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XXXI 風俗

一人での生活は寂しい 人肌恋しくなる そこら辺で女の子をナンパする事は俺には勇気が無い 結局夜の街にフラフラと出掛けて行く事となる 焼き鳥屋で一杯飲んで梯子酒・・ 
「部長さん! いい子が居るよ どう寄って行かない?」
客引きの男が声を掛ける 戸惑っていると男は 「今ならサービスするから・・ねっ!」
一体何をサービスしてくれるのか 財布の中身も心配だ 「幾らかな!?」
酔っ払って気が少し大きくなっている自分は男に訊いた
「今ならポッキリ一万円 !!」 男が答える しかし無職に一万円はチョッと痛い
「もう少し勉強してよ!」 帰りのタクシー代だって気に掛る 
色々心配するのなら飲みに行かなければ良いのにねぇ まぁ自分に気分転嫁の心算で与えた今までのご褒美っう事で・・(何の褒美なのか意味も無いのだが)
「社長さん分かっていますよ! サービスしますよ一割引で !!」
(先程までは部長だったのに今度は社長になっちゃった)
「後もう千円引いて八千円にしてよ!」
「仕方ないなぁー お客さんには負けちゃいました 八千円にしましょう! でも内緒ですよ!!」
男に前金で八千円を払うと、真っ暗な部屋を奥へと案内される 最近流行りなのか、一昔前なのか分からないが、歌謡曲がガンガン流れる中で案内された個室に座る
「お飲み物は何に致しますか?」 相手の女の子を待つ間の時間潰しに一杯飲みながら待つのだ
「じゃあコークハイを!」 ウィスキーの水割りとかジュース・焼酎のウーロン茶割りなどが定番として有るのだが、先程焼き鳥屋で食べたにんにくタップリの焼き鳥の臭いが気に為ったので、コーラの甘い味で誤魔化そうと思ったので有る ホンとならウーロン茶でも立て続けに三杯位頂けば良いのだろうが、お腹もポンポン状態なので軽くコークハイだな 
「失礼します」 女の子が小さな籠を持ってやって来た 
「マユです よろしくねッ! 何て呼んだらよいのかなぁ?」
「あっ俺!? 川嶋!川嶋博です!」 
「じゃあ ヒロちゃんね ヒロちゃん? 今日は何してたの !?」
何してたの っう事を訊かれてもハローワークへ往って、後は何もする事が無いのでアッチこっちフラフラとしていたんだよなぁ・・ 冷静に考える状況では無いけれど、自分は今後なにを遣りたいのだろうか
「どうしたの? 考え込んじゃって・・ マユはねぇ・・」 彼女は今日の昼間の事を喋り始めた
彼女は横に座ると自分のズボンのベルトを外しながら一方的に話しているのだが、もどかしいのか途中でズボンのチャックを先に下げてしまった チョッと落ち着きを払って為すが儘に飲んだりもしていたのだが、この場面は飲んでる場合とは違うよね 彼女は下着にスリップ姿なので否応無しに息子がギンギンと唸っている 何だか精神と肉体は別行動なのが情けないと思うのだが、生殖本能だから仕方ないのかな スクッと起って(息子は勃っているが)自分でズボンを脱いだ 今日の下着はトランクスである ブリーフと使い分けるのだが、只何と無く今日はトランクスで良かった様な気がする 最近銭湯に行っても日帰り温泉地に往っても、殆どの人がトランクス派なのである 子供の時は殆ど皆が白いブリーフだったのに、中学校頃からだろうかトランクスに切り替わったのは・・!? 今思えば小学校の時のブリーフに、母親がマジックで名前を書いてくれた事がどんなに恥かしかったか・・
羞恥心が白のブリーフを柄物のトランクスに目覚めさせるのだよね っうか中学生に成った時に母親に白い下着の事で抗議したんだよな 純粋無垢な心も徐々に色濃く染まっていく時でも有るんだろうな