▼第十三章後編 そのU
─────機動六課 食堂──一度隊舎に戻り、訓練服から制服に着替えて全員で食堂に行き、料理を運んでいる。
「なるほど、保護児童なのね。」
「僕の時と同じような感じです。」
「なのはさんが保護責任者、後継人がフェイトさんです。」
サラダが盛ってある大きなボールを抱えるエリオ。
そして、料理が盛られている皿をお盆で運ぶシャーリーは、ヴィヴィオについて説明する。
「そっか。ヘレン、アルさんはヴィヴィオには?」
「アルですか?あの人は二人に任せるって。」
「そう。」
そして、それぞれテーブルを囲んで料理を食べ始めた。
「あぁ〜ん、んふんん〜♪」
なのはとフェイトの間に座り、綺麗にケチャップで模様付けられているオムライスを食べるヴィヴィオ。
「良く噛んでね。」 「うん♪」
「しっかしまぁ、子供って泣いたり笑ったりの切り替えが早いわよね。」
と、顔を横に向けヴィヴィオの姿を見つめながら関心するティアナ。
「スバルのちっちゃい頃も、あんなだったわよね〜」
「えッ!?そ、そうかなぁ〜?」
ギンガの言葉に手を頬につけて照れながら話す。
「我々は……」
リバルがふと、横目でアルとヘレンを見つめるが…
「俺はお前らがいつ生まれたのか知らんわ。」
「お、同じく、私達はアルが生まれた頃なんて知りません!そして、リバルは義理だから知らないもん!」
何やら、変に頬を膨らませて話すヘレン。
「まぁ、別に良いじゃないのか?」 「同感だ。」
ヘレンを見て、コーヒーを飲みながら話す。
「ぇ、ふ、二人とも反応薄いなぁ……」
フォークを持ちながら、少し驚いた表情で二人を見つめる。
「リィンちゃんも。」
「ふぇー!リィンは始めッから割と大人でしたぁ!」
シャマルがリィンに話しかけるが、リィンはそれは否定して少し起こり気味で話した。
「嘘をつけ。」
「身体はともかく、中身は赤ん坊だったじゃねぇか。」
と、リィンの否定もシグナムとヴィータの言葉に悉く崩されてしまう。
「うぅ、はやてちゃん!違いますよねぇ!?」
「ふふ、どうやったかねぇ?」
はやて達やアル達が話している中、ヴィヴィオの動きが止まる。
「……ぁ、ヴィヴィオ駄目だよ、ピーマン残しちゃ。」
「んぅー苦いのきらーい!」
嫌な表情をし、ピーマンを皿の端に纏めてある。
「えぇ、美味しいよ?」
「しっかり食べないと大きくなれないんだから。」
「んぅぅ……」
フェイトとなのはが食べるよう勧めるがヴィヴィオは、食べようとしない。
「うーん、そやな好き嫌い多いと、ママ達みたいに美人になれへんよ?」
三人の会話を聞いて、振り向いて食べるよう勧めるはやてだが、それでも食べようとしなかった。
「しかし、ミッドは良いな。食料不足にならないからな、昔の魔界は……」
「その話を此処で言わない!」
アルが独り言のように眼を閉じて呟く。
それを聞いたリバルが、眼を大きくしながら慌てていた。
「ぁ…」
そして、フォワード陣の方は、キャロがニンジンをエリオの皿に移そうとするが、本人に見つかってしまって思わず腕を止めてしまう。
「どうする?」
少し苦笑しながらも、キャロに聞くエリオ。
「頂きますぅ…はむ。」
頬を赤くし、苦そうな表情で我慢をしてニンジンを食べるキャロ。
「うふ♪」 「ふふふ♪」 「ふはは♪」
そして、それを見て微笑するスバル達であった。
その後、午後の訓練は副隊長が主に教導する形になり、訓練の途中になのは達ははやてに呼び出されて隊長室に居た。
─────機動六課 隊長室──
「今日、教会の方から最新の予言解釈が来た。やっぱり、公開意見陣述会が狙われる可能性が高いそうや。もちろん、警備はいつもよりうんと厳重になる。機動六課も各員でそれぞれ警備に当たって貰う。ほんまは、前線丸ごとで警備させて貰ったらええんやけど、建物の中に入れるのは私達四人だけになりそうや。」
「まぁ、四人揃ってれば大抵の事はなんとかなるよ。」
「前線メンバーも大丈夫!しっかり鍛えて来てる。副隊長は今までに無いくらい万全だし…」
「皆のデバイスリミッターも明日から3rdまで上げていくからね。」
「だから、何があってもきっと大丈夫。多少の無理は覚悟しよう。」
「此処を抑えれば、この事件は一気に好転していく思う。」
「「うん」」 「あぁ」
「きっと、大丈夫……」
時空管理局地上本部
公開意見陣述会まで
あと 7 日
次回予告
なのは「地上本部の警備に向う私達と隊舎で見送る機動六課メンバー。」
フェイト「襲撃は静かに、そして突然に。」
なのは「次回魔法少女リリカルなのはStrikerS 第十四章」
フェイト「その日、機動六課(前編)」
「「Take off!」」