▼第五章 前編
「魔法少女リリカルなのはStrikerS アル=ヴァン編」
第五章「ホテル・アグスタ 前編」
今日、機動六課はヴァイス陸曹が操作する、ヘリに乗っていた。
乗っているのは、なのは、フェイト、はやて、アル、シャマル、リィン、そしてフォワード陣。
「ほんなら改めて、ここまでの流れと今日の任務のおさらいや。これまで謎やったガジェットドローンの製作者、およびレリックの収集者は現状ではこの男。」
はやてがそう話すと、ヘリ内部にてモニターが映される。
そのモニターに一人の男の姿が。フォワード陣、隊長達もそれを見つめる。
「違法研究で、広域指名手配されてる次元犯罪者。ジェイル・スカリエッティの線を中心に捜査を進める。」
「こっちの方は、主に私が進めるんだけど、皆も一応覚えといてね。」
「「「はい!」」」
はやてとフェイトの説明があり、一応この話は終わり、そして今日の任務についての説明に映る。
「で、今日の任務についてだ。リィン、頼む。」
アルがリィンに頼むと、リィンはモニター付近に移動しモニターを変える。
「はいです!で、今日これから向う先は此処、ホテル・アグスタ。」
「骨董美術品オークションの会場警備と人員警護。それが今日のお仕事ね。」
「取引許可が出ているロストロギアがいくつも出品されるので、その反応をレリックと誤認したガジェットが出てきちゃう可能性が高い。との事で、私達が警備に呼ばれたです。」
取引許可が出ているとは言え、ロストロギアというのには変わりない。
レリックと誤認したガジェットによって、オークション参加者達を負傷や、中止などさせない為にも、今日機動六課が呼ばれたのである。
「この手の大型オークションだと、密輸取引の隠れ身にもなったりするし、色々油断は禁物だよ。」
そして、モニターがさらに変わり、会場内を警備している副隊長が映し出される。
「現場には昨日から、シグナム副隊長、ヴィータ副隊長、ヘレン副隊長、リバル副隊長他、数名の隊員がやってくれてる。」
すると、キャロがシャマルが座っている席の近くに置いてある、箱らしき物が4つ重なっているのを見つける。
「そして、売買許可が出ているロストロギアは、ゲヘナに回収する為にも俺が全て買収させて貰う。」
すると、アルは小さなモニターを展開させる。
そして、現在ゲヘナでの最高責任者のヒカリが映し出される。
「現最高責任者、ヒカリからの頼みでな。はやてに連絡があったらしい。」
「そうや、元々ロストロギアの多くがゲヘナに保管されていた物やからな。再回収の為にも連絡があったんよ。」
アルの役割の説明も終わり、モニターを閉じて前から展開されているモニターに眼を向ける。
「そして、私達隊長陣は建物の中の警備に回るから、前線は副隊長達の指示に従ってね。」
「「「はい!」」」
すると、突然キャロが手を上げてシャマルを見つめながら…
「あの…シャマル先生。さっきから気になってたんですけど、その箱って…」
先ほどキャロが見つけた、4つ程重なっている箱についてシャマルに尋ねる。
「ん ? あぁ、これ ? うふ、隊長達のお仕事着♪」
と、何やらニコやかな表情で応えたシャマル。
お仕事着とは、一体…
そして、ヘリはホテル・アグスタへと迫っていた。
ホテル・アグスタ
ロストロギアが出展される事もあり、大勢の客が着ていた。
どれもスーツ姿の男性や、ドレス姿が目立つ。
そして、受付にて隊長達が受付を受けに来た。
はやてが、身分証を受付に見せる。
「あぁッ!? 」
受付の男は、はやての身分証を見て驚いた表情で見上げる。
すると、ドレス姿のはやてとなのは、フェイト。そして、黒のスーツ姿のアルが居た。
「こんにちわ、機動六課です。」
四人は受付を終え、ロビーにて建物内の警備の為、分かれる事になった。
はやてとなのは、フェイトとアルという風に分かれた。
「会場内の警備はさすがに厳重っと。」
はやてとなのはが、ホールの二階から見下ろしながら呟く。
「一般的なトラブルには、十分に対処出来ると思うね。」
「外は六課の子達が固めているし、入り口には防災用の非常シャッターもある。ガジェットが此処まで入ってくるというのは無さそうやしなぁ…」
入り口に非常シャッター。フォワード陣がやられる事は何かよっぽとの事が無い限り、ありえない。非常シャッターがあったとしても、破壊されるのは時間。その為に、副隊長が待機している。
「うん、油断は出来ないけど少し安心。」
ほっと胸を撫で下ろすなのは。しかし、その表情はまだ真剣そのものだ。
「ま、どっちにしても私達の出番は、ほんまの非常事態だけや。」
そして、フェイトとアルは…
「それににしても、アルはロストロギアを全て買収するんでしょ ? お金。大丈夫なの ? 」
建物内の警備の為、歩き回っているフェイトとアルだが、フェイトはアルがロストロギアの買収について不安を抱いているようだ。
「俺だけの資金で買収出来る訳じゃない。もちろん、ゲヘナの軍資金を使い果たしてもでも買収しろだとさ…」
全ては、ゲヘナからの資金で買収するようだ。
「あっちも大変なんだね…」
少々引きずった表情で、呆れるフェイト。
「まぁな、今の俺には関係ないがな…」
とフェイト同様、呆れている。そして、フェイトとアルが二手に分かれる道に着く。それにしても、さすが大型オークション。かなり混んでいる、不審者が見つけるのは難しいと思われる。
「じゃあ、俺はこっちの方を。」
「うん、じゃあ気をつけてね。」
「あぁ。」
そう言い、フェイトとアルは二手に分かれて行った。