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XI 思案

これからどうしょうか
剰りにも呆気なく彼女との距離が縮まったような気がする
仕事が終わったとして、いきなり飲みに行ったりするのは拙いだろうな
彼女のことを何も知らないで、どうしろっうーんだよなぁ・・?
無難なところでドライブとか、そんで食事だよな
やっぱ、その後は・・!? カラオケっう訳にもいかないだろうし、ナイトライブでも有れば良いけども今日は無かったし、映画とか良いかもね

取り敢えず車を準備する BMW530 自分の愛車である
ホンとなら国産車で十分なのだけど、見栄を張って中古で購入したモノである
見た目の印象は、見る相手のイメージに深く関ると思う
人を騙す詐欺師では無いけれど、清潔な髪・サッパリとした顔・アイロンの掛かったスーツ・磨かれた靴など・・。
ポイントはチョッとした小道具のブランド品かな?
普段の自分では無いけど、ラフな格好に、ボサボサの髪・無精髭・背中を丸めた疲れた姿・・ では、イメージが悪いよね!! でも普段はBMW530に健康サンダルなのだ 服装よりも中身なのだ でも今日は違うぞ 彼女を誘ったのだから気合入れ捲くり・・ でも・・ 全てデパートのマネキン人形のお下がりなのだ センスを問うな! 俺には難しすぎる 大体ファション雑誌のモデルは、一般的日本人とのギャップで取り合えないよ! 足の長さなんて20cmぐらい違うんじゃ無いかぁー! せめて車だけ勝負!! 人は見栄っ張りの単純馬鹿と思っていても、俺は良いのだ
車の色だって大きくイメージに関与されると思うよ 誰もが無難な白色を好むと思うけど、個人的には赤・黒・銀が好きだな ビートルズの誰かさんでは無いけれど、ロールスロイスの原色フルカラーまでの悪評は受けたく無いものねぇ でも、BMW530は派手な赤色 大き目の車両にスポーティ色の強い赤色は、本来なら四十代後半に成ってから乗りこなす事が、アッパーミドル(Upper middle)として好ましいと思ってはいるのだが・・!?
日本人は一億三千万総中流意識だから、アッパーミドルっう言葉自体が死語になっちゃうのかな まぁ良いけどね
調子は・・ ドイツ車は国産車の模範的なイメージが先行するけど、今後何年か先に逆転するかもしれない
以前に乗っていた車は、如何にも電子の国、日本車輌だった・・
走っていてもトンネルに入れば、ヘッドランプが点灯し、雨が降ればワイパーが、高速道路では車高も自動で下がって更に、足回りのショックアブソーバーの減衰力も柔らかくなり、山岳地帯の凸凹路面は逆に車高が自動で上がって、ショックアブソーバーの減衰力は硬くなるのだ エアコンも、シートも、ハンドルのチルト機能だってオートマチックなのである クルーズコントロールも附いているので、速度を設定しておけばアクセルも踏む必要が無いけれど、今後はレーダーサーチで車の周囲を見張り、前後の車両に追従、或いはセンタービームライン・サイドマーカーライン・GPS・ビーコン等により無人運転も日本の技術力で克服する日も遠くは無いと思われる
例えば電線だって不要になって、全部電波の力で送受信して動かせるようになると思う
でもペースメーカーとか、身体に悪影響を及ぼす場合はTPOだな
日本人は敗戦を経験し、戦後の混乱期を経て目的意識を持ち真っ直ぐに進んできたような気がする
でも目標が曖昧で、日本人が皆々中流意識を持ち併せた頃から、雲行きはおかしくなったけど、まだまだ(技術面での)目標が上に有る間は大丈夫だと思う 今後は国際特許の貸借費で日銭を稼ぐ冪だろうね
しかし技術も拮抗する様になると、フラフラと定まらなくなって日本の場合は、尻切れトンボの様になるんじゃないだろうか 目標が有るから全員の眼が一点に注がれるけどね 日本人はトップに立つと弱くなる様な気がする
車の運転技術も、高次元での電子技術は普通の一般的レベルの人でも、運転中の様々な危険性を回避して選り快適な環境が、運転技術さえも高めてくれる錯覚に陥るのだ 自信は確りと持った方が良いのである
スポーツ選手でも、どの様な職種に携わっていても、プロと呼ばれる人達の仕事は傍目で見ると簡単に見えるものだ 実際に体感して時、歴然と感ずるのだが、何年もの積み重ねの努力を素人は否定するのかもしれない

彼女の会社の周りをグルグルと回る
従業員の数は建物からすれば二十人前後から三十人弱ぐらいの小さな工場である
以前見かけた野菜のカット工場と思われる 何故なら工場外の廃棄物置き場には、玉葱の皮とレタスの芯・レタスの皮、キャベツ・人参・ジャガイモなどの野菜くずしか無いからである それも必要外と思われる部分だけが捨てられている
相手を詮索することは望ましい行為では無いのだが、興味も度を超すと変質者になるのだが、平均的な価値観から逸脱するので問題となる しかし、平均的な価値観とはどの様なものなのであろうか?
平均的となれば、一般常識の範囲なのであろう
と 云うことは法律で取り決められている範囲と考えれば間違いは無いと思われる
法律とは、六法全書に定められた事由なのだが、六法即ち、憲法・刑法・刑事訴訟法・商法・民法・民事訴訟法の事である 通常の生活をしている中では、法律などは縁が無い様に思われる
例えば仮に30年ローンで家を建てたとする 是からの支払いを考えれば我が家は宝物に値するかもしれない
自分の生涯での一番高い買い物は庶民にすれば家だからね 後は子供の為の教育ローンかな
しかし隣の家との境界線での諍いとか音の問題とか、近所の工場からの臭いとか或いは周辺住民による人道的な面も有るかも知れないし、家を建てる前での有る程度の推測は可能だろうが、現実は移行しないと不明である
また境界線所有権係争地も、所有権は民法で定められて、境界は公法上で区分されるからややこしくなっちゃうし、まぁ境界確定の訴えの場合は(標杭が抜いたりすると境界損壊罪 刑法262条の2)裁判所に創設的に境界を定めてもらうとか、境界線付近の建築制限は民法第二百三十四条に定められているし、悪臭防止法とか風俗営業法・騒音規制法などの耳馴染みの法律の他にも、界標設置権とか囲障設置権など良く分からない権利も多々有るので調べるか、専門家に相談するしかないだろうけどねぇ 素人は所詮素人だけど、多少でも知識が有れば便利な事も多いのが法律である
私達、我々の先祖は、是か否かを論じて、更に改良を加え残し続けてきた考え方及びモノの見方が有るのだが、其れは諺としても箴言(しんげん)としても、数多く残されている 例えば「大道廃れて仁義あり」とか「徳を以て恨みに報ゆ」などは老子からだし、「爾(なんじ)に出ずるものは爾に反る」は孟子だったり、先人の言葉も多く残っているのだ 又は京都いろはカルタとか、御祖父さんとか御祖母さんからの諺を訊いても面白いものである
法律にしても、規則にしても知らなければ損をするのは、知らない本人なのである
但し、知ったかぶりは後々、多くの問題点も伴うので、専門的な事は専門家に任せるべき事なのだろうと思う