▼愛のためなら!
ここ、三年五組の教室では休み時間毎にとある光景が繰り広げられる。「元就ー。お前甘いもん好きだろ?ホラこれ一口やるから口開けろ」
朝課外が終わったばかりの教室で堂々とプリンを食べているのは、その一種独特な風貌と豪快で面倒見のいい性格からクラス内で兄貴的な位置にいる長曾我部元親だ。
「いらぬ。教室内でそのような物を食すなど非常識極まりない」
その元親の誘いを素気無く断るのは、元親とはまた違った意味で目立っている毛利元就だ。元就はその冷酷さが原因で同級生からも敬遠されていたりするのだが、元親は全くそんなことをしていなかった。むしろ積極的に構っている。
「そんな硬いこと言わずによ。見ろ、生クリームまでのってるぜ」
そう言って器用にプリンと生クリームをスプーンの上にのせると、元就の口元まで持っていった。
「食えよ」
「・・・仕様のないやつめ」
元就は不機嫌そうな表情を隠そうともせず言うと、しぶしぶといった様子でプリンを口にした。一瞬とても幸せそうな顔になったが、元親だそれを見てにやけているのを発見して、すぐにその顔を引っ込めた。
「次の休み時間には苺ヨーグルト食おうな」
「・・・勝手にしろ」
クラスのメンバーは毎回この光景を見るたびにこのクラスに一抹の不安を感じずにはいられないとか。
「それにしても、あいつもよくやるよな。まさにloveって感じだぜ」
「ほんとあの献身的な態度には胸を打たれるものがあるよね」
「・・・元親殿のことでござるか?」
「Ha!まさか」
「勿論元就のことだよ」
「他人が口つけたスプーンとかじんましんが出るくらいhateなのにな」
「そのうえ牛乳アレルギーなのにね」
「・・・?某にはいま一つ理解できないでござるよ・・・」
愛されてる元親が書きたかっただけです。元就さんは絶対人が口つけたものとか食べれないと思う。あ、あと多分牛乳アレルギーと言ってもものすごく重いものじゃなくて、軽い発疹が出来るとかの程度だと思われます。ちなみに最後らへんの会話は分かりにくいですが、伊達、真田、猿飛の三人です・・・。伊達さん難しい・・・。
2007.06.04