▼第十二章 後編
シャドーの話を聞いてアルは表情を変える。
「それは、ただの…願望だ。」
「なにぃ!? 」
「世界がどうだろうと関係ないだろ、てめぇらが今までやってきた事は、死んで生き返っても決して許される事はない!魔界が聖界がどうだかほざいているが、それは管理局の連中がやる事だ。てめぇらの願望なんて誰も聞いちゃくれやしねーよ!それを力で無理やり成し遂げようと言うのなら、それはただの暴走だ。そんな奴は二度とこの世に生き返ってはならない。存在してはいけない!!」
アルはそう言い、エクスキューショナーを取り出す。
「世界をひとつに…ですか、笑えますね。いくらここが魔界だからとは言え、他の世界も変わりないはずです。あなた達が言っている事はただの嘘です!!何か成し遂げようとというのは分かります。しかしそれは、ただの野望では ? 」
リバルはそう言い構える。
「まぁ私はあんたらの事が嫌いだから邪魔をするだけさ〜。」
軽々しく言うヘレンだがその表情は、今までより最も険しい。
「……やはり、馬鹿どもに言っても意味がないか…バンプ。」
「うむ。」
するとバンプ・クライアントがシャドーの元に近寄り…。
「何をする気だ ? 」
アルが不思議そうに伺う。
「貴様らがここまで馬鹿とは思わなかったよ。邪魔者は…」 「排除するのみ…だ。」
そして、突然バンプ・クライアントが輝きだす。そして、みるみると身体が光となる。
「……ふっ、ユニゾン!!」 「……イン!!」
「えぇ!? 」 「ユニゾン・インですって!? 」 「馬鹿な…。」
ユニゾン・インによってシャドーの身体は、全身ゴツゴツとし背中から無数の触手が飛び出して蠢いていおり、肩はガッシリした肩幅になり方からはアームのようなメタルなアームが生えている。
「これが、最凶と呼ばれた影と最狂と呼ばれた影との完全体だ!!」
「な、なんなのこれ…。」 「完全…体 ? 」
シャドーの完全体の姿にヘレンとリバルは恐怖した。
「ふたり共しっかりしろ!!大丈夫だ、相手は一人なんとかなる!」
アルはそう言い二人をなんとか励まし構えなおす。
「おや、これは随分な豪華な客だ。」
シャドーが呟くと床が紫色に輝く!
「な、何だ!? 」
すると床から一人の男が出現する。
「お前は…。」
「何者なの ? 」 「だけど、なんで老王と同じ肌をしているの ? ……まさか!? 」
すると、その男はニヤっとニヤつき。
「俺の名は、第三代魔王テイク・クライアント。これで役人は揃ったかな ? 」
「ちッ、よりによってもう一人の魔王か…ヘレン、リバル、奴は任せる。俺は、シャドーと決着を付ける!」
「アルさん!しかし…。」 「アル…。」
二人の声にアルは何も答えない。
「……ヘレン、やるわよ!」
「リバル…ぅん…。」
ヘレンは軽く頷き、大剣を構える。
「ふっ、最恐の影も来るとは予想外ですが都合が良いです。」
「ふっ……。」
「クッ……。」 「…………。」 「……ぅぅ……。」
そして、ついに影との最終決戦の幕が上った!!
次回予告
「ついに始まった影との最後の闘い!俺達は、影を打ち破る事が出来るか!? そしてアースラに戻った守護騎士達やなのは…。そして、ついてに夜天の主が姿を現す!そして、カレンとクロノはアル達の応援に間に合うのか!? 次回魔法少女リリカルなのはA's外伝 影と王 哀れな魔族に聖なる鉄槌を!!」