▼第六章 後編 

早朝模擬戦が行われる日を迎えたなのは達。

「さぁて、じゃあ午前中のまとめツーオンワンで模擬戦をやるよ!まずはスターズからやろうか、バリアジャケット準備して!」

「「はい!」」

ティアナとスバルがバリアジャケットを着用する。

後ろでは、エリオとキャロ、ヴィータが。

「エリオとキャロは、私と見学だ。」

「「はい!」」

そして、ヴィータとエリオ、キャロが建物の屋上に行くとアルがそこには居た。

禁煙パイポを吸いながら、真剣な表情で下を伺っていた。

「エリオとキャロは、スータズの次俺とやるからな。実際、フェイトとなのはに代わってスターズもやりたかったが…」

「ま、なのはは最近訓練密度濃いからな…」

すると、ドアの開く音がしてフェイトが姿を現す。

「ぁ、もう模擬戦始まっちゃってる ? 」

「フェイト…」

全員フェイトの方を振り向く。

「私も手伝おうとしてたんだけど…」

「今はスターズの番!」

「本当は、スターズの模擬戦もやろうかなと思ってたんだけど…」

すると、禁煙パイポを握りつぶしてポケットに仕舞いながら話すアル。

「だから、前にも言ったけどお前となのはは最近忙しいんだから、俺と代われって言っただろ ? 」

「あはは、ごめんねアル。」

とも苦笑いしながら、誤るフェイト。

すると、ヴィータが下を見て…

「ぉ、クロスシフトだな。」

「始まるか…」 「ッ!? 」

そして、スターズとなのはとの模擬戦が始まった。

「クロスファイヤ……シュート!!」

ティアナがオレンジ色の誘導弾を放つ。

しかし…

「何か、キレがないな…」

「コントロールは良いみたいだけど…」

「だが、それにしたって変だろ…」

ティアナが放った誘導弾は、なのはを追跡する。

なのはは、それを避けながら飛んでいると、ウイングロードが空を走り、なのはに向ってくる。

警戒して、シューターを四発準備するなのは。

すると、スバルが迫る。

ティアナの幻影だと思っていたなのはだが

それは違っていた。本物のスバルである。

「フェイクじゃない、本物!? 」

なのはに向って正面から突っ込むスバル。

なのはは準備していたシューターをスバルに向った放つ。

スバルは、片手を前に掲げバリアを張る。

シューターはバリアに当たりながらも、スバルから外れる。

スバルはそのままなのはに向って、リボルバーナックルで殴りかかる。

なのははそれをバリアで難なく防ぐ。

そして、杖をなぎ払ってスバルを吹き飛ばす。

「ぬ、わぁあぁぁぁぁああ!」

吹き飛ばされたスバルは、なんとかウイングロードの上に着地する。

「こらスバル、駄目だよそんな危ない軌道!」

ティアナの誘導弾を避けながら忠告するなのは。

「すいません、でもちゃんと防ぎますから!」

それを聞いた後、なのははティアナの姿を探す。

だが、ティアナの姿はない。

「………ティアナは ? 」

すると、建物の屋上辺りから小さな光が見える。

よく見ると、砲撃を撃とうとするティアナの姿が!

「砲撃、ティアナが!? 」

「いや、ティアナが砲撃なんか撃つ訳が…」

普通しない事をするティアナを見たフェイトとアルは、思わず言葉をこぼす。

それを見たなのはの表情は険しくなる。

すると、スバルがカートリッジロードしてなのはに再び迫る。

シリンダーを高速に回転させて迫るスバルに向って、なのは、5,6発のシューターを放つ。

それをウイングロードをうまく使って避けて、なのはに殴りかかる。

それを防ぐなのはだが、砲撃を撃とうとしているティアナに眼を向ける。

すると、砲撃を撃とうとするティアナの姿は消える。

「あっちのティアさんは幻影!? 」

「だろうな…で、本物は何処だ ? 」

すると、ウイングロードを走るティアナ。

クロスミラージュの銃口が魔力を使った刃と化す。

「バリアを切り裂いて、フィールドを突き抜ける。一撃必殺!」

そして、ウイングロードから足を外すティアナ。

クロスミラージュを両手に持ち、刃をなのはに向って迫る。

「でえええぇぇぃぃぃやぁあぁぁああ!」

すると、なのはこう呟いた…

「レイジングハート、モードリリース。」

「All right.」

そう呟いた瞬間、爆発が起きる。

強烈な爆風が訓練所辺りに伝わる。

「なのは!」 「くぅ…」

見学していたフェイトやアル達は爆風に耐えながら、なのはが気になる。

すると、右手でティアナを左でスバルの攻撃を素手で受け止めるなのはの姿が…

右手は、ティアナの魔力刃のせいで出血している…

「…………ぷっ」

アルはそれを見て、新たに吸っていた禁煙パイポを吐き捨てて、その場から離れる。

「アル!? 」

フェイトが驚いた様子で話しかける。

それを聞いたアルは、足を止めて右手で頭を書きながらこう呟いた。

「こんな模擬戦、見てられねぇ……」

そう呟くと、ドアを開けて訓練所を後にした。

「………これじゃ、ゲヘナに居るときと変わらねぇじゃねぇか…ちっ。」

歯を噛み締めながら、舌打ちをしながら六課に戻っていくアルなのであった…


次回予告

なのは「伝えたい事がある。勇気の意味と一番最初に守るべきもの。」

なのは「次回、魔法少女リリカルなのはStrikerS 第七章 たいせなこと。」

なのは「皆がいつか、自分の空を行く日まで…」
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