▼第九章 前編
第九章「騎士隊長現る!」
「再び合流し会えた俺達、喜び合う仲間達。しかし俺にはまだ数多く引っかかるものがあった…。それはノワール達、そしてロストロギア「バレン」。この先どうなるのだろうか。魔法少女リリカルなのはA's 始まります。」
ドオオォォォォン!!
合流して喜んでいたアル達だが、突然近くの壁を壊されひとつも面影が近寄ってきた。
「だ、誰なんだ…。」
アルがそう呟くと皆は、息を切らせて見つめていた。
「………すまない、遅くなった。」
なんとシグナムであった!一度アルフを搬送する為にアースラに戻ったシグナム、しかしようやく此処で合流が果たせた。
「「シグナム!」」 「「シグナムさん!」」 「シグナムじゃねーか!」
皆は駆け足でシグナムを囲うように走ってくる。
「アル、無事で何よりだ。また会えて嬉しいぞ。」
「あぁ俺もお前と再び会えて嬉しいよ。」
そして握手しあう二人。
「シグナム、アルフは… ? 」
フェイトが心配そうな顔で聞くと。
「テスタロッサ…大丈夫だ命に別状はないそうだ、安心しろ。」
「はぁー良かった…。」
ほっと胸を撫で下ろすフェイト。
「良かったねアルフさん無事そうで!」
「うん!」
なのはがアルフの無事を祝うと、フェイトは嬉しそうに微笑んだ。
「シグナム、ちょっと良いか ? 」
突然アルがシグナムを連れ隅っこの所まで連れだす。
「なんだアル、急に。」
「あまり聞くとはやめようと思っていたが、お前第三代魔王テイク・クライアントの事知ってるか ? 」
シグナムはテイク・クライアントという名を聞いて目を丸くした。
「奴はよく知っている…。」
「どんな奴だったんだ ? 」
アルは俯くシグナムを下から覗き込むように見る。
「我らベルカの騎士を倒した唯一の人物…。」
「なにぃ!?ば、馬鹿なシグナム達を倒しただと ? 」
「だが何故今奴の事を聞く、まさか…。」
するとアルも俯いてしまい。
「あぁ、テイク・クライアントが生き返った。ロストロギア「バレン」の力によってな、奴はベルカの騎士を探していた。どうするんだ ? 」
「…言うまでもない、斬る。」
シグナムは俯いていた顔をゆっくり上げ、強い表情でそう答えた。
「そうか、分かった。すまないな、急にこんな話しちゃって。」
「気にするな。」
そう言うとシグナムは、アルの肩をポンと叩きなのは達も所へ戻った。
「シグナム、何かあったんですか ? 」
フェイトがちょっと不安そうな顔で聞く。
「大丈夫だ、気にするな。」
ニコっと微笑み返事するシグナム。
すると、突然巨大な扉の前に大きな通信モニターが映し出された。
「な、何だ ? 」 「ん、何んだありゃあ ? 」 「ん…。」
「やぁ皆さん、初めましてと言った方が良いのかな ? 」
モニターに映っていたのは、ソファーで足を組みながら座るシャドーであった。
「ジャドオォォォォォォ!!」
「やぁアル、そんなに怒鳴らないでくれよ。」
シャドーは呆れ顔で両腕を振る。
「君達は城に勝手に入ってきて、よくも僕の大切な部下達を殺ってくれたね。でもこれからは、僕の指示に従ってもらうよ ? 」
「なにぃ ? それはどいういう事だ!」
「まぁまぁ、そう焦らずに。」
相変わらず呆れ顔で返事をするシャドー。
「アル、落ち着け。」
シグナムが後ろから声を掛ける。
「シグナム、すまないつい…。」
アルはシグナムの声によって我に還る。
「じゃあ、次から言う僕の言う通りに従ってもらうよ。」
「「…………。」」
皆はシャドーの言葉に固唾を呑んだ。
「僕の居る場所は、もちろん王の間。しかもその王の間は、この扉の先の先だ。」
「「なんだって!」」 「…………。(何故自分の居場所を教える ? しかしこの扉の向こう、一体何があるというんだ…。)」
仰天する仲間達、しかしアルは至って冷静だった。
「だけどこの扉を通れるのは3人のみ、それ以外は僕の生き残りの部下が相手してあげよう。」
するとシャドーは、右手の指を鳴らす。
「なッ!な、何が起きるんだ ? 」
アル、ヘレン、リバル以外の仲間達の床に魔法陣が一つずつ現れる。
「この先、僕の部下が君達を可愛がってくれるだろう。じゃあね〜♪」
そしてなのは達は転移魔法により転移されてしまった。