▼第八章 前編
第八章「滅と凍」
「それぞれ戦い続ける俺達、次々と現れる仲間達。しかし奴らにはとっておきの隠し玉を持っていた。今その隠し玉が俺達に襲い掛かる…。魔法少女リリカルなのはA's外伝始まります。」
地下水道電波塔
「これだな…。」
ワタルが巨大な電波塔の前に到着する。
「これを破壊すればリバルさんが言っていた洗脳された騎士達が元に戻るんだっけ ? 」
すると電波塔をぐるっとゆっくり一周して周辺を見渡すと。
「まぁー特に仕掛けとかなさそうだから…やっちゃいますか!」
肩に乗せてあった大鎌を持ち電波塔に向って…。
「影…いッ…ん、なんだ… ? 」
「影一閃」を仕掛けようとした時、突然あたりが濃い霧に包まれる。
「動かない方が良いわよ、動くと私のティティオがあなたのあたまを撃ち抜いちゃうわよ ? 」
気高い声が辺りに響く。
「……天候操作魔法…地下でも出来るのか…。」
「オーホッホッホッホッ!私の魔法であなたは動けない…この電波塔を壊されちゃ困るのよ!さぁ武器を床に置きなさい!」
「…ちッ…仕方ない…。」
ワタルは仕方なくゆっくりと大鎌を床に落とす。
「ふふふふお馬鹿さん。」
するとワタルがバインドを掛けられる。
「…戦術や心理を考えれば妥当な戦術だな。」
すると濃い霧がふっと晴れる。
「アメリア・フール…。」
「私の名前を知ってくれているとは嬉しいですわ、ワタル…。」
レキに破壊されたばすのティティオは既に無く、色違いのティティオを持っていた。
「赤い傘 ? 情報によれば水色の傘を持っていると聞いたが…。」
バインドに縛られていながらも淡々と話し続けるワタル。
「それはあなたの弟さんが壊してくれたのよぉ!!本当だったら今すぐあなたを殺したいぐらいだわ…。」
「そうか…レキがやったのか…。」
「まぁ、ボスの作戦が開始されればあなたを殺しても良いと許可が下りるはずだからその時は優しく殺してあげる。」
「そりゃ、どうも…。」
苦笑いするワタル。
一方ゲヘナ上空では…。
「エクスキューションシフトォ!!」
鳥類の魔物クロウアンと長い戦いを繰り広げていた。
「ふん、甘いぞ小僧!いつまでそんな魔法をしているつもりだ ? 」
「やはり魔法だとあまり効果がない…氷結させるしか…。」
動きを止めクロウアンを見つめながら考えると。
「行け!我の子らよ!!」
すると口から無数のクロウアンの子供が出てきた。
「なッ…あれが子供か…だが…多すぎるだろ!」
あまりにも子供の数に少し唖然とするクロノ。
「子らよ、奴を骨残らず食い尽くせ!!」
「ク、うぅ…。」
すると一瞬でクロノの周りがクロウアンの子供達に包まれる。
「クロノ君!艦長!」
アースラブリッジで叫ぶエイミィ。
「こっから砲撃を撃てばクロノも巻き込んでしまうわ…。」
「では、どうすれば…。」
アースラ艦内が絶望に包まれた。しかし。
「そこの若いの!防御魔法を張っとけ!!」
地上から人間の声とは思えないほど馬鹿デカい声が響く。
「……ク!…。」
クロノはなんとか防御魔法で貼る。
「クロスレイス、3ndフォーム。」
「了解。」
「行くぜぇ…グラビティィィ…バスタァァァァァ!!」
すると地上から紫色の砲撃がクロノに向って放たれる。
「う、うぅぅぬわあぁぁぁぁ!!」
さすがにクロノも重力砲撃には耐えられず地上に落下する。しかしクロノ周辺にしたクロウアンの子供のほとんどが重力で落下。
「ぁ、やべぇやべぇ…。」
砲撃を撃った女性は急いで地上に落下しそうなクロノを上空でキャッチする。
「ふぅ…ごめん、でもあのまま食われるよりかましだろ ? 」
クロノをお姫様だっこで持ちながら地上に降りる。
「しかし…もう少しなんとかならなかったのかカレン ? 」
「すまないな、頭悪いから…。」
と苦笑いするカレン。
そして上空では…