▼第九章 中編
なのは達は転移魔法により転移されてしまった。
「ぉ、おい!なのは、フェイト!皆!!」
「転移魔法ですね…。」
リバルは冷静みたいな表情に見えるが、目つきは険しかった。
「さぁ、この扉を開けたまえ!きっと良い事があるだろう、じゃあね♪」
シャドーは手を振りながらそう言うと通信モニターが消滅した。
「アルさん、行きましょう!」 「王の間までもう少しだ!一気に行っちゃおう!」
そして、3人は巨大な扉をゆっくりと開ける。
「「「…………」」」
扉を開けると、隙間から強い風が通り過ぎる。
「…………」 「…………」 「あいつが言っていた、良い事って何だろう ? 」
アルとリバルは、黙々と辺りを見渡しながら歩くがヘレンは、シャドーが言っていた言葉が気になるようだ。
「……なるほど、やっと分かったよ。シャドーが言っていた事が。」
「 ? 」 「ふぇ ? 」
アルがそう言うが、2人には何の事か全然分からなかった。
「隊長さん達のご登場だ…。」
「な、なんですって!」 「うほ!皆どこー!!」
アルはそう言うが、その目付きは殺意が宿っていた。しかし副隊長達は、隊長達に会えるという喜びに満ちていた。
「お待ちしておりました、アル殿。」
遠くからノワールが現れた。
「よう、アル。元気そうじゃねーか。」 「どうも、アルさん。」
ノワールに続いてレイブン、ノインが現れる。
「……一々挨拶なんか要らん、さっさと武器も持て。」 「隊長!!」 「ノインさーん!」
「「ッふぇ ? 」」
アルの言葉にさすがに2人は仰天した。
「そうですか、既に我らは必要ないと…。」 「まさか、お前からそんな言葉が出てくるとは、残念だ。」 「…………。」
すると隊長達は、それぞれの武器を出すが…武器の形が違う。色は黒く染まり、異様な形に変貌していた。
「アルさん、これは一体!」 「そうだよ、何でこうなるの!? 」
「お前らの頭は飾りか ? 少しは考えてみろ、この事件が起きて既にそれなりの時間は過ぎている。しかしこいつらは一度も俺らに通信、ましてや念話すら送ってこなかった。こういう非常事態で連絡してこない、という事は…大体分かるな ? 」
アルはある程度、ゲヘナ城の奥に進む度に分かっていた。もしかしたら、洗脳されているのではないかと…。
「そんな、洗脳されてるなんて…。」 「ぅ、嘘でしょ!? 」
余りにも突然過ぎて呆然する2人。
「洗脳 ? 私達は、あの方が魔界と聖界を一つに戻してくれるのです。それは私達、全人類にとって良い事なのです!」
「魔界と聖界を一つに ? 一体何をする気なんだ、奴は!」
「それは、この先に居るあの方に聞くんですね!!」
するとノワールは異様な姿に変貌したカルドボルグを持ちアルに斬りかかる!
「ッち!いい加減眼を覚ませ!こんな事をしてなんになる!」
「アルさん!」 「アル!」
アルを助けようとリバルとヘレンは、武器を持ち助けに行こうとするが。
「させるかよおぉぉぉぉ!」 「やらせません…。」
すると前方からグラウンド・ガインを持ったレイブン。そして、タイタンを腕に巻いたノインが二人を襲う!
「レ、レイブンさん…。」 「し、師匠…。」
異様な形に変貌した隊長達の武器は、前の武器より遥かに高い攻撃力を持っていた。リバル達は、ただ防御が精一杯だった。
「…ッち!老王、ケルベレン!」
アルは老王をケルベレンにし、魔力を底上げする。
「これで…どうだ!」
ノワールのカルドボルグを押し返す。
「……ふ、行け!かまいたち!!」
するとノワールはカルドボルグを横になぎ払うと7、8発のかまいたちが放たれる!
「……ッち!」
アルは一旦後ろに下がり、かまいたちを誘導し壁走りでまず数発のかまいたちを壁に衝突させ消滅。その後、壁走りして追って来ているかまいたちの後ろを短距離転移で後ろに移動し、目標を失ったかまいたちは暴走し、壁や仲間と衝突し消滅する。
アルは一旦後ろに下がり、かまいたちを誘導し壁走りでまず数発のかまいたちを壁に衝突させ消滅。その後、壁走りして追って来ているかまいたちの後ろを短距離転移で後ろに移動し、目標を失ったかまいたちは暴走し、壁や仲間と衝突し消滅する。
「……やりますね、アル殿。」
「こんな所で倒れる訳には行かねぇーからな。」
そして再びお互い武器を持ち構える。これから、悲しき仲間との果てない戦いが始まろうとしていた…。
一方転移された仲間達は…。
「……ッ!こ、ここは…。」
レキは転移されて瞼を開けると周りには…。
「な、なんだよ…。」
周りには無数の一般騎士の姿が。もちろん仲間は居ない、レキ一人である。
「撃ち方用意!」
すると一般騎士達が右腕をレキに向けて掲げる。すると、無数のアクセルシューターが出現する。