナイフが纏わり付き西洋型のブレードになり、なぎ払う様に斬りかかる!

「ちぃッ!はあぁぁぁぁぁぁぁ!」

ヘレン同様小型ナイフをナイフに集結させ同じブレードにし、剣を交える。

「……ぅぅ……。」

押されるヘレン。

「娘を斬るのは気が重いが…仕方が無い!!」

「…ぅ、あぁぁ……。」

小型ナイフを集結させ造ったブレードが砕けそうになる。

「ヘレン!老王、ケルベレン!!」

アルは老王の腕をビースト化からケルベレンに変えケロベロスに殴りかかる。

「来るか、アルウゥゥゥゥゥ!!」

ヘレンからバックステップで距離を取りブレードをナイフに戻し腰に納刀し小型ナイフを今度は拳に纏わり付け言葉通り「鉄拳」になり拳をぶつけ合う。

「ぐう!おりゃぁぁぁぁぁ!!」

アルは「鉄拳」の鉄の部分を粉砕しその後顔面を右足を回し蹴りで吹き飛ばす。

「ぐふぅ!…のわぉぉぉぁぁぁぁ!!」

「まだまだぁぁぁ!」

腰に納刀していたエクスキューショナーで吹き飛んで怯んでいるケロベロスに斬りかかるアル。しかし!!


ドドドトドドドド、バァァァァン!!


突然天井の一部が崩れ落ちる。

「な、なんだぁ!? 」

突然の出来事に驚き動きを止めるアル。

「ヘヘヘ、やっときやがったか…遅ぇーんだよ全く…。」

崩れた瓦礫の中から一人の男が現れる。

「ほほぉーう貴様が現魔王、アル=ヴァン・ガノンか…。」

「アル、誰こいつ ? 」

二人が駆け寄る。

「いや、知らない…。どうして俺の名を知っている ? まぁ〜大体検討はついてるぜ。老王と同じ肌色、そしてその体格…。」

すると男は口を三日月のように笑い。

「ふぅん、まぁ〜貴様が生まれる前に死んだ俺だからな…俺は第三代魔王、テイク・クライアント。」

「第三代…クライアント一族の一人…だが何故死んだはずのあんたが生きているんだ ? 」

「そうだぁ!死んでいる人を生き返らせる事なんて不可能なのに!」

するとテイク・クライアントは腕を組みながら話し始めた。

「ふふぅん、まぁ〜良いだろう教えてやる。俺は戦乱の中息絶えた。そしてこの日まで私は墓地で眠り続けていた。しかし奴だ貴様の影が現れた事によって私の運命は大きく振れ動いた。」

「シャドーが ? 」

「奴はここゲヘナに封印してあるロストロギア「バレン」を封印から再び解放したのだ!」

「ロストロギア「バレン」……ッ!まさかあれを!」

アルの驚きの声に大きく頷き離すテイク・クライアント。

「そう、創造の原子「バレン」。あらゆる物を作り出す事が出来るロストロギア。そう命さえも…。」

その話にフェイトが驚く。

「命が…造れる…。」

「おい、大丈夫かフェイト ? 」

テイク・クライアントの言葉を聞いて放心状態になってしまうフェイト。

「貴様の影はそれを使い私の命を造りだし蘇生させた。そしてあの男も…。」

「あの男 ? 」

アルが首を傾げる。

「第六代魔王…マイン・クライアント…。奴は再び私同様ロストロギア「バレン」によって蘇生した。」

「なッ!ば、馬鹿なぁ!奴が生き返ってた…だと!? 」

テイク・クライアントの言葉に驚きを隠せない。
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