▼第十章 前編 

「魔法少女リリカルなのはStrikerS アル=ヴァン編」

第十章「ナンバーズ」


ヴィータ達と合流する予定だったアル。

しかし、魔法モニターに映し出された者。

アルは、一刻もフォワード陣を助ける必要がある判断。

ヴィータ達と合流する前に地下に突入するのであった。

「………………」

黙々と険しい表情で地下へ急ぐアル。

そして地下では、激しい戦闘が行われていた。

謎の紫の少女の後ろで守るように居る、クイント・ナカジマ。

それをただ唖然と見つめながら、虫人と戦闘するスバルやギンガ。

そして、リィンと同じような小さな子悪魔のような紅い者。

その者から放たれる強烈な炎魔法が、地下を覆い尽くすような爆発を生む。

すると突然、クイント・ナカジマが動き始める。

冷たい冷酷のような眼をして、スバルに迫る。

スバルは少し驚いたような表情をするが、それはすぐに消えて鋭い目付きで向かい討つ。

お互いの拳と拳がぶつかり合い、凄まじい火花を散せる。

しかし、クイント・ナカジマはそれを振り払いスバルの体勢を崩す。

「ッ!?」

そして、クイントが殴り掛かろうとした時、天井が突然崩れた。

それでも、クイントはスバルへの攻撃は止めようとせず、殴りかかるが…

「……温いな!」

すると、大きな黒い翼を盾にてスバルを守るアルの姿。

「アル=ヴァン教導官!? 」

フォワード陣は仰天した。見たこともない姿をしたアルの姿を見て。

「クイント・ナカジマ。そうそう出来ると思っていたが…この程度とは…」

翼を多き動かし、クイントを吹き飛ばす。

クイントは、軽々と地面へ上手く着地して紫の少女の元に戻る。

「何故、死んだあんたが此処に居るのか知らないが…大事な娘をやろうとは…許しがたい。」

すると、アルはクイントに目掛けて急接近する。

しかし、その前に虫人が立ちはだかる。

「ロード・オブ・クラッシャァァァァァ!!」

左腕を紅く光らせ、拳を握り締めて虫人に叩き込む。

虫人は、両腕をクロスして防御しようとするが、衝撃の強さによって壁に吹き飛ばされる。

「アイゼン!!」

すると、さらに別の場所の天井が崩れる。

すると、ヴィータとリィンが現れる。

「ヴィータ副隊長!?」

「ぶっとべえぇぇぇぇぇぇ!!」

ギガントフォルムのアイゼンを持ち、クイントへ迫り防御魔法で対処するクイントだが、ヴィータの打撃により、これもまた吹き飛ばされる。

「捕らえよ、凍てつく足枷!フリーレンフェッセルン!」

そして、リィンが氷結魔法で紫の少女と肩の近くに居た紅い者に氷結魔法で捕らえる。

「……おぉ、待たせたな。」 「皆、無事で良かったですぅ♪」

ギガントフォルムからハンマーフォルムに戻して、軽くニヤケながらフォワード陣に話しかける。

「悪いな、二人共。」

アルが頭を掻きながら迫る。

「いや、上手く行ったから良いだろう。」 「ですね!」

「ぁ、ははぁ…」 「アル=ヴァンさんと副隊長達、やっぱつよぉ〜い…でも局員が公共施設を壊して良いのかな?」

「まぁ、ここいらは廃棄施設だし…」

と、少々唖然としながら話すスバルとティアナ。

そして、アルとヴィータ、リィンがそれぞれ相手が吹き飛んでいった場所、捕獲した所を確認していく。

すると…

「……ふん。」 「……ちっ!」

アルの方は、大きな穴が出来ており虫人の姿は無かった。

そしてヴィータは、クイント・ナカジマの地上へ伸びるウイングロードが残されていた。

「こっちもです!逃げられた…ですね。」

リィンが魔法を解くと、床に穴が空いており紫の少女と紅い精霊の姿は無かった。

皆が少し残念さと落ち着きが現れ始めた時、地下が突然大きく揺れ始めた。

「ッ!?」 「ッ、なんだぁ!」

「大型召還の気配があります。多分、それが原因で…」

すると、後ろから気絶していたキャロが目覚めてエリオに支えなれなから話す。

「ひとまず脱出だな、スバル!」

「はぃ!ウイング、ロオオォォォォド!」

ヴィータが脱出を指示すると、スバルはウイングロードを地上にまで上るように出現させる。

「スバル、ギンガ、俺が先頭で行く、後に続け!ヴィータ、お前は最後を!」

「「はい!」」 「おう!」

紅くなった眼を光らせ翼を大きく靡かせて飛んでいくアル。それに続くフォワード陣であった。
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