▼第七章 前編
「魔法少女リリカルなのはStrikerS アル=ヴァン」第七章「たいせつなこと」
ミッドチルダ海上
「………………」
アルは、ただ一人でミッドチルダ海上に居た。
騎士甲冑を身に纏っている。
しかし、いつもの姿とは違っていた。
魔法陣を展開し、眼の色を紅く染め、黒き翼を生やしている。
そして、甲冑の型の少し変わっている。
「アルさんのアグトレッドモード、正常に作動です。」
メカニックルームで、アルと通信しているシャーリー。
パネルを綺麗に淡々と叩き、アルのアグトレッドモードを微調整する。
「うん、まぁこれは俺の奥の手だから、今回はテスト感覚で、ね。」
そして、翼を動かして空中を舞う。
手中に魔力を溜め、魔力量を確かめる。
それをシャーリーは、データ収集。
「アルさん、アグトレッドモードは魔力の消費が激しいから気をつけて下さいね。」
「あぁ、了解だ。今から解除した撤収する。」
そう言うと、眼の色を戻して翼を体内へ折り畳む。
そして、騎士甲冑も元に戻る。
アルは、アグトレッドモードを解除すると軽くため息。
すると、アルは遠くの方に何かを発見する。
「んッ!? あれは……ガジェットか ? 」
眼を細くし、遠くの方を見る。
アルは、ハッキリと飛行型のガジェットU型を捉える。
そして、機動六課にも
機動六課 ロビー
ロングアーチもガジェツトを捕捉していた。
その為、機動六課全体にアラートが鳴る。
「なのは。」
「……うん!」
ロビーでアラートを聞いたなのはとフェイト。
そして二人は、指令室に向った。
二人がヘリポートに向う途中、廊下にてリバルと会う。
「リバルさん…」
フェイトがふと、リバル名を呟く。
すると、リバルは真剣な表情で頷く。
「そう言えば、アル君はどうしたの ? 」
司令室に向いながら、なのはがリバルに尋ねる。
すると、リバルは不思議そうな顔をして首を傾げる。
「お聞きになってませんか ? 先程まで、新しい騎士甲冑のテストをなさっていまして、ガジェツトが発見されたミッド海上に居られます。」
「そうなんですか、分かりました。まず、はやて部隊長が居る司令室で…」
「……了解です。」
そして、三人は指令室へ…
ミッドチルダ海上
アルは、ガジェットが居る場所から少し距離を取っていた。
はやての指示を待つ為である。
いくら、ガジェットとは言え何があるか分からない。
その為、エクスキューショナーを握り、待機していた。
そして、はやてから通信が入る。
「アル君、ごめんな撤収している途中で。」
「何、気にするな。新しい騎士甲冑の性能を確かめられるからな。」
すると、その言葉にはやて眼を瞑り首を横に振る。
それを見たアルは、首を傾げる。
「それはあかん。ガジェットのあの動き、何かを伺っている、またはデータ収集の為の生贄か…」
ガジェットを見ると、ある一定の場所を旋回し続けている。
「なるほど、了解した。」