▼第十三章前編 そのT 
「魔法少女リリカルなのはStrikerS アル=ヴァン編」

第十三章「Sisters & Daughters.」


─────機動六課 訓練場─


「さて、今日の朝練の前に一つ連絡事項です。」

朝の訓練場に、フォワード陣が横に整列している中、なのはが四人に話す。

「陸士108部隊のギンガ・ナカジマ陸曹が今日からしばらく、六課に出向となります。」

と、なのはの横に訓練服姿のギンガに手を指す。

「はい、陸士108部隊ギンガ・ナカジマ陸曹です。よろしくお願いします。」

「「「よろしくお願いします!」」」

ギンガが敬礼して挨拶をし、フォワード陣は元気良く挨拶を返す。

そして、今度はなのはに代わってフェイトが口を開く。

「それから、もう一人。」

「どうもぉ〜。」

フェイトが手を横に本局の制服を着て、その上に白衣を着た女性に指す。

その女性は、手を顔の高さ程までに上げ、軽そうな挨拶をする。

「十年前から、うちの隊長陣のデバイスを見てくださっている本局技術部の精密技術官。」

「マリエル・アテンザです。」

と、顔の高さ程までに上げていた手を少しさらに高さを上げて、敬礼をする。

「地上での御用事があるとの事で、しばらく六課に滞在して頂く事になった。」

「デバイス整備も見てくれるそうなので…」

「気軽に声を掛けてね♪」

そして、最後はシグナムとシャーリーがマリエルが此処に居る理由を述べる。

「「「はい!」」」

「おーし、じゃ紹介も済んだ事で、早速今日も朝練行っとくか!」

「「「はい!」」」

ヴィータがそう話すと、フォワード陣は威勢の良い声を発し、それぞれの担当の元に走っていった。

「ライトニング、集まって〜。」

「「はい!」」 「キュックルゥ〜」

優しそうな口調で、エリオとキャロを呼び寄せるフェイト

「ティアナは、今日はあたしとやるぞ!」

「はい!」

ストレッチをしながら、威勢の良い返事を返すティアナ。

「突撃型の裁き方、第六章!」

「お願いします!」

ヴィータは、ストレッチをするティアナと段階型の訓練の続きを…

「さて…と、俺は上空から全体を監視させて貰うぞ〜!」

アルは、上空へと上昇して魔法のパネルとモニターを展開して辺りを見下ろしながら呟く。

「アル君、今日もよろしくね!」

「おう!」

主に、データ収集など様々な情報を集めるのがアルの主な役目である。

それをなのはが上空に居るアルに大声で話す。

そして、アルと話終わったなのはは、ストレッチをしているスバルとギンガの元に歩み寄る。

「っしょ、うっと…」 「ふっ、んっ…ぅっ…」

「ギンガ。」 「はい?」

突然、後ろから話しかけられ、ストレッチを止めて振り向く。

「ちょっと、スバルの出来を見て貰って良いかな?」

「ぁ、はい。」 「ぇ?」

なのはの言葉に、軽く耳を疑ってストレッチを止めてしまうスバル。

「一対一で軽く模擬戦。スバルの成長、確かめてみて。」

「……はい!」

ギンガは、模擬戦をすんなりと受け入れ、そしてスバルも嬉しそうに微笑んだ。

スバルとギンガの模擬戦は、ライトニング、ティアナの訓練が一通り済んでから開始された。

森林の中で、ギンガがスバルを攻める形になっていた。

「ふっ、はぁ!ふぅ!はああぁぁあああ!」

「ふぅあ!」

スバルが後方に下がりながら、ギンガは全身して左の回し蹴りを繰り出す。

しかし、スバルが後方に下がりながら辛うじて回避する。

それでも、ギンガの攻撃は絶えない。

「ふぅ!ぬぅ、はぁ!」

「ぬぅぅ…ふぁ!」

左ストレート、左のハイキック、右のジャブが繰り出されるが、それも何とか回避する。

「はああぁぁぁあああ!」

そして、左腕を大きく引くギンガ。

「Storm Tooth.」

ブリッツキャリバーがそう発すると、リボルバーナックルのシリンダーが高速に回転し始める。

「はぁあぁ!!」

「くふぅ!?」

スバルに殴りかかろうとする時、スバルは回避ではなく、防御体勢に移る。

「Protection.」

マッハキャリバーがそう発すると、スバルが右手を前に掲げて防御魔法を張る。

しかし、ギンガはスバルに勝つ為にそのまま左ストレートを叩き込む。

「はぁぁぁぁぁああぁあ!」

「くふぅ!」

少しは耐えていたが、ギンガの打撃がスバルの防御魔法を粉砕する。

そして、ギンガは素早く左腕を引き、再びスバルに殴りかかり腹に拳を叩き込み、スバルはギンガと共に大きく後ろに吹き飛ばされ、爆発音が当たりに響き渡る。

辺りに砂煙が立ち上る。そして、砂煙が晴れると…

「「ぁぁ……」」

「なるほど、悪くない。」

エリオとキャロが呆然としている中、シグナムがふと、一言呟く。

「はい。」 「うぅ〜ん。」 「ああ。……二人共、中々だ。」

ギンガが手先を確認すると、スバルは痛そうな表情を浮かべながらも、しっかり防御魔法を張っており、ちゃんとギンガの攻撃を防いでいた。

「なぁ!?」

それを見たギンガは、まさかと思い仰天する。

「リボルバアァァァァアアァ…」

右腕をゆっくりしっかりと引き、技名をゆっくりと呟く。

そして、リボルバーナックルのシリンダーを回転させてギンガに反撃しようとするスバル。

「くぅッ!」

「Defenser.」

ギンガは、反撃しようとスルスバルに瞬時に反応。

右手を前に掲げて防御魔法を張る。

「キャノン!」

マッハキャリバーをしっかりと地面を踏ませて腰に踏ん張りながら、ギンガに強烈な打撃を返す。

ギンガが張っていた防御魔法は悉く粉砕され、リボルバーナックルから放たれる衝撃波を両手で踏ん張りながらも防御する。

「くふぅ!」

「うぉぉぉぉおおおおおお!!」

一度、右腕を引いて再びギンガに拳を叩き込むとギンガは後ろに大きく吹き飛ばされた。
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