▼第十二章 前編 

「魔法少女リリカルなのはStrikerS アル=ヴァン編」

第十二章「Mother&children」


アルは、機動六課の食堂でヘレンと共に食事をしていた。

「朝の訓練、お疲れ様。」

ヘレンは、皿に盛られたスクランブルエッグをフォークに刺して食べる。

「ああ、どうも朝は苦手だがな。」

コーヒーを飲みながら、片手で眼を擦りながら話すアル。

それを見て、少し苦笑いするヘレン。

「普段、遅くまで飲んでるからでしょ…」

「しかしだな、飲みたくなるんだよ。」

言い訳ほ聞いたヘレンは、呆れながらスクランブルエッグと共に盛られていたソーセージを食べた。

「ぁ、そう言えばリバルはどうした?」

「リバルなら、朝早くから本局に行きましたよ。」

本局と聞いて首を傾げるアル。

それを見て、ヘレンはフォークを皿に置いて説明を始めた。

「今日、はやて部隊長とクロノ提督や本局の方々と話があるみたいです。それとは別に、クロノ提督と話があると言って…」

リバル一人で本局に行くとは珍しいと思い、手を顎に当てて考えるアル。

しかし、結局結論は出なかった。

「まぁ良い。ライトニングは外回りだし今日は、スターズだけだから楽だな。」

すると、コーヒーを飲み終わるとコップも持ちながら席を立ち上がった。

「あれ、朝食は良いんですか?」

フォークを咥えながらアルに尋ねる。

すると、アルはコップを握り潰しながらこう話した。

「今朝食を食べたら眠気に襲われるからな。」

そう言い、食堂を後にした。

「ま、良いけど……うん、美味しい♪」


─────時空管理局本局 クラウディア艦内─


「本局に帰還してばかりで申し訳御座いません。」

廊下でヴェロッサとクロノと歩きながら、お詫びを話すリバル。

「いや、はやてが来る前なら仕方ないだろう。」

「君もわざわざ、朝早くから大変だね。」

ヴェロッサが気軽な話し方で話す。

リバルは、普段通りに鋭い目付きで歩く。

「時間がありませんから。仕方ありませんよ。」

すると、部屋の入り口に到着する。

そして、クロノが扉の前に立ち、扉を開けると三人は部屋に入って行った。

「さて、じゃあ話を始めようか。」

「………はい。」

すると、五人の人物の画像が映し出される。

その中には、アル、ヘレン、リハル、そして魔界最高責任者のヒカリ・グラリティの姿も。

「現在、老王を引き継いでいるのは君は右足「剛足」。そして義理の妹のヘレンは、左足の「神速」。アルは左腕の「壊滅」。そして、魔界最高責任者のヒカリは右腕の「創滅」。」

すると、それぞれの老王の部分のみが映し出され、その詳細が映し出される。

そして、それを重ねるように一人の男が映し出される。

「そして、現在確認されている最後の老王を引き継ぐもの。グレイ・ロイバー。」

「君は、この人の事はご存知なのかい?」

すると、リバルは首を横に振った。

「いえ、初めて聞きました。眼を継ぐものは居るとは知っていましたが…」

「彼は、眼を引き継いでいるみたいですが……まだ。」

それを聞いたリバルは、眼を丸くした。

「まだ、老王を引き継ぐものが!?」

すると、クロノが書類をリバルに渡す。

それを受け取り、それを黙読する。

「ヒカリ・グラリティから聞いていないのか?」

「ええ、彼女からは一切…」

書類を読み終わり、テーブルに置く。

それをヴェロッサが取って、黙読する。

「これはまた、凄い量の資料だね。」

「まぁ、彼女からの重要情報だ。纏めるだけでも苦労したよ。」

クロノは何かを振り返るような表情で苦笑いをする。

「ま、この話はこれぐらいだな。まだ情報が少ない。」

「はい、わざわざ有難う御座いました。」

椅子に座りながらも、頭を下げるリバル。

「別に、気にしなくて良いよ。僕らの個人的な協力だから、ね。」

「まぁ、そろそろはやてが来るだろうから、話を変えよう。」
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