▼第十一章 後編
「バスタアァァァァァァ!!」
ほとんど零距離と変わらない所で砲撃がケロベロスに直撃した。桜色の砲撃は、ケロベロスを包むかのようにケロベロスを吹き飛ばした。そして、ケロベロスは力尽きその場から動かなくなった。
「はぁ…はぁ…はぁ……ぅぅ…。」
「……ッ、なのは!? 」
なのはは、砲撃で魔力の残量をほとんど使い果たしてしまいその場に倒れ込んでしまった。フェイトは慌ててなのはを抱きかかえる。
「なのはぁ!なのはぁ!」
「……………。」
フェイトがなのはの名を叫ぶが返事がない。
「なのは……。(私はこれからどうすれば…。)」
フェイトもレキ同様、これからどうすれば良いのか途方に暮れていた。
そしてアルは…
「…………。」
隊長陣を倒し、倒れ込んでいる3人の前に立つアル、リバル、ヘレン。
「有難う御座います、アル殿。」
「これで私達はようやく眠りに付く事ができます。」
「この先には、奴が居る。さっさと行ってぶっ倒してこい……。」
「……あぁ、分かってる。お前達、今まで有難う。」
涙ぐみながら礼を言うアル。
「隊長……。」 「師匠……。」
「リバル…あなたは私を越えました。だから自信を持ちなさい、あなたの力でお二人を守るのです。」
「はい、師匠。」
リバルは険しい表情で大きく頷いた。
「ヘレン…おめぇは、アルに迷惑を掛けないようにちゃんとおめぇがやる事をしっかりやれ。」
「レイブンさん…私、嫌だよ!レイブンさんが居なくなるの!!」
「馬鹿言うんじゃねーよ…お前は立派な騎士だ。俺達なんか居なくても十分戦えるはずだ。」
「そんな事じゃないくて…」
ヘレンは、悲しさを抑えきれずこの場に泣き崩れてしまう。
「ったく、泣くんじゃねーよ。おめぇには笑顔が似合うっていうのに…。」
「レイブン、ノイン、ノワール。お前達の志は俺達が受け継ぐ。だから安心して眠ってくれ。」
「「「ゲヘナの……栄光を…」」」
そして3人の身体はゆっくりと消えていった。そして3つの宝玉が残った。
「……これは ? 」
「リンカーコア ? 一体何なんでしょう…。」
アルはその3つの宝玉を懐にしまう。
「ヘレン、立てよ。俺達にはまだやる事が残ってる。」
「……ぅ、うん。」
肩を叩かれ、ゆっくりと立ち上がるヘレン。
「行こう二人とも。奴の所へ。」
「おう!」 「えぇ。」
そして3人は、シャドーが居ると思われる王の間へ急いだ。
王の間
「んー泣ける話だね♪だけど、これも全てシナリオ通り。さぁ、後はお前だけだ…アル。」
次回、魔王と影との最後の戦いが始まる…。
次回予告
「闇を打ち破ったアル達。しかし、レキやフェイトはそれぞれ孤立してしまいどうなってしまうのか ? 一方クロノと同行しているカレンはシャドーが居る王の間へ急ぐ!そしてついに魔王と影との最終決戦が始まる!!次回魔法少女リリカルなのはA's外伝 全ては魔界の為に…。 哀れな魔族に聖なる鉄槌を!!」