▼第五章 中編
すると、ガジェットがホテル・アガスタへと迫る。もちろん、警備していたシャマルのクラウルヴィントのセンサーにも引っかかる。
「ッ、クラウルヴィントのセンサーに反応。シャーリー!」
センサーが反応した為、ロングアーチに連絡する。
「はい、来た来た、来ましたよ!」
「ガジェットドローン、陸戦T型機影三十、三十五。陸戦V型、二、三、四!」
機動六課のロングアーチもガジェットドローンを捉えていた。
やはり、誤認したガジェットドローンが現れる。
しかし、誤認にしては多い。何かあると言うのか…
「前線各員へ、状況は広域防御戦です。ロングアーチTの総合観戦と合わせて、私シャマルが現場指揮を執ります。」
「スターズV、了解!」
「ライトニングF、了解!」
「スータズW、了解!」
それぞれフォワード達は、入り口の防衛の為に集合する。
「ジクナム、ヴィータちゃん、ヘレンさん、リバルさん!」
そして、ホテル・アグスタの中央ロビーでは、副隊長達とザフィーラが集合していた。
「おう、スターズUとライトニングU、ロングアーチ、出るぞ!」
ヴィータが機動六課に待機しているロングアーチ、シャーリーに報告する。
そして、シャーリーは副隊長達のデバイスのロック解除を開始する。
「デバイス、ロック解除。グラーフアイゼン、レヴァンティン、グラディウス、グングリル、Lv 2 起動承認。」
副隊長陣のデバイスのロックが解除される。
「グラーフアイゼン!」
「レヴァンティン!」
「グラディウス!」
「グングリル!」
「「Anfang.」」 「Yes,sir.」 「All right.」
そして、副隊長達がデバイスを前に掲げ、デバイスがそれに応えると副隊長達は騎士の甲冑を身に纏った。
此処は天井は無く、上に上れば外に出れる。
四人は、そのまま上に上がり、ガジェットドローンの迎撃に向った。
「シグナム、二手に分かれよう。我々はあちらを、あなた達はあっちをお願いします。」
「分かった。」
シグナムがそう応えると、リバルとヘレンは右へと旋回して行った。
「新人どもの防衛ラインには、一機たりとも通さなねぇ!速攻でぶっ潰す!」
それを聞いたシグナムは…
「お前も案外、過保護だな。」
「うるせぇーよ!」
何やら焼けになって言い返すヴィータ。やはり新人フォワード陣はやはり心配なのだろう。
そして、二人はそのまま地上に向って行った。会場へ突き進むガジェットを迎撃する為に…
ホテル・アグスタ ホール内部
その頃、隊長達は内部にてオークションが始まるのを待っていた。
フェイトは一階の隅に、なのはとはやては二階から待機していた。
そして、アルは中央辺りの席に座っていた。
「(なのは、主催者はどうだって ? )」
「(フェイトちゃんが外の状況を伝えてくれたみたいだけど、お客の避難や中止にする訳には行かないから、少し様子を見るって…)」
大型オークションもあり、さすがに中止等すると訳にはいかないようだ。
「(………そうか。)」
隊長達はただ、フォワード陣や副隊長達が片付けてくれる事を信じながら待つのであった。
「リバル、大きいのをお願い。私は小さいのを叩くから!」
「了解した。」
一方、シグナム同様ガジェットの迎撃にと向っていた。
リバルが地上に降り、ヘレンが上空にて魔法陣を展開させ、それを足場として魔法陣を小型ナイフを精製し、魔力を注ぎ込む。
「一気に行くよぉ…デビィットダガー!」
10本程度の黒い小型ナイフを放つ。ナイフは森林の中へと入り、ガジェットドローンT型の胴体を数本掛かりで切り裂き撃破していく。
ヘレンの操るナイフ、レアスキル浮刀術は自由自在、変幻自在に操る事が出来る。
そして地上に降り、ガジェットドローンV型を迎撃しに行ったリバルは…
「………ふっ」
地上に足を着き、ガジェットドローンV型の前に立つリバル。
そして、槍の胴体部分に付けられるレバーが折れ、カートリッジロードの煙が吹き出て、魔法陣を展開させる。
「烈火…鬼影斬!」
そう呟くと宙に飛び、ガジェットドローンに斬りかかる。
「はあぁぁあぁぁ!」
ガジェットドローンV型がベルト状の腕2本をクロスさせ、防御しようとするが、リバルはその腕をも切り裂き胴体を縦に斬り、アームケーブルが出てくるがそれを姿勢を低くし、横に流れるように横切りを入れて撃破する。
しかし、突然ガジェットドローンの動きが変化する。
「こ、これは召還魔法…」
シャマルのクラウルヴィントとキャロ、ロングアーチが反応したが、その魔力はかなり大きさであった。
「お、大きい!」
そして、森林の奥に一人の召還師が召還魔法の為に、魔法陣を展開させていた。
「小さき者、羽ばたく者、ことのはに応え我命を果たせ。召還、インゼクトズーク。」
魔法陣から現れたのは、膜に包まれた無数の紫色の物体。
すると、膜が破れ紫色の物体が姿を現す。