▼第二章 後編
「どうぞ!」すると、一人の男性が頭を少し下げ入室する。
「失礼します。ぁッ!高町一等空尉、テスタロッサ・ハラオウン執務官。それに、アル=ヴァン二等空尉!ご無沙汰してます!」
男性は部屋の中に居る、なのはとフェイト、アルに少し驚く。
「ん ? 」 「ううん ? 」 「もしかして、グリフィスか ? 」
なのはとフェイトは余り覚えが無いような顔をして、男性の顔を覗く。それに対してアルは、少し自分を疑いながらも男性に名前の確認をする。
「はい、グリフィス・ローランです!」
「うわぁ、久しぶり!て言うか凄い!凄い成長してるぅ!」
「うん、前見たときはこんなちっちゃかったのに…」
フェイトが右手で、昔のグリフィスの背を思い浮かばせるような仕草をとる。
「確かに大きくなったなぁ…」
グリフィスの背はなのはやフェイト、アルの身長も越えている。
「そ、その説は色々お世話になりました。」
申し訳なさそうに言うグリフィス。
「お前も此処の部隊員なのか ? 」
「はい!」 「私の副官で、後退部隊の責任者や。」
「運営関係も色々手伝ってくれてるです!」
アルが質問すると、威勢良く答え、はやてとリィンが詳しく説明してくれた。
「お母さん、レティ提督は元気 ? 」
フェイトがレティの容態について聞く。
「はい、お蔭様で!ぁ、報告しても宜しいでしょうか ? 」
すると、我に返り本題に入ろうとする。
「うん、どうぞ。」
「フォワード四名を始め、機動六課部隊員とスタッフ、全員揃いました。今はロビーに集合、待機させています。」
「そうか、結構早かったな。ほんなら、なのはちゃん、フェイトちゃん、アル君、まずは部隊の皆にご挨拶や♪」
「「うん!」」 「おう!」
そして、その後ははやてが機動六課の隊員、スタッフ全員に挨拶を終えて解散した後、フォワード陣はなのはと。フェイトはシグナムとで別行動。皆、忙しくなりそうである。副隊長のリバルははやての護衛役として、常に行動を共にすることに。そして、アルとヘレンは…
「長い挨拶だったね…」
ヘレンが疲れた表情で、肩を落としながらアルと廊下を歩く。
「ん、あれの何処が長いんだ。」
ヘレンの奇想天外な発言に、少し言葉が荒くなるアル。
「確かにはやてちゃんのは速かったけど、待ってる私達の事も考えて欲しいなぁ。」
焼けに意地になってアルに抗議するヘレン。
「んな事俺に言うなよ、もう終わったことだし…」
「それはそうだけど…」
アルにそう言われると、口を尖がらせアルより前を歩く。
そして、外に出てなのはの訓練場を上から見下ろす。
「そろそろ、始まるみたいだね。」
「だな、それに…あそこ、シグナムとヴィータが居るな。」
そう言い、ヘレンがアルが指を指す方向を見ると、険しい表情でなのは達の方を見つめるシグナムとヴィータの姿が。
「本当だね…」
「お前はどう見る。フォワード陣を…」
すると、ヘレンの表情が急にシグナムとヴィータ同様、険しくなる。
「さぁね、実際腕も知らないし…けどなのはちゃんとアルが育てるフォワード陣。きっと良く育つと思うよ。」
「なら良いがな…」
アルも少し渋い表情で見つめる。
「で、アルはいつごろから訓練に参加するの ? 」
鉄の掴みに掴みながら振り向くヘレン。
「まぁ少しはなのは任せ。フォワード陣が慣れてきたらだな。ふふ、楽しみだ♪」
そう言い、アルは機動六課の中へ戻っていった…
次回予告
フェイト「出動に備えて、訓練の日々を続けるフォワードメンバー。」
なのは「出会うのは共に闘うパートナー、それぞれの専用デバイス!」
フェイト「それに、ついにデハイス化したエクスキューショナー。」
なのは「次回、魔法少女リリカルなのはStrikerS 第三章」
フェイト「ファースト・アラート」
「「Take,Off.」」