▼第九章 中編 
「ちッ、なんだよこの数…」 「これって…」

同時に機動六課のロングアーチも次々と増えていくガジェットを捉えていた。

「高空反応増大!これ、嘘でしょ!?」

アルトが仰天した表情で話す。

モニターに映し出されるのは、海上一杯に満たされるガジェツトの数。

さすが、ここまで来ると異常な数だ。

「波形チェック。誤認じゃないの?」

シャーリーとルキノ、アルトが必死にパネルと闘っている。

「問題…出ません。どれも実機としか…」

アルトが何かに怯えているような、震えた声で話す。

「なのはさん達も目視で確認出来るって…」

ルキノも、アルト程ではないが予想外のような表情でパネルを叩いて報告。

すると、はやてが立ち上がる!

「グリフィス君!」

そう言うと、はやてはグリフィスを見つめる。

「……はぃ!」

グリフィスは、はやてが目で何を言っているのか分かっていた。

それを判断したグリフィスはコクりと頷く。

そして、北西部を制圧する為にガジェットと戦闘していたアル達は…

それぞれ、射撃魔法でガジェットを撃墜していくが、射撃魔法を突き抜ける物もある。

幻影である。

「実機と幻影の構成編隊?」

なのはが張る、オーバルプロテクションの中で射撃魔法を放つアルとフェイト。

だが、二人の攻撃だけではガジェットを全て沈める事は出来ない。

ガジェットの全方位攻撃を受ける。

だが、なのはが張る防御魔法は優秀。

オーバルプロテクションは崩れる事も無く、三人を守り続けている。

「防衛ラインを守れる自信はあるけど、ちょっとキリがないね…」

「こういう場合は、一掃出来る魔法で片付けるか、応援を呼んで貰うのが妥当だ。」

戦術について詳しいアルが、状況が判断して最も有効な戦い方を説明する。

「此処まで派手な引き付けをするという事は…」

「地下か、ヘリの方に主力が向ってる。」

ほざほざ、幻影を使ってまでアル達を足止めしている。

なのはが言うとおり、主力は地下かヘリに…

「なのは、アル、私が残って此処を抑えるからヴィータと合流して。」

突然、フェイトが予想外な発言をする。

「フェイトちゃん!?」 「何ぃ!?」

さすがの二人も、フェイトの大胆な発言に仰天する。

「三人がこうもやっていても、時間が掛かりすぎる…限定解除すれば、アルが言ってた一掃出来る、広域魔法で纏めて落とせる!」

フェイトは、応援よりアルが言っていた広域魔法で撃ち落すつもりだ。

「それは、そうだけど…」 「此処で限定解除…か」

それでも、限定解除は限りがある。

それを心配する二人。

「何か嫌な予感がするんだ。」

「でも、フェイトちゃん。」 「………ちッ!」

嫌な予感がするのは、フェイトだけでは無かった。

此処に居る全員、そう思っていた。

すると、突然三人に通信が入る!

「割り込み失礼、ロングアーチ1からライトニングへ!その案も、限定解除申請も部隊長権限により却下します。」

はやてからの通信である。

それに、騎士甲冑を身に纏っている。
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