▼第八章 前編
「魔法少女リリカルなのはStrikerS アル=ヴァン」
第八章「機動六課のある休日、前編」
ティアナのあの事件から約二週間。
フォワード陣はいつも通りに戻り、日々の訓練を続けていた。
今日はなのは、ヴィータ、フェイト。
そして、最後のアルの模擬戦を終え、早朝訓練を終えたところだった。
「はい。今朝の訓練と模擬戦も無事終了。お疲れ様!でね、実は何気に今日の模擬戦が第二段階のクリアの見極めテストだったんだけど…」
「えぇ!? 」
普段と変わらない訓練と、いつも通りの模擬戦。
いつも全力だが、まさかという気持ちがフォワード陣達の表情を変える。
「……どうでした ? 」
なのはが後ろを振り返って、フェイト、ヴィータ、アルに聞いてみる。
「合格♪」
「はやぁ!? 」
フェイトの即答に、さすがに仰天するスバルとティアナ。
「フォーメンションや個人技も中々良い感じだからなぁ。まぁ良いだろ。」
と、アルはそれなりの答えを出す。
「ま、こんだけミッチリやってて問題あるようなら、大変だってこった。」
ヴィータは、合格が当たり前のような口ぶりで話す。
それを聞いた、フォワード陣は苦笑い。
「私も皆良い線行ってると思うし、じゃあこれにて二段階終了!」
それを聞いたフォワード陣は、喜びの声を訓練場に響かせる。
「デバイスリミッターも一段解除するから、後でシャーリーの所に行ってきてね。」
「明日からはセカンドモードを基本にして訓練して行くからなぁ。」
「「「はぃ!…ぇッ ? 」」」
威勢の良く返事するフォワード陣。
だが、ヴィータの明日からという言葉を聞くと頭をかしげる。
「……ぁ、明日 ? 」
キャロが不思議そうな口調でヴィータに尋ねる。
「あぁ、訓練再開は明日からだ!」
と、少し嬉しそうな顔をして首に腕を巻きながら話すヴィータ。
「今日は、私達も隊舎で待機する予定だし──」
「皆、入隊日からずっと訓練漬けだったからね。」
なのはとフェイトが話すが、フォワード陣達は何やら落ち着かない。
無理もない、今まで朝から晩まで訓練で急にこんな事を言われても、戸惑うのは無理もない。
「ま、そんな事だからよ。皆一日お休みだ!」
アルがハッキリとお休みという言葉を言う。
その瞬間、フォワード陣の表情が輝く。
「街にでも出かけて、遊んでくると良いよ♪」
「「はぁーい♪」」
そして、フォワード陣と隊長、ヴィータは隊舎に戻った。
その後、隊長、副隊長揃ってニュースをモニターに映しながら朝食をとっていた。
「以上、芸能ニュースでした。続いて、政治経済です。昨日、ミットチルダ管理局地上中央本部において、来年度の予算会議が行われました。三度目となる再申請に──」
と、ニュースを報じられる。
すると、モニターにレジアスが映しだされる。
キャスターがレジアスという名を口にした時、全員がモニターに顔を向ける。
「魔法と技術の進歩と進化、素晴らしいものではあるがしかし!それが故に、我々を襲う危機や災害も十年前とは比べ物にならない程に、危険度を増している。兵器軍用の強化は、進化する世界の平和を守る為である!首都防衛は今だ足りん。地上戦力においても我々の要請さえ通れば、地上の犯罪も発生率で20%──」
「このおっさんは、まだこんな事を言ってんのな…」
ヴィータがレジアスのを聞いて、呆れている。
「レジアス中将は、古くから武闘派だからな。」
「魔界でも何処にでも、こんな奴は居るさ…」
「ぁ、ミゼット提督。」
なのはがモニターの端を見て、ミゼットの姿を見つける。
「ミゼットばあちゃん ? 」
キール、フィルスの姿も映し出される。
伝説の三提督が揃っている。
「あぁ、キール元帥とフィルス相談役もご一緒なんだ…」
「伝説の三提督、そろい組みやね…」
モニターでは、綺麗な並んでレジアスの話を聞いている三提督。
「でもこうして見ると…普通の老人会だ。」
と、少々嬉しそうな口調で話すヴィータ。
歳をとった方が好きなヴィータ。やはり口調も少々柔らかい。
「もぅ、駄目だよヴィータ。偉大な方々なんだよ。」
シャマルからパンが入ったバスケットを受け取る。
そして、なのはに受け渡しながら話すフェイト。