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VIII 御飯

家に帰って水槽を見る
水槽の中では金魚が此方を見ている
こいつは喰う事しか考えていないのだろうな?
でも見ているだけでホッとする
何も考えないでいるのかな
狭い水槽から、大きな水槽に移り住みたいと思っているのだろうか
よしよし、彼女と巧く行ったら新しい水槽を買って上げるからな!
泥鰌も田螺もアッチ向いてコッチ向いてで金魚とは行動が別々である
でも矢張り、自分に目を向けてくれる金魚に対しては可愛いと思い、餌を数粒パラパラと蒔いて遣ったりする
餌は浮遊性なので喜ぶのは金魚だけなのだが、ジィーッと見ていると泥鰌がお尻からプクプクと泡を出しながら偶に水面に上がってくる時偶然なのか、将又(はたまた)故意に因るものなのか不明だが、泥鰌が金魚の餌を食べた事がある 金魚は一旦餌を飲み込んでも、直ぐに吐き出す場合が多い
自分が二十代の時に友人と鯉釣りに出掛けたことが有るのだが、鯉の場合は釣り針に含み針と云って釣り針を何本も束ねた様な感じの釣り針なのだが、釣りに行った場所は川ダムで堰き止めて造られた人造湖であった
その年は干ばつでダム湖の水量も激減しており、釣果を期待して高揚として出掛けたものだ
三回目の挑戦! とは云え、釣りというのは我慢比べである
先輩に、「お前は気が短いところがあるから 釣りでも遣ったらどうだ!?」 と薦められたのが切欠となったのだが、
いざ始めて見ると面白かったりする
釣り糸を垂れてから二時間ぐらい経過しただろうか
友人の竿が大きく揺れる
鯉釣りの餌で経験した一番食いつきが良いのは蒸かしたサツマイモなのだが、甘い香りに誘われたのだろうか
手繰る、寄せる、今回の手応えは大きい
格闘二十分ぐらいだろうか、今まで見たことが無い大きな鯉だった
一メートルは優に超える大きな大きな鯉だった
折角大きな鯉を釣ったのだから誰かに見せたいし、自慢したいと思うのは当然の心理だったのだが如何せん、どうやって運ぼうかと悩んだのだが、結局車の中に有った新聞紙で繰るんでビニールシートで知り合いの料理店に持っていった覚えが有る 今思えば、あの料理店は鯉をその後どうしたのだろうか?
鯉が長生きすると、最後に龍に成るのだという
鯉と龍・・ 今一頭の中では結びつかないのだが、昔の人は何故その様に考えたのだろうか?
家の金魚は鮒なので、何年飼っても龍に成る事は無いだろうけれど・・!?
こいつが飲み込んだ餌は吐き出されて、細かくなって泥鰌も食べやすく成っている
でも以前は丸ごと飲み込んだ時が有った
泥鰌は飲み込んだ餌を吐き出すこと無く、何時もと変わらず底の方でアッチを向いていたのだが、泥鰌本人!?は
どの様に思ったのだろうか?
人間だったらあくびをした大きな口にテニスボール(無理?)が勝手に入る様なモノである
食べ物だからミカンが入る様なモノだろうか?
当然皮の剥いてあるミカンだよな でも、夏ミカンだったら嫌だな キンカンとかポンカンとか? グレープフルーツ!? レモンだったりして・・!
丸々した林檎だったら、チョッと泣くなぁ! 姫林檎とかね でも、あれは観賞用だから不味いし・・ ジャガイモとか ねぇ 面白いけど、生では食べられないし、大体に於いて餌だけど、毎日同じ物を食べて飽きないのだろうか?
金魚も泥鰌も、他に食べるものが無いから仕方なく食べているのだろうか?
だとすれば、毎日食べても飽きない餌?が望ましいかな
人間だったら毎日食べても飽きないものって、何? 
ケーキ? 寿司? カレーとかラーメンでは無いだろうなぁ 何だろう?
でも自分で作るよりも、誰かに作って貰った方が美味しいだろうね
お金が有ったらフランス料理を毎日食べて・・ 肥満児かぁ? 今と同じか更なるデブ状態かな
欧米社会では、太った人は自己管理が出来ていない っーう事で、降格対象者になるのだそうだ
無論、企業に採用される事も難しいのだが・・ とは云っても、剰りにも仕事が出来ると思ったスタッフが、一緒に出掛けたフランチャイズショップでのコーヒーに砂糖をドボトボ! ドーナッツをバクバク・・! 食べるなと云う訳では無いけども、日本人の感覚とは懸け離れた食生活を見ているだけで、こちらが胸一杯になってしまう
それでもチョッと出たお腹を気にしながらも、毎朝ジョギングを欠かせないのは感嘆に値する
医食同源の中華料理だったら・・ 長生き元気になるのだろうか!?
中国で足の付いたもので食べない物は、家族と机だけだと訊いたのだがホンとの事だろうか?
確かに彼らは良く食べる 食べ物の素性を知っているからだろう
山野草についても身体のどの部分に効果があるのか、体調不良の時はどの様な食事が望ましいのか!?
初めて香港に旅行した時は屋台に色々な動物が売っていてビックリしたものだ 中国料理も同様だが、広東料理と北京料理では異なる まぁ広大な中国で同じだとする方が可笑しいが 味付けだって寒い地域と乾燥した地域或いは山国地域では異なって当然である 適時適応は料理にも現れるのだ 日本国内だって関東関西どころか、東北・北海道と沖縄料理が異なる様なものである 況して中国は日本大陸の何倍もの大きさで、山河が行く手を遮っている土地なのだ その地域で獲れる獣であり魚であり植物なのだ 塩分の摂取量も当然違うから味付けも異なるし、材料も異なるから調理法も異なるのである まぁ中国を一つの国家とする方が無理だとオイラハ思うのだが
大胆に見える料理だが、出来上がりが繊細だったりする 人間の表面だけ見ることは、侮蔑に繋がるのだ
本来の姿を見出す為には会話なのだが、自分のレベルで相手を見定める事は間違いだと思う
若しかして見えない所で当人は努力しているかも知れないし、見えない才能が有るかも知れないぞ
相手の健康的な状態で見なければ為らないし、双方のT・P・Oに起因する場合も多いと思われる
しかしながら今は食べ物の事を考えなければならない また料理は健康状態によって、味が変化するのだ
疲労した身体には食欲激減なのである 料理が美味しいと思うのは健康の証拠だと思うのだが、どうであろうか?
また健康であれば、腹が減る 歩き疲れてカラカラになった喉に一杯の水は、清涼感を与えてくれる
フランスのワインだってドイツのBEERだって、土壌が飲み水に適さないから発酵酒・蒸留酒などが必然と成ったのである 髪の毛の色だって銀髪や赤毛が多い事も土壌が関係しているのだ 日本人だって欧米で何世代か住む事になったら、髪の毛の色も変化するかもね 地域に根付く意味でも望ましいけれどねぇ・・!?